バベルのジャケット写真

モロッコ。幼い兄弟のアフメッド(サイード・タルカーニ)とユセフ(ブブケ・アイト・エル・カイド)は、親から一挺のライフルを手渡される。試し撃ちとして、ユセフは山道を走るバスを狙って一発の銃弾を放った。その観光バスに乗っていたのが、アメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)だった。

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、脚本:ギジェルモ・アリアガ・ホルダン、出演:ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット 

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

交差する時間のなかで見えてくる真実

2007年に日本で公開された映画「バベル」は、独特な観点から作品を作り上げることでも有名なアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が手掛けた作品。モロッコからはじまり、アメリカ、メキシコ、日本がそれぞれ繋がり、無関係だと思っていた人々の真実によってすべてが1つになっていきます。

小さな村で家族と日常を送る2人の少年。モロッコを旅行するスーザン(ケイト・ブランシェット)とリチャード(ブラッド・ピット)夫婦を襲う突然の悲劇。東京で父(役所広司)とうまく関係を築けない高校生のチエコ(菊地凛子)。アメリカでシッターの仕事に奮闘するメキシコ人女性。「私たちの世界では、こんなにもたくさんの人たちがどこかで繋がっている」ということに気付かされるでしょう。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=gzrHrTVaqJs

幼い少年2人の過ち

【モロッコ】
モロッコのとある小さな村に、少年ユセフと兄のアーメッド、その姉と両親の5人家族が暮らしていました。父は村の男性・ハッサンからライフル銃を買い取り、ユセフとアーメッドにジャッカル狩りをさせようと練習させます。

上手く的を当てられないアーメッドを尻目に、弟ユセフは父顔負けの腕前を見せつけます。何度やっても上達しないアーメッドは苛立ち、「銃を売った男は3キロ先まで狙えると言っていた」とさらに遠くを撃つよう弟に促すのです。その先にあるのは観光客が乗った大型バス。到底定められないくらい小さく見えるバスに銃口を向け、ユセフは引き金を引きました。


【アメリカ】
メキシコ出身のアメリアは、国境を越えたアメリカでシッターの仕事を請け負っていました。幼いマイクとデビーはアメリアを信頼し、両親が多忙でも寂しがることはありません。ところがある日、2人の母親であるスーザンが観光途中に肩を撃たれたと連絡を受けます。アメリアは翌日に息子の結婚式を控えていましたが、マイクとデビーの世話を頼まれたことで故郷であるメキシコに帰れなくなってしまうのでした。

チエコが探しているもの、アメリアの決意

【日本】
東京でバレーボールに励むチエコは、耳が聞こえないながらも友人と楽しい日々を送っていました。しかし母親が自殺を図ってからは父との2人暮らし。年頃の少女は、愛情を求めて心をさまよわせています。ある日、若者が集まるバーで少年に声をかけられるも、耳が聞こえないことを嘲笑され「バケモノだと思われてる」と悔しがります。

ところがチエコは傷心することなく、「本物のバケモノを見せてやる」と下着を脱いで周囲の少年たちにスカートの中を覗かせるのです。


【アメリカ】
息子の結婚式よりも子どもたちの世話を強いられたアメリアは、子どもを預かってくれる場所も見つけられず、やむなくアメリア・マイク・デビーの3人でメキシコへ向かうことに決めます。はじめは見知らぬ土地・メキシコの空気に戸惑うマイクとデビーでしたが、周囲の楽しい雰囲気に慣れると笑顔で結婚式を堪能するのでした。

思いもよらない事件の連続

【モロッコ】
何者かに肩を撃たれたスーザンは、出血多量で意識朦朧の状態。すぐに助けを呼ぶも近くに病院はなく、なんと小さな村の獣医に応急処置を頼むことになってしまうのです。嫌がるスーザンをなんとか押さえつけて処置は完了し、夫リチャードも落ち着きを取り戻します。

不本意でアメリカ人を傷付けてしまったユセフですが、警察に怪しまれていることを知ってはじめて父に真実を打ち明けます。


【メキシコ】
2人の子どもとアメリアは、結婚式で盛り上がる夜を終えます。マイクとデビーを気遣って夜のうちにアメリカに帰ろうと、甥のサンチェゴが運転する車に乗車。しかし国境で飲酒運転がばれてしまい、サンチェゴはそのままスピードを上げて国境を突破してしまうのです。

「警察を巻いたら戻ってくる」と砂漠の真ん中に放り出されたアメリアと2人の子どもは、助けを求めるべく歩き続けます。ようやく見つけた警察官に事情を話そうとするも、アメリアはそのまま逮捕されてしまうのでした。

それぞれの終末

【モロッコ】
父に真実を打ち明けたユセフとアーメッドは、3人で村を離れようと歩き出します。しかし途中で警察に見つかり、そのまま銃撃を受けてしまうのです。走り出した兄のアーメッドは背中を撃たれ倒れ込みます。そしてそれを見た弟ユセフが、バスを撃ったライフル銃で警察官を撃ち返すのです。 しばらく銃撃の音が続けて響くなか、アーメッドは意識を失います。それに気付いたユセフは目一杯の力で銃を壊し、手を挙げて「兄さんを助けて」と泣きながら警察のほうへ歩みを進めるのでした。


【アメリカ】
やっとの思いで事故現場からヘリコプターで搬送されたスーザンは、設備の整った病院で緊急手術を受けます。医師の神妙な表情や言葉に戸惑いながらも、夫のリチャードは自宅に電話。子どもたちの世話を任せているアメリアに報告するためでした。


【日本】
仕事帰り、マンションのロビーで警察に声をかけられるチエコの父。モロッコで起きた殺人未遂事件で使われたライフル銃が、以前ハンティングガイドを頼んだハッサンにプレゼントしたものであると知らされるのです。後日警察署に行くと約束を交わし、チエコが待つ部屋へ帰宅。ベランダには全裸で外を眺めるチエコの姿が。

母を亡くした少女をさまよわせていた心は、父の愛情を受け止めて東京の空に輝くのでした。

バベルの作品情報

バベルのジャケット写真
レンタル開始日
2007/11/02
監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャスト
ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット 
上映時間
143分
GEOで購入!
バベルのユーザ評価

評価数:568件
評価 :★★★☆☆(3.2/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 同じ言語でコミュニケーションを取っていた人間達が神に近づこう、神になろうと天まで届く塔を作り上げていたが、傲慢で信仰心、忠誠心のない人間達に怒りを感じた神が彼らの言語を分け、互いに言葉と心が通わなくなり、彼らが作ったバベルの塔が崩れ去り、人々は方々に散らばっていったという話。 それが別れた言語のルーツだと聖書は伝えているが、この映画はその言葉と心が通わない今の世界の苦しみを3つのストーリーとして同時進行しながら展開される。最後はすべてが1つの話にまとまる。果たしてこれら人間の災難は神が悪いのか、人間が悪いのか。 それはいつの時代でも起こる人類最大のテーマかもしれない。
  • ″人″への罰として言語は世界で別けられたのか?言葉が通じない、もどかしさ、孤独や差別……。普段忘れてしまうかもしれない問題に気づかされました。
  • 映画館で観ました。ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェットってなかなかお似合いかな〜と関係ないことを考えてみたり。菊地凛子はじめ、みなさん赤裸裸できわどい演技をしています。描写が生々しい映画です。

参考URL
・youtube.com