ダージリン急行のジャケット写真

1年前の父の死をきっかけに絶交していたホイットマン3兄弟は、長男フランシス(オーウェン・ウィルソン)の呼びかけで、インド北西部を駆ける列車・ダージリン急行に集う。フランシスはこの旅を通じて再び兄弟の絆を固めようと皆に誓う。しかし、3兄弟はそれぞれの問題を抱えていた――

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ジェイソン・シュワルツマン ウェス・アンダーソン ロマン・コッポラ
出演:オーウェン・ウィルソン(フランシス) エイドリアン・ブロディ(ピーター)

3兄弟、久しぶりの再会

父の葬儀以降、顔を合わせていなかった3兄弟が久しぶりに再会します。バイクで事故を起こし、顔中傷だらけの長男フランシスは、ダージリン急行でインド聖地巡礼の旅を企画し、弟2人を呼び寄せます。次男ピーターは妊娠中の妻を置いて、三男ジャックは別れた彼女を置いて参加しています。長男はこの旅で兄弟の絆を深めるという他に、弟に内緒でヒマラヤの修道院にいる母親に会うサプライズを考えています。

長男の仕切りっぷりに不満をもらす次男と三男ですが、次男は妊娠中の妻と離婚しかけていることを内緒にしていて、三男は恋多き男ゆえダージリン急行の乗務員と一晩だけの恋に落ちます。ギスギスしている訳でもありませんが、仲の良い3兄弟とは決して言えない様子の旅が始まります。

※長男の空回り気味なはじけっぷり、次男のむすっとした表情、我関せずな末っ子三男の雰囲気が、少し不穏な空気を漂わせる物語の始まりです。全員が全員、それぞれに悩みや不満を抱えているような様子で、どのような旅になってしまうのかハラハラしてしまいます。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=JN2d4YjE4rA

3兄弟、大げんか

3兄弟はこの旅で、兄弟の絆を深めることを目的にしていましたが、最初に訪れた聖地で次男が離れた隙に、三男は長男に次男の妻が妊娠中であることを告げてしまいます。彼らはそれぞれ毒蛇を買ったり、防衛用のペッパースプレーを購入したりして旅を楽しんでいるようにも見えますが、長男に妻が妊娠中であることがばれた次男は、三男がこの旅を途中で切り上げようとしていることを長男に告げます。

旅を企画した長男はこのことを怒り、弟2人のパスポートを預かってしまいます。そのうち亡くなった父が持っていたベルトを巡り、長男と次男が大げんか。殴り合いのケンカに発展したことで、止めようとした三男がペッパースプレーでその場をおさめますが、その際購入した毒蛇が電車内へ脱走してしまいます。

毒蛇は車掌によって捕まえられましたが、騒ぎを起こした3兄弟は次の駅でおろされてしまいます。

※そこまで仲の良い兄弟ではない彼らが、2人きりになるとその場にいない人のことを話始めるシーンは、なんだかリアルでした。父が亡くなってから会っていなかった兄弟の不満が爆発するシーンは、私達観客からすればかなり滑稽なシーンなのですが、これがきっかけで旅が発展していくのも見所です。

3兄弟とある少年の死

電車から降ろされてしまった3人は、野宿をしながらヒマラヤの修道院にいる母からの手紙を読みます。しかしそこには「息子達に会いたくない」という母の言葉がつづられていました。しかしそこで3兄弟はとりあえず和解します。

翌日、大量の荷物を引きながら歩いていると、川に入って荷物を運んでいる現地の子どもたちに出会います。しかし彼らの目の前で子どもたちが伝っている縄が切れてしまいます。3兄弟は子どもたちを助けに飛び込みますが、次男が助け出した少年は、すでに亡くなっていました。

3兄弟は言葉は通じない中、その少年の村へ呼ばれ、葬儀に参加することになります。回想シーンの中で、父が亡くなった時に次男が引き取ろうとした父の車の中から、読まれていない三男の小説が入っていたことや、母から「葬儀に参加しない」という電話が入ったことを思い出します。

※ある少年の死は、物語の中で突然起こります。助けられなかったことを悔やむ3人ですが、彼の死に向き合う時間を彼らの村から与えられたことで、少しずつ兄弟間のわだかまりが溶けていくのが分かります。

3兄弟と母、そして新しい旅へ

葬儀の後、3兄弟は空港へ向かいます。しかし帰ることはせず、「会いたくない」と言っていた母のもとへ訪れることにします。母は彼らの姿を見て驚きながらも温かくむかえてくれます。3兄弟は「なぜ父の葬儀へ出なかったのか」という問いを投げかけ、母は「ここに私を必要とする人がいた」と答えます。しかし「僕たちは?」という問いかけには、黙り込んでしまいました。そして翌朝、母親はその場から出ていってしまいます。

3人は旅を続けることにしました。荷物がいっぱいのトランクケース(父の物)を持って旅を続けてきた3兄弟でしたが、荷物を捨て、動き始めた列車に乗り込みます。身軽になった彼ら。長男は弟達のパスポートを返そうとしますが、弟2人は長男に預けたほうが安心と受け取りません。

彼らの旅は続きます。

※母との確執が埋まったわけではないラストだと思いますが、父と母との関係に一つ終止符をうったようなラストが印象的です。3兄弟は両親との関係に固執していたようにも思えますが、トランクを捨て旅を続ける姿はとても晴れやかな印象があります。

ダージリン急行の作品情報

ダージリン急行のジャケット写真

レンタル開始日
2008/09/03
監督
ウェス・アンダーソン
キャスト
オーウェン・ウィルソン(フランシス) エイドリアン・ブロディ(ピーター)
上映時間
92分
さらに詳しく見る>
ダージリン急行のユーザ評価

評価数:473件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 3人の兄弟のインドドタバタ珍道中 みんなそれぞれ人生がどっかかんか上手くいってなくて兄弟仲も悪くはないけど良くも無い それでも旅を続ける 埃っぽくて色彩豊かでスパイシーな香りを感じる異国を巡る旅 根底にあるのはシリアスな人生だけど所々のコメディシーンで救われる 私はエイドリアン・ブロディの始終下がり眉の困り顔がツボでしたw
  • さぞかしくだらない映画なのだろう、という期待を裏切らない映画。
    ただ、私はこの監督の「意味のわからない面白さ」やくだらないチョイネタが好き。主な舞台となるダージリン急行もとても魅力的だし、いろんなモノの色合い、音楽も素敵。
  • 何かにつけて行き当たりばったり的で、お母さんに会おうと決める
    くだりもそう。
    しかし、インドの車掌さんやアテンダントさんって、本当にあんな
    格好しているんでしょうかね?
    最後のほうだったか、乗り合わせた乗客のコンパートメント席を
    イメージ映像で次々に映し出す場面が、面白く印象に残りました。

参考URL
・youtube.com