ダンサー・イン・ザ・ダークのジャケット写真

目の不自由なシングル・マザーがたどる悲劇を描いた異色ミュージカル。監督・脚本は「奇跡の海」のラース・フォン・トリアー。撮影は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のロビー・ミュラー。振付はヴィンセント・パターソン。主演・音楽はビョークで、2000年のカンヌ国際映画祭パルムドール主演女優賞受賞しました。

監督:ラース・フォン・トリアー、脚本:ラース・フォン・トリアー、音楽:ビョーク、出演:ビョーク(セルマ) カトリーヌ・ドヌーヴ(キャシー) デヴィッド・モース(ビル)

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チェコ移民のシングルマザー・セルマ

ドキュメンタリー映画のようなプロローグで物語は始まります。ミュージカルが大好きなセルマ(ビョーク)は、チェコ移民のシングルマザーです。警察官ビル(デヴィッド・モース)とリンダ夫妻が住む家の、敷地内にあるトレーラーハウスを借りて住んでいます。セルマの目は先天性の病により、ほとんど視力を失いかけています。彼女の息子ジーンも同じ病で、手術しない限り失明すると宣告されていました。

そんなセルマ親子を、家主のビル・リンダ夫妻や仕事仲間のキャシー(カトリーヌ・ドヌーヴ)たちは気遣い、生活のサポートしてくれています。セルマは彼らに感謝しながら、毎日節約し質素に生活をしていました。セルマは昼間は工場、夜は内職をしならがらコツコツとお金を貯めています。表向きはチェコに住む父親に送金するためと言っていますが、実は息子ジーンの手術費用を貯めているのでした。

※この映画撮影時、カトリーヌ・ドヌーブは57歳ですが、文句なしに美しいです。絶世の美女は、年を取っても美しいままですね。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=NQ6HozU5TGo

一人息子ジーンのために

ある日、ビルはセルマに妻リンダの愚痴をこぼしていました。最近遺産が入ったビルは裕福と思われていましたが、妻リンダが想像以上の浪費家で、今では家まで銀行に差し押さられていると言います。途方に暮れ泣くビルを慰めながら、セルマは自分も秘密、ジーンの手術のためにお金を貯めていることを打ち明けます。「13歳になったら手術を受けられる、あと少しで貯まるの。」

セルマのたったひとつの楽しみはミュージカルです。仕事をしている工場の規則正しい機械音は、まるで音楽のリズムのように聞こえ、セルマは想像の中で歌い踊ります。夢想家だけど純粋で真面目なセルマに、同じ工場で働くジェフは好意を寄せています。

※この映画の中では唐突にダンスシーンが始まります。現実なのか夢の中なのか混乱しますが、これが夢想家セルマを表しているのでしょう。

失明していくセルマ

徐々に悪化していく視力、ついにセルマは自転車にも乗れなくなりました。そこでジェフはセルマに「車で送ろう」と誘いますが、人に甘えることを自分に禁じているセルマは断ります。

そこへビルがやってきてセルマを車に乗せました。先日、セルマがお金を貯めていることを知ったビルは、車内でセルマに借金を申し込みます。息子の手術を最優先に考えるセルマは当然断りましたが、追い詰められている様子のビルは自殺を図りかねない様子です。

迫りつつある失明に焦ったセルマは、夜勤も増やして働きます。しかし目が見えない上、疲れが溜まっているセルマはミスで工場の機械を壊してしまい解雇されてしまいました。心配するジェフに、セルマは遂に失明していることを伝えます。ショックを受けるジェフ、セルマは大事な用があるので3時に迎えに来て欲しいとジェフに頼みました。

※徐々に失明に近づいていくセルマの無茶な行動に、見ている側もハラハラします。セルマを助けるキャシー、本当に良い人ですね。

セルマ、ビルを殺害する

自宅に戻ったセルマが最後の給金を入れるため、貯金箱代わりの缶を開けますが、なんと中身が全て失くなっていることに気づきます。貯金を知っているのはビルだけ――セルマはビルの家に向かいますが、妻のリンダが怒ってセルマに対し「出て行け」と言いはなちました。ビルは自分の罪を誤魔化すために「セルマに迫られた」とリンダに伝えていたのです。

セルマは2階にいるビルにお金を返して欲しいと訴えますが、ビルは銃で脅しながら、まるでセルマがお金を奪ったかのように装います。お金をめぐって揉み合う内に銃が暴発しました。

ビルはリンダに「セルマが自分を殺そうとしている」と訴え、誰かに助けを求めるよう言います。しかしセルマには「自分を殺してくれ」と懇願します。息子の眼を治療したい一心のセルマは泣きながらビルを何度も撃ち抜き、更には貸金庫でビルの頭を殴りました。セルマは混乱したまま、夢の中に逃げ込みます。

※映画の中で一番不可解なのが、なぜビルを殺さなければならなかったのか?ということです。なぜ銃で撃った後、何度も金庫で頭を殴るのか理解できません。

セルマの死刑執行

お金を取り戻したセルマは、少し早めに迎えに来てくれたジェフに、ジーンの手術をしてくれる病院近くまで送ってもらいました。そして、これまでに貯めた2,056ドル10セントでジーンの手術を引き受けてくれるよう医者に依頼し、そのまま警察に逮捕されます。

裁判ではセルマの残虐さが強調され、死刑判決が言い渡されました。キャシーたちはセルマを救うために奔走しますが、セルマはジーンの手術を望み控訴を拒否します。何よりも自分の子どもの幸せを願うセルマ。

同情した女性刑務官はセルマが穏やかに刑を受けられるよう気遣ってくれます。そして死刑執行当日、ジーンの目の手術が成功したことをキャシーから伝えられたセルマは、「最後から2番目の歌」を歌いながら死に望みました。「これは最後の歌じゃない。分かるでしょ。私たちがそうさせない限り、最後の歌にはならないの。」

※「ダンサー・イン・ザ・ダーク」はカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しましたが、上映とともに賛否両論を巻き起こした問題作です。なぜ貯金していることを借金で苦しんでいるビルに伝えたのか、なぜビルを殺害しなければならなかったのか、様々な疑問が浮かぶ中で絶望的なラストを迎えます。なんとも後味の悪い映画でした。

ダンサー・イン・ザ・ダークの作品情報

ダンサー・イン・ザ・ダークのジャケット写真
レンタル開始日
2001/06/21
監督
ラース・フォン・トリアー
キャスト
ビョーク(セルマ) カトリーヌ・ドヌーヴ(キャシー) デヴィッド・モース(ビル)
上映時間
140分
GEOで購入!
ダンサー・イン・ザ・ダークのユーザ評価

評価数:1044件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 暗い! とにかくこの作品は最初から最後まで「ダーク」な世界。 後味の悪さからすれば、私の中ではワースト5に堂々のランクインだ。 主人公をビョークが演じていなければ、きっと観ていなかったかもしれない。いや、観ていたかもしれないが2度は観なかっただろう。そもそも主人公セルマの役をビョーク以外に誰が演じられたであろうか。 この作品でカンヌのパルムドール(最高賞)と女優賞を獲得したビョークは本当に才能ある人間であり、歌はもちろんの事、演技力(表現力)からしても彼女の底知れぬ才能を大きく発揮している素晴らしい映画である。 私が何よりも胸を打たれたのは、「子を想う母の愛」が非常に強く描かれていた事だ。 極貧であれ、目が不自由であれ、自分のすべてを子に捧げる生き方はすべての親の手本だろう。 怒りの感情しか芽生えないままにエンディングを迎えてしまうが、息子のジーンがリスクの高い目の手術に成功した事だけがこのストーリーにおけるせめてもの「ハッピー」であった。 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 見終えた後はいつもイライラしてしまうのに、ビョークの魅力に吸い込まれるようにしてまた観てしまう。 最低であり、最高の映画である。
  • 希望を忘れないようにしているように思えるが、しかしどこか諦めている、生きることと幸せになることを。最後に残った分を全て息子さんに託したんだな。救いはないが、それでも深い感動がありました。
  • 物事が悪い方に進んで行き、恐怖に押しつぶされそうななかでも自分の信条や息子への愛だけは曲げない姿勢に心打たれる。心の逃げ道となっているミュージカルの空想シーンがどこか哀しい雰囲気を作っている。最後のシーンでは恐怖から解放された瞬間と刑が執行されるタイミングが良かった

ミュージカル映画の傑作「サウンド・オブ・ミュージック」

ミュージカル映画といえば思い出すのが、不朽の名作「サウンド・オブ・ミュージック」です。1965年公開ジュリー・アンドリュース主演のこの映画は、数々の名曲を世界に送り出しました。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でヒロイン・セルマが好んで歌う「私のお気に入り」も、そのひとつです。 映画「サウンド・オブ・ミュージック」は主人公マリアの自伝を基にした、実話に沿った映画です。トラップ大佐と修道女マリアの恋、そして第二次世界大戦に突入していく緊迫した世界情勢。最後に一家で山を越えてスイスに向かうシーンは、バックに流れる名曲「すべての山に登れ」とともに、今も全ての人に感動を与えてくれます。

サウンド・オブ・ミュージックの作品情報

サウンド・オブ・ミュージックのジャケット写真
レンタル開始日
2001/09/07
監督
ロバート・ワイズ
キャスト
ジュリー・アンドリュース クリストファー・プラマー エリノア・パーカー
上映時間
175分
GEOで購入!
サウンド・オブ・ミュージックのユーザ評価

評価数:1294件
評価 :★★★★☆(4.1/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 素晴らしい景色の中で楽しそうにハーモニーを奏でて、踊りのステップも軽やかで、私もあんな風に…と夢見た学生時代。今大人になって久しぶりに鑑賞しましたが、全く色褪せない素晴らしい作品です。
  • 誰もが知っているドレミの歌、エーデルワイス等が出てくることでも有名な作品です。実在の家族をモデルに家族愛が描かれています。大人になって見てみるとナチスの親衛隊の18歳の少年が、16歳の少女に歌う歌が突っ込みどころ満載で。
  • ミュージカル映画といえばこの映画だろう!めちゃ昔の映画やのに楽しめます! 3時間やのにあっという間!本当に楽しい映画です!素敵な歌ばかりですがドレミの歌が1番好きかも!ワイワイしちゃいますね

参考URL
・youtube.com