バッファロー’66のジャケット写真

刑務所帰りの男とゆきずりの少女の奇妙な恋愛をエキセントリックな演出で描く異色のラヴ・ストーリー。監督・主演は俳優(「フューネラル」「気まぐれな狂気」)・モデル(カルヴァン・クライン、アナ・スイほか)・ミュージシャンなど八面六臂の活動で知られるアーティスト、ヴィンセント・ギャロ。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:ヴィンセント・ギャロ
脚本:ヴィンセント・ギャロ クリス・ハンレイ アリソン・バグノール
音楽:ヴィンセント・ギャロ
出演:ヴィンセント・ギャロ クリスティーナ・リッチ

運に突き放された男による誘拐劇

主人公ビリーは、5年間の刑期を終えて出所しました。刑務所から街へ到着したビリーは尿意を催し、ダンス教室のトイレへ駆け込みますが、同性愛者の視線がどうにも気になってしまいます。その後、ビリーはニューヨーク州バッファローに住む自分の両親へ電話をかけます。公衆電話代は、通りすがった少女・レイラから借りて。

ビリーはどうも刑務所へいたことを両親に話していないようです。両親に口から出任せの嘘をつくビリー。挙句のはてには「結婚している」という嘘をついてしまい、居もしない妻を実家へ連れて帰る約束をしてしまいます。

困ったビリーは公衆電話代を貸してくれたレイラを拉致して彼女の車に引きずりこむことに成功。なんとかレイラを説得し、彼女に車を運転させて実家があるバッファローへ向かうことにします。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=buAdIRD-9W4

“夫婦”の嘘とビリーの家族

レイラを拉致したビリーですが、「手荒なことをして悪かった」としっかり謝罪します。謝罪しつつ、良妻のフリをしろと半ば脅迫もするビリー。しかしそんな彼に対して、レイラも渋々とではありますが、ビリーの実家に行くこと、良妻・ウェンディとして振舞うことを了承します。

ビリーの父・ジミーと母・ジャンが2人を迎え入れます。しかし久しぶりの息子との再開に対して興味のない様子の2人。レイラが一生懸命気を使っても、あまり効果はありません。癇癪を起こすジミー、アメフトに夢中なジャン。なんとも言えない空気のまま4人の時間が過ぎていきます。

ビリーは友人グーンに電話をかけます。は全米フットボールの王座決定戦であるスーパーボウルで、100万ドルを賭けた賭け事をしていたのですが、グーンは電話越しに「その試合が八百長だった」ことをビリーに告げます。そう、ビリーは賭け元から脅迫され、賭け元の友人の代わりに刑務所へ入っていたのです。

散々なビリー、愛情が芽生えるレイラ

ビリーとレイラはボーリング場へ行きました。ビリーはボーリングが得意で、彼のロッカーにはたくさんのトロフィーが飾られています。また昔の恋人の写真も。2人はボーリングを楽しみます。レイラがタップダンスを披露したり、両親に送るために証明写真で2人の写真を撮ってみたり・・・。

ボーリングの後、2人はデニーズで休んでいます。ビリーは、自分が刑務所へ入る羽目になった八百長試合の主犯である元アメフト選手のスコットが、彼が経営するストリップバーに深夜2時に現れることを知ります。深夜2時までデニーズで休むことを考えていましたが、ビリーの昔の恋人であるウェンディが婚約者と共に現れます。

ビリーは彼女に想いを寄せていましたが、ウェンディには全くその気はなかったようで、ビリーをからかいます。落ち込むビリー……デニーズを出て、モーテルへ向かった2人。ビリーは過去の話をレイラに聞かせます。散々なビリーですが、この時レイラにはビリーに対する愛情が芽生えていました。

ビリーの一大決心とは

深夜2時になりました。ビリーは「コーヒーを買ってくる」と部屋を後にしますが、レイラは彼の変わった様子に気づき「必ずここへ戻ってきて」と念を押します。不安そうな顔をしているレイラを置いて、彼はスコットのいるストリップバーへ向かいます。途中、公衆電話から友人グーンに電話をかけ、「自分の宝物をあげる」と言い電話を切ります。

ストリップバーへ入ったビリー。スコットの姿を発見したビリーは彼の頭を持っていた拳銃で撃ち抜きます。そして自分の頭も撃ち抜き、自殺を図ります。・・・が、これは妄想でした。スコットを殺し、自殺したところで、何一つ変わらないことを考えるとバカバカしくなってきました。

ビリーの両親なんて、彼の自殺にすら関心を抱かないでしょう。何をするでもなく店を出たビリー。すぐさま友人グーンに電話をかけ、「宝物をあげるという宣言を撤回する」「彼女ができたよ」という話をします。モーテルのベッドに横たわるビリーとレイラ、コーヒーとドーナツが映し出され、映画は終わります。

バッファロー’66の作品情報

バッファロー’66のジャケット写真

レンタル開始日
2003/01/16
監督
ヴィンセント・ギャロ
キャスト
ヴィンセント・ギャロ クリスティーナ・リッチ アンジェリカ・ヒューストン
上映時間
111分
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バッファロー’66のユーザ評価

評価数:282件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 不器用な男の不器用なままの生き方。
    不器用さを前面に出したままの優しさ。
    ヴィンセント・ギャロとクリスティーナ・リッチのコミカルなやり取りが、美しいストーリーを紡ぎます。
    ヴィンセント・ギャロがフイルム、音楽、出演者、演出にもこだわった、自作自演のこの映画はアートです。
    古き良き名作になるのではないか?
  • 気づけばもう10年近く前の作品なんですね。
    今さらですが、やっと見られました・・・
    公開当時にテレビでよく宣伝を見かけて、それで惹かれました。
    あの予告編のカッコ良さを一切裏切ることのない仕上がりだったのが、まずよかったです。

    画質を荒っぽい処理してるところがオシャレなんだな。

    ビンセント・ギャロは、ほんとに自分が大好きですねぇ。
    彼の自伝的映画といったら、この一本だけにとどまらない。(『ブラウン・バニー』)
    どの作品でも、ことごとく!Mっぷりを披露しているものですから、
    ついつい面白おかしく見てしまう、イチ観客でございます。
    『バッファロー’66』では、若干のSっぷりを演じつつも、
    「どう見ても、やっぱMだな」ってところを楽しんでしまいました。

    10年前は、「何故、アノ見た目のクリスティーナリッチを?!」
    と少し思っていましたが、あの肉感的なのがミリョクなのね、って今はよく理解できる自分がいました。

    ギャロとクリスティーナ、
    お互いの孤独感や寂しさが結びついて、惹かれあっていくさまがよく伝わってきましたよ。
    ふたりが出会って当初のぎこちない関係の描き方なんかも非常に繊細で上手かった。

    気持ち良いラストに飾ってくれてどうもありがとう!と、見終えたときに言いたくなりました。

  • 親子や友人、男と女の間に流れる倦怠感や愛着を、虫眼鏡をあて少しだけ大きくして覗いているような。

    結婚もしていないのに「妻を連れて帰る」と親に嘘をつき、理由をつけて言い逃れればいいものを約束を守るためにわざわざ通りがかりの女を誘拐する。さっさと逃げればいいのに車の窓の汚れが気になる。短絡的で粗野だがところどころ妙に律儀な主人公を「しょうがない奴だなぁ」と笑って受け入れるか、「何だこいつ」と腹を立てるかで評価が分かれそう。

    ヴィンセント・ギャロは主演のほかに監督・脚本・音楽果てはロケ地の提供(!)まで八面六臂の大活躍。

参考URL
・youtube.com