ドリーム(2017)のジャケット写真

第89回アカデミー賞作品賞を含む3部門ノミネートのヒューマンドラマ映画「ドリーム」。1961年米ソが宇宙開発競争を繰り広げるなか、黒人女性初のNASA宇宙特別研究本部に配属された女性の泥臭くもカッコイイ軌跡を追った作品です。

監督:セオドア・メルフィ、キャスト:タラジ・P・ヘンソン(Katherine G. Johnson) オクタヴィア・スペンサー(Dorothy Vaughan)

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マーキュリー計画(有人宇宙飛行)とは?

1961年、アメリカ・バージニア州にあるNASA。黒人女性のキャサリンは数学が得意なため計算士として、同じく友人で同僚の黒人女性のドロシーとエンジニアとして黒人女性のメアリーが勤務していました。当時アメリカとソ連の間で冷戦時代をむかえていましたが、一足先に1961年4月、ソ連が有人での宇宙飛行を成功させ、世界中がソ連の技術に注目しました。

このことをきっかけにアメリカ政府はNASAにマーキュリー計画(有人宇宙飛行)をすぐ成功させるよう圧力をかけ始ます。キャサリンの能力の高さを見込んだ上司:ヴィヴィアンはマーキュリー計画のチームの一員としてキャサリンを任命しました。しかし時代のアメリカには黒人差別が色濃く残残っており、キャサリンは様々な障害と直面します。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=cOw2BMDcFag

諦めないキャサリン

新しいオフィスへと移動したキャサリンでしたが、他のスタッフは白人のみで皆冷たい態度でした。しかもトイレは白人用と黒人用に分かれていて黒人用は数百メートル歩かなければいけない距離に設置してあったためキャサリンは走ってトイレに行く毎日でした。同じ頃同僚のドロシーも主任に昇級するよう頼みますが「黒人を主任に昇給させた前例がない」との理由で却下されてしまいます。

メアリーもまたエンジニアのスキルを上げるためには白人専用の学校で授業を受けたいと申し出ますがうまくはいきませんでした。そんな中マーキュリー計画成功のため忙しい毎日を送っていたキャサリンは黒塗りばかりされたデータを解答するようにと無理難題な指示を受け、詳しい情報を知りたいと訴えるキャサリンに上司は知る必要はない、計算の確認だけすればいいと冷たい態度をとります。

しかしキャサリンは隠されたデータを自身で割り出し、更により正確な数式をチームに発表します。これをきっかけにキャサリンはチーム皆から信頼されるようになりました。

マーキュリー計画決行

NASAは打ち上げ前により正確に計算するためにコンピューター(IBM)を導入することにします。しかしコンピューターは組み立てが必要で立ち上げ方に四苦八苦してました。その時キャサリンの同僚のドロシーはコンピューターが普及すれば自身の計算士としての仕事がなくなると思い、自分で資料を集め独学でコンピューターを使いこなせるよう猛勉強を始めます。

そしてドロシーはなんと起動させることに成功させ、NASAで初めて黒人女性の主任として昇格しました。その頃メアリーも白人専用の学校への入学が裁判所で許可されスキルアップへの道を切り開くことができました。

そしてマーキュリー計画の当日、コンピューターの起動は成功しましたがまだまだ手探りな状態のため着地地点が昨日と異なっていることが判明します。しかしキャサリンは直ぐに問題を解決し、1961年5月にロケットは無事発射されました。

新たな歴史が作られる

打ち上げは成功しましたが途中に飛行士が乗っていたカプセルに異常が発生し、NASAは問題解決に苦しんでいました。そこでもキャサリンは大活躍し、新たに計算をし直し無事飛行士は地球へ帰ることができました。打ち上げ成功にNASA中が歓喜しキャサリンはNASAの一員として新しい歴史を作り上げました。

キャサリンはマーキュリー計画後、コンピュータによる解析を専門とする部署に異動し、人類を月に送ったアポロ11号やスペースシャトルの打ち上げにも携わりました。人種差別の厳しい環境の中世界に名を残す偉大な仕事をしたキャサリンは2015年に大統領自由勲章を授与され、2016年にはNASAの研修所内にキャサリンの名をつけたビルも建てられました。

ドリームの作品情報

ドリーム(2017)のジャケット写真
公開日
2017/09/29
監督
セオドア・メルフィ
キャスト
タラジ・P・ヘンソン(Katherine G. Johnson) オクタヴィア・スペンサー(Dorothy Vaughan)
上映時間
127分
GEOで購入!
ドリームのユーザ評価

評価数:279件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • NASAの宇宙開発に貢献した 知られざる黒人女性達の奮闘ぶりを丁寧に描いた伝記映画。差別や偏見をものともせず困難に立ち向かう姿に胸アツ。脇を固める俳優、60sファッションそして音楽など見所にも溢れた作品でした、前例の無い事にも臆せず立ち向かう勇気を貰えた快作

こちらもオススメ!「チョコレート」

黒人への人種差別をテーマとした映画は多く、戦争の犠牲やスポーツ界までも影響した歴史があります。その中でも2001年に公開された「チョコレート」という映画は黒人に偏見を持ちながら刑務所で勤務していた男性がアメリカ南部のバージニア州で生活していました。男性の息子は父親の考えに疑問を持ち自殺をしてしまいます。ショックを受けた父の前に、同じく夫と息子を亡くした黒人女性が現れ、お互い心の穴を埋めるかのように惹かれ合っていく大人のラブストーリです。黒人女性役をハル・ベリーが演じ、アカデミー賞最優秀主演女優賞を黒人で初めて受賞をした歴史的な作品となっています。父親役にはビリー・ボブ・ソーントン、息子役には2008年に亡くなったヒース・レンジャーが存在感のある演技をしていたことで話題となりました。

チョコレートの作品情報

チョコレートのジャケット写真
レンタル開始日
2003/02/21
上映時間
113分
GEOで購入!
チョコレートのユーザ評価

評価数:194件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 人種差別と偏見と融和を画いたヒューマンドラマ。ハル・ベリーが泣き崩れるところの演技は必見。
  • 最後まで「どうなるんだろう」と思わされる展開ですが、他の皆さんも書いていらっしゃるように、ラストシーンのハル・ベリーの柔らかい表情がある意味この作品の全てです。人生に意味があるとしたら、それは全てこのあるかなきかの微かな笑みに収斂してゆくものなのでしょう。どうであれ、”life goes on”。最後のビリー・ボブ・ソーントンの台詞も胸に沁みて、滂沱の涙でした。
  • 黒人差別、親の介護、子の教育、シングルマザー。陰湿なテーマを扱っているだけに、終始息苦しいムード。 ところどころに刺激的なシーンを織り交ぜ気分転換を図るところは、映画の作りとしてうまい。 個人的には主人公の豹変ぶりの不自然さと、最後までスッキリしないもどかしさが受け入れがたい。 社会派ドラマが好きならオススメ。

参考URL
・youtube.com