セッションのジャケット写真

偉大なジャズ・ドラマーになるという野心を抱いて、全米屈指の名門校シェイファー音楽院に入学した19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、何とかしてフレッチャー教授(J・K・シモンズ)の目に留まりたいと考えていた。彼が指揮する スタジオ・バンド に所属すれば、成功は約束されたも同然だからだ。

監督:デイミアン・チャゼル、脚本:デイミアン・チャゼル、出演:マイルズ・テラー(Andrew) J・K・シモンズ(Fletcher) ポール・ライザー(Jim) 

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控えの奏者ニーマン、バンドへ誘われる

音楽学院でドラムを学ぶ主人公アンドリュー・ニーマン。彼のいる学校はアメリカでも最高峰の音楽学校だが、ニーマンの成績は決して芳しくなく、彼は譜めくりを担当する控えの奏者でしかありませんでした。ある日のこと、彼が練習していると、学院の中でも有名なハイレベルバンドを受け持つフレッチャーが入ってきます。彼はニーマンへ近づくと「新しいドラムを探していること」「なぜ入ってきた時練習を止めたのか」を問いただし、ろくにニーマンの演奏を聞かずに出て行きます。

ニーマンの家族は、ニーマンのドラムの才能、音楽の道についてあまり理解を示していないことが明らかになります。それでもニーマンは、フレッチャーに声をかけられたことに希望を抱き、ドラムに向かい続けます。

フレッチャーのバンドに正式にスカウトされたニーマンは、気を良くして、よく観に行く映画館のアルバイトをしているニコルに告白、デートの約束をします。全てがうまく回りそうな予感がしますが、ニーマンは初めてのバンド練習の日に寝坊し、焦ります。結局遅刻はせずに済み、かなりの時間待たされつつもバンドメンバーも揃い、練習開始時刻9時ぴったりにフレッチャーがやってきます。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=2HCQYufdJoQ

フレッチャーによる厳しい特訓が始まる

フレッチャーの指導は厳しいものでした。音程が合わないもの、それに気づかない生徒や自信のない生徒を容赦無くバンドメンバーから外すフレッチャー。フレッチャーはニーマンにドラムを叩かせます。ドラムを叩くニーマンですが、彼のテンポを快く思わないフレッチャーは椅子を投げつけ、彼の頰を叩き、涙を流したニーマンに「もっと練習しろ」と告げます。

ニーマンは個人練習に打ち込みます。ドラムを叩くニーマンの手はマメだらけになり、そのうちマメが破れ血まみれになりますが、それでもニーマンは練習をやめませんでした。

開催されるジャズコンテストで優勝を目指すフレッチャーのバンド。フレッチャーは「楽譜を手放すな」とメンバーにきつく言いますが、ドラムの主奏者の楽譜を預かっていたニーマンは楽譜を失くしてしまいます。当然のように主奏者は怒りますが、彼は楽譜を覚えていませんでした。暗譜していたニーマンは彼の代わりに叩き、主奏者に代わります。ただニーマンの家族は、その輝かしい功績にも、理解を示しませんでした。

ニーマンはフレッチャーの望むテンポを叩けません。フレッチャーは他のドラム奏者を引き合わせます。ニーマンは主奏者の立場を譲りたくないため必死になって練習を続けます。そのうち、告白しデートまでしたニコルとの関係を「ドラム奏者になる夢の邪魔になる」と発言。ニコルとは破局しますが、ニーマンはドラムを叩き続けます。

ニーマンに訪れた悲劇

フレッチャーは新しい曲「キャラバン」を演奏するにあたり、元々主奏者だったタナーという男と、ニーマン、次にドラム奏者としてスカウトしたコノリーにドラムを叩かせます。気に入るテンポが見つかるまで、3人にドラムを叩き続かせるフレッチャー。練習は深夜にも及び、ドラム奏者はニーマンに決定します。

「キャラバン」を演奏する大会当日、ニーマンの乗ったバスがパンクしてしまいます。レンタカーを借り、ギリギリに会場入りしたニーマンに、当然のごとく罵声を浴びせるフレッチャー。ニーマンはそこでドラム演奏に使うスティック一式をレンタカー事務所に忘れたことに気づき、演奏時間には間に合うと飛び出してしまいます。スティックを回収し、急いで車を走らせるニーマンですが、追突事故を起こしてしまいます。

会場についたニーマンは血まみれです。事故で大怪我を負ったニーマンは、ドラムを演奏することができません。演奏を止められ「終わりだ」と告げるフレッチャー。観客に謝るフレッチャーにニーマンは暴言を浴びせます。暴れるニーマンをバンドのメンバーが取り押さえます。

フレッチャーの復讐と圧巻のラスト

その後、ニーマンは、フレッチャーのかつての教え子が自殺したことを知ります。その教え子は、フレッチャーの行き過ぎた指導が原因でうつ病を患っていたのです。ニーマンを尋ねてきた女性に「フレッチャーが精神的苦痛を与える指導を行なっていなかったか」と問われ、ニーマンは指導方法について答えます。

ある日街を歩いていたニーマンは、ジャズのライブハウスでフレッチャーが参加するバンドを見つけます。演奏を聞こうとしたニーマンをフレッチャーが見つけ、呼び止めます。「音楽学院を辞めた」というフレッチャーは、ニーマンを自分のバンドに誘います。

誘われたバンドでの演奏当日、フレッチャーは「密告したのはお前だな」とニーマンに囁きます。バンドの演奏が始まり、全く知らない楽曲を演奏されたニーマンはドラムを叩けません――それはフレッチャーなりのニーマンへの復讐でした。一度は帰ろうとしたニーマン。しかし思い立ったようにドラムへ戻り、演奏を始めます。徐々にバンドを飲み込んでいくニーマン。最後にはフレッチャーと息の合った演奏を見せ終わります。

セッションの作品情報

セッションのジャケット写真
公開日
2015/04/17
監督
デイミアン・チャゼル
キャスト
マイルズ・テラー(Andrew) J・K・シモンズ(Fletcher) 
上映時間
106分
GEOで購入!
セッションのユーザ評価

評価数:69件
評価 :★★★★☆(4.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 「無目的的に自己を表現する歓喜」を爆発させた超秀作。「社会に認められたい」とか「音楽で食っていきたい」とか、そういう目的を持った表現ではなく、音楽を通じて「自己の表現欲求を解放する歓び」を見事に映像作品として表現してみせた。 我々一般人には高尚すぎて、どこか近寄りがたく感じてしまうジャズというジャンルの中で、荒々しい「生」を解き放っている。ある意味、教師が人格者ではない点に現実味があり、現代という時代にマッチしている。 死にたくなってしまうような現代社会を生きる人々への救済手段として、音楽(芸術)を熱い映像作品として提示した名作。
  • 稀に見る高評価なのでずっと気になっていた作品。劇場で観れる機会を探していたが、やっと観れた! 演技力すごい!迫力がビシバシ伝わってくる。音楽も素晴らしい!ストーリーは・・・あれ?ふつう・・・。期待のラストシーン!え?これで終わり?ってな感じでした〜。鬼気迫るものはありましたが… 音楽関係の方にはたまらない作品なんだろうけど、聴くだけの私には特別な作品にはならなかった。期待ほどではなかったけど良作でした!
  •  全てはラストのためにあり、同時に階級的である。本作を観る大方の者は、自分が立場を失っていることを自覚すべきである。なぜなら多くの人間は主人公のように才能に恵まれていないし、シモンズのような指導を出来る立場にもない。よって本作に感情移入をするなど間違っているし、意味がない。せいぜいマンガ君にでもそうすればよいのだ。  本作は騒がれるほどの物語があるわけでも、仕掛けがあるわけでもない。ただ、音楽というその場での、ことばを拒否する演出が素晴らしいだけである。そして、その度合いが並大抵でないのだ。

参考URL
・youtube.com