<簡単な解説>
映画ファンの評価が高く、SNS等を通じた口コミで、観客動員数が瞬く間に伸び大ヒットにつながった作品。クラウドファンディングによる資金調達も話題になりました。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞に輝いた同名マンガを原作にしたアニメーションで、第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞も受賞した話題の映画の大筋を一挙公開!

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

映画の簡単なあらすじ

昭和19年、18歳のすずは突如持ち上がった縁談で、軍港がある街・呉に嫁ぐことになる。夫の周作や彼の両親、義姉の径子とその娘・晴美との新たな生活。配給の物資が乏しくなる中、すずは工夫を重ねて食事を作り、着物をもんぺに作り変え、時には好きな絵を描いて平穏な日々を積み重ねる。


しかし昭和20年3月、呉に空を覆いつくすほどの敵機が現れ、すずが大切にしていたものはしだいに失われてゆく。それでも続く毎日―そして、昭和20年の夏がやってきた。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=yoI9Yl60BqU

少女すずと彼女をとりまく小さな世界

浦野すずは、のんびり屋だが絵を描くのが好きな少女。広島の江波から中島本町へお使いの途中、奇怪な「ばけもん」にさらわれたり、お祖母ちゃんの家で座敷わらしに出会ったりと、すずのまわりには不思議なことがいっぱい。でも、そんな奇妙な出来事も日常と溶け合って穏やかに過ぎてゆく。


言葉にするより絵で伝えることが得意なすずは、怒りんぼのお兄ちゃんに怒られた妹のことも絵を描いてあげて宥める。同級生の水原哲が家族を水難事故で亡くしたときには、二人でともに見つめた海の白波を「波のうさぎ」にして描き、なぐさめる。ぶっきらぼうな水原は、お礼とばかりに椿の花をそっとすずの荷物に忍ばせるのであった。

軍港のある街・呉へ―見も知らぬ人へ嫁ぐすず

18歳になったすずは家業の海苔養殖を手伝っていたが、絵を描くのが好きなこととノンビリした性格は子供の頃から変わっていない。そこに突然やってきた縁談。相手を気に入るのか気に入らないのかもわからぬまま、すずは呉市へと嫁ぐことになる。互いにほのかな思いを抱いていた水原とは、気持ちを告げることも叶わなかった。


新しく家族になったのは、夫の周作とその両親、周作にそっくりな姉の径子とその娘の晴美。すずは足が悪い姑のサンの代わりに、嫁いだその日のうちから北條家の家事をすべて引き受けることになる。

呉で新たな暮らしを送るすず―しかし戦争はしだいに激しくなる

戦争で物資が乏しくなり満足に配給もない中、すずは毎日工夫をして食卓を彩る。燃料を節約しながら米を炊き、おかずに野草を加えて食事の量を増やす。小姑の径子に冴えない服装を注意された時には、着物をもんぺに作りなおす。姑のすみにへそくりを貰って闇市で砂糖を買ったときには、帰り道で子供のように迷ってしまったが、親切な遊女のおりんに助けられた。


最初はぎこちなかった周作とも、日々の積み重ねの中で気持ちが通じ合うようになってゆく。戦艦大和の入港をともに眺め、小春橋の上で見つめあう周作とすずには、同じ未来が見えていた。

昭和20年―運命の夏がやってきた

建物疎開で家を追われた径子は、娘の晴美を連れて婚家から出戻ってくる。そんな中、舅の円太郎が勤務先の工場で空襲にあい大怪我をしてしまう。晴美を連れて円太郎を見舞ったすずだが、帰り道で運悪く空襲にあってしまう。


二人は防空壕へ逃げ込むことができたが、すずは壕から出たところですぐそばに不発弾があることに気がつく。とっさに晴美の手を引くすず。しかし、残酷な運命は晴美の命と、晴美と繋いでいたすずの右腕を連れ去るのであった。


晴美を死なせて生き残ったことを径子から責められ、右腕を失って絵を描くこともできなくなったすず。自暴自棄になったすずの目に映った世界は、何もかもが歪んでいた。北條家に焼夷弾が落ちてもすぐには消火できず何もかも燃えてしまえばいいとすら思い、空襲で敵機が襲ってきても自らの命を顧みないすずには、周作の思いも届かなくなっていた。

終戦へ―すずの新たな世界が始まる

妹のすみから広島に戻るよう誘われたすずは、周作と別れることを決意する。だが8月のある朝、荷物をまとめていたすずに思いがけず優しい言葉をかけたのは径子だった。その言葉に、自らの生きる場所はここだと気がついたすず。その時、すずと径子の元に一瞬の光が射し、不気味な轟音が轟く。


8月15日、終戦の知らせを淡々と受け入れる人々。だが、すずには何もかも納得がいかず、やみくもに畑へと駆け出す。世界には暴力が蔓延しているが、自らの心の中にもまた世界を憎む気持ちがあることに気がついたすずは、やるせない怒りにかられ地に伏せて号泣するしかなかった。


しかし、人生は続いてゆく。傷が癒えてきたすずは、広島へ妹を訪ねる。街や人々が復興するにつれて、すずの前にも新しい世界が広がってゆく。焼け野原になった呉を周作と歩みながら、これからも彼と人生をともにすることを心に誓うすずだった。

この世界の片隅にの作品情報

この世界の片隅にのジャケット写真
監督
片渕須直
原作
こうの史代
キャスト
細谷佳正、小野大輔、潘めぐみ、能年玲奈(北條すず(旧姓:浦野))
上映時間
126分
GEOで購入!
この世界の片隅にのユーザ評価

評価数:810件
評価 :★★★★☆(4.2/5)

クチコユーザの声
  • 映像や語り口調、雰囲気がすごくホワホワしてるのに、内容がずっしりと重い。でも伝わるべきものはしっかりとこちらに伝わってきます。見てよかった。
  • 戦争を背景に描いたこれまでの作品は、殊更その悲劇性のみがクローズアップされ、それがある種の課題のように作り手も捉えていたと思うが、この映画が斬新なのはあくまで日常そのものがテーマであり、戦時下とゆう時代もそこに内包している所だと思う。
  • 戦時中というシチュエーションの中で、色んなものを失いながらも、そこにはちゃんと「日常」があったことを伝える良作。同時期に見た「君の名は」よりも感じるものは大きかった。

参考URL ・youtube.com