ELLEのジャケット写真

映画「ELLE エル」はフランス、ベルギー、ドイツで製作されたスリラー映画。かなり変わった性癖をもつ女社長の身に起こるエロティックな事件にミステリアスな要素が加わった口当たりの濃い作品。主役の女社長を演じるイザベル・ユペールの演技力に度肝を抜かれますよ。それではストーリーのあらすじネタバレをお楽しみください。

監督:ポール・バーホーベン、原作:フィリップ・ディジャン、脚本:デビッド・バーク、出演:イザベル・ユペール(Michele) ローラン・ラフィット(Patrick) アンヌ・コンシニ(Anna) シャルル・ベルリング(Richard) ヴァージニー・エフィラ(Rebecca) ジョナ・ブロケ(Vincent)

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

始まりは衝撃的なレイプ

ある日ミッシェル(イザベル・ユペール)が自宅に帰ってくると、愛猫がテラスで鳴いています。部屋に入れようとテラス窓を開けた瞬間、スキーマスクを被った黒ずくめの男が突然現れ、襲い掛かってきました。何度も殴られレイプされたミッシェル。しかし男が去ると何事もなかったかのように部屋を片付け、ゆっくりと湯船に浸ります。息子がやってきて顔の傷を尋ねますが、転んだだけと言います。その後も、普段どおりの日常を過ごすミッシェル。

ミッシェルは、エロ系ゲーム開発を手掛ける会社の社長です。彼女は親友で共同経営者アンナ(アンヌ・コンシニ)の夫ロベール(クリスチャン・ベルケル)と不倫恋愛中。ミッシェルの元夫リシャール(シャルル・ベリング)は今も彼女の友達であり、リシェールの彼女とも良い関係を保っています。ある日ミッシェルは彼らとレストランで会食をし、その場でレイプされたことを伝えます。淡々と話す彼女に、「警察に届けたの?」と周りが尋ねると、「警察は信用できないから言わない」と言います。

※60代ながらも自由奔放で美しく魅力的な女性ミッシェル、しかしレイプ後の彼女の反応は実に冷静。会社や友達との会話を通して、彼女の強さやクールな性格が浮き彫りにされていきます。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=_hycHCHryVI

ミッシェルの暗い過去

ミッシェルが警察に言わないのには理由がありました。実はミッシェルの父親は、近所に住む少女たちを大量殺人したサイコパスだったのです。ミッシェルがその父親とともに家財道具を燃やしている時、警察が逮捕にやってきました。そして撮られたニュース映像には、幼いミッシェルの姿が・・・。そのためミッシェルはメディアに追い回され、それがトラウマになっていたのです。

「あの時だって私は被害者だった」

警察を信用できないミッシェル、レイプ犯は身近にいると考え、自ら犯人捜しを始めます。身を守るためにトンカチや防犯スプレーなども購入しました。厳しい敏腕社長ミッシェルに反感を持つ部下や心酔している部下、そして恋人や元夫、しかし犯人は見つかりません。そんな中、社内でミッシェルのレイプ事件を示唆するようなビデオが流されたり、部屋に侵入跡があったりします。

※ミッシェルが会社で流されたビデオの犯人と思しき部下を問い詰める際、パンツを脱がせてマジマジと股間を見た後の一言「あなた、ユダヤ教だと思ったけど割礼していないのね」。そのシュールさに笑ってしまいます。

レイプ犯はまさかの?!

ミッシェルは、息子(ジョナ・ブロケ)と母親(ジュディット・マーレ)とそれぞれのパートナー、隣のパトリック(ロラン・ラフィット)夫妻、アンナ夫妻、元夫と彼女を招いてクリスマスパーティーを開きました。パトリックに好意を持っていたミッシェルは、テーブルの下でパトリックの股間を足でまさぐり誘いかけます。まんざらでもない様子のパトリック。

パーティーも終わりに近づいた時、母親が突然倒れました。そして病院に運ばれる中で、ミッシェルに「お父さんに会って」と言葉を残して亡くなります。父親の映像に向かって「クソッタレ、クソッタレ」となじるミッシェル。

ある嵐の日、ミッシェルが二重窓を閉めるのに難儀しているところに、パトリックが助けにやってきました。そこでもパトリックを誘惑するミッシェル。しかしパトリックは誘いに乗らずに帰っていきます。それから数日後、ミッシェルは再びレイプ犯に襲われました。ミッシェルは近くにあったハサミでレイプ犯の手を刺し、犯人が怯んだ隙にスキーマスクをはぎ取ります。

マスクの下に現れたのはパトリックでした。パトリックは、レイプでしか感じない性癖を持っていたのです。

※ミッシェルの母親や息子、そしてそれぞれパーティーの面々のキャラの実に濃いこと!フランスってこんな人ばかりなの?と思わず唸ってしまいます。

父親の死そして続くレイプ

犯人がパトリックとわかった後も、普段と変わらずに過ごすミッシェル。ミッシェルは父親に会いに刑務所を訪れました。しかし父親はミッシェルが来る数時間前に自殺していました。父親の死顔に「クソッタレ」と囁き、ミッシェルは帰ります。

そして帰り道、飛び出してきた鹿にぶつかり、ミッシェルの車は横転してしまいました。助けを呼ぼうと友達に電話しますが、誰にも通じません。最後に助けを求めた相手、それはパトリックでした。

駆け付けたパトリックに助けられ、ミッシェルは自宅に戻ります。そして足に負った怪我を治療してくれるパトリック。ミッシェルは尋ねます。「何故あんなことしたの?」「必要だったから」とパトリック。そして二人は再び、レイププレイを楽しみました。その後も関係を続ける二人。

※ここまで来ると、何だかおぞましいというか、この人たちには倫理がないのか?と思ってしまいます。そこがキリスト教の多い欧米でも賛否両論、激論になったところでしょう。

別れと旅立ち

ミッシェルの会社で製作された新作ゲームが発表され、その記念パーティーが開かれました。そのパーティーの席上で、ミッシェルは親友アンナに「わたし、あんたの旦那と浮気してるわ」と告げます。ショックを受けたアンナ。夫ロバートは狼狽え、アンナに駆け寄ります。それを淡々と見ているミッシェル。そしてミッシェルはパトリックを誘い自宅に帰ります。

いつものようにレイププレイをしているミッシェルとパトリック、そこに予定外に帰ってきた息子は、母親が襲われていると思いパトリックの頭部を木の棒で思い切り殴りました。

「なぜ?」という表情で倒れるパトリック。ミッシェルは口元に薄笑いを浮かべます。パトリックが死亡し、未亡人になったレベッカは引越ししようとしていました。そこに挨拶に行くミッシェル――するとレベッカは「夫の欲望を満たしてくれてありがとう」と言いました。ラストシーンは、ミッシェルとアンナの仲の良い姿で終わります。

※タイトル「ELLE」は英語では「She」、彼女という意味です。この映画は欧米に衝撃を与え、たいへん物議をかもしました。第69回カンヌ映画祭では高評価を受け、第89回アカデミー賞では主演女優賞にノミネートされています。映画評論では女性の生き方のように論評されていますが、私には女性から男性への復讐のように感じました。それにしても主演女優のイザベル・ユペール、御年65歳ということですが、実に美しく色っぽいですね。

エル ELLEの作品情報

ELLEのジャケット写真
公開日
2017/08/25
監督
ポール・バーホーベン
キャスト
イザベル・ユペール(Michele) ローラン・ラフィット(Patrick)
上映時間
131分
GEOで購入!
エル ELLEのユーザ評価

評価数:188件
評価 :★★★☆☆(3.3/5)

「氷の微笑み」もオススメ!

この映画を見て思い出すのが、同じ監督ポール・バーホーベン作品の「氷の微笑み」です。主演女優のシャロン・ストーンが実に美しかったですね。 この監督の作品に共通するのが、美しく冷酷で強い女性。彼女たちの非道徳的で普通でない反応が見た人たちに物議を呼びますが、そもそも普通ってなんだ?というのが、この監督のテーマのようです。監督自身が幼少期をドイツ・ナチスに占領されたオランダで過ごし、人間の残虐さや弱さを見て育ってきた影響もあるのでしょうか。 自分の小説のために、友達も恋人も利用し次々と冷酷な殺人を犯していく女性キャサリン。完全犯罪に近い頭脳の持ち主でありながら、美しく魅力的。最後まで気が抜けない映画です

氷の微笑の作品情報

氷の微笑のジャケット写真
レンタル開始日
1998/12/22
監督
ポール・バーホーベン
キャスト
シャロン・ストーン マイケル・ダグラス
上映時間
128分
GEOで購入!
氷の微笑のユーザ評価

評価数:308件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 日本語のタイトルにつられてしまいました。魅惑的なタイトルですね。 ヒッチコックを思い起こすような内容ですが、こちらの方が断然エロティックです。サイコな恐怖もあって、シャロン・ストーン演じるキャサリンに見てる側も翻弄されてしまいます。
  • 当時を思い出してみるととても衝撃的な映画でした。母親に映画を見ている時に目隠しされた記憶があります。土曜日の9時のテレビ放送ではよく理解出来なかったので次の日にレンタルしに行くと全て借りられていたのも良い思い出です。名作です
  • エロシーンばかりが取りざたされる本作ですが、地味なだけにリアルでスリリングな車での尾行シーンや、印象的なカットや台詞の繰り返しで徐々に罠に陥る主人公を描く小技の効いた演出等、見所は脚を組みかえるシャロン・ストーンだけではないサスペンスの秀作だとおもいますよ。

参考URL
・youtube.com