パコと魔法の絵本のジャケット写真

とある病院を舞台に、偏屈な老人と1日しか記憶が保たない少女との心の交流を描くハートウォーミング・ファンタジー。後藤ひろひとによる舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人』を原作に、「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督が実写とフル3DのCG合成で大胆に映画化。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:中島哲也
原作:後藤ひろひと
脚本:中島哲也 門間宣裕
音楽:ガブリエル・ロベルト
出演:役所広司 アヤカ・ウィルソン 妻夫木聡 土屋アンナ 阿部サダヲ

それぞれに悩みを抱えた病人たちが集う奇妙な病院

仕事中に心臓の発作で倒れ入院を余儀なくされた大貫は、甥・浩一の嫁が勤める病院で療養をしていた。そこに集う病人たちは、やくざ風の男・龍門寺や消防中に事故にあった滝田、オカマの木之元、自殺願望が強い元人気子役の室町など個性的な病人ばかり。大貫は、そんな世の中から忘れ去られたような連中と一緒にいることを嫌悪していた。

そして、彼らを見下すように日々横暴にふるまう大貫。そんな大貫は、病院での居場所もなく、会社でも社員たちが自分以上の成果を上げていることに寂しさといらだちを感じていた。

そんなある日、大貫は両親を事故で亡くし、自らも記憶障害とい病気を持つ一人の少女と出会う。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=6G0gPxXvNBw

パコとの出会いが大貫を変える

パコが記憶障害だと知らず、パコが盗みをしたと勘違いして殴ってしまう大貫。だが次の日、パコは大貫と初めて会う相手として優しく接してくれる。そんなパコに対して申し訳なく思った大貫は、パコが母親からもらった大切な絵本を毎日読んでやることにする。

そして、パコとの出会いが大貫に人との触れ合いの大切さを教えてくれる。今まで一人で強がって生きてきた大貫は、パコの絵本を読みがなら主人公のガマ王子と自分を重ね合せていく。

大貫はパコといることで「自分がいかに弱い人間だったか」を知り、今まで他人にしてきた非道を後悔するのだった。

次第に明かされる患者たちの素性

しきりと電話で「ジュンペイ」の居場所を気にかけていたやくざ風の男・龍門寺は、とうとうジュンペイの死を知らされ意気消沈する。その傍らで大貫は、「泣きたいだけ泣けば涙は止まる」と医師・浅野に言われた言葉をかけてやる。裏山から時折来ては龍門寺の手から餌を食べた猿のジュンペイは、龍門寺にとって家族同然の存在だったのだろう。

その場に居合わせたオカマの木之元には娘がいた。その娘から届いた結婚報告に喜ぶ木之元。だが、結婚式への出席はままならず寂しさに耐えきれずに龍門寺とともに大泣きしてしまう。

自殺願望の室町は、子役の頃の栄光から抜け出せず俳優としての演技力に自信が持てずにいた。何をやってもうまくいかず、生きることからも逃げようとしていたのだ。そんな室町を厳しい言葉で支える看護師のタマ子。貧乏で辛い生活を送っていた幼い頃、唯一幸せになれた瞬間が室町の演技を見ている時だったとタマ子は室町に告げる。

パコのためだけに開かれる舞台

病院のイベントとして大貫が企画したサマークリスマスの出し物は、パコが大切にしている絵本を原作とした舞台。出演するのは、病院にいる全員。誰もがパコの心に残るような舞台を作ろうと一生懸命になる。演技を怖がっていた室町でさえ、タマ子の思いにこたえるため参加することに。

病院全棟を舞台に繰り広げられる物語は、まさにファンタジーの世界。患者たちと一つになって絵本の世界を体験するパコ。発作を起こしながらも大貫は、明日になれば記憶をなくすパコのために物語を最後までやり遂げようとする…。

パコの思い出とともにそれぞれに持ち帰ったページ

舞台を終えた患者たちに待っていたのは、パコの死という悲しい結末。本来なら大貫と出会う前になくなっていたであろうパコ。彼女は、大貫と出会うことで命を長らえていたのだ。パコは大貫と出会うことで命を保ち、大貫はパコと出会ったことで自らの過ちを改めることができた。パコのいない状態で、この絵本は必要ないと破り捨てる大貫。病院の誰もが天使のようなパコの死を悲しむのだった。

ボロボロになった絵本は、テープで補修され大貫の自宅に保管されていた。大貫の甥・浩一の息子が受け継いだ大貫の自宅の奥深くに置かれていた絵本――そんな中、その絵本を見たいと訪ねてくる人がいた。それはあのサマークリスマスの舞台に立っていた堀米。堀米もまたパコの死に立ち会ったひとりだ。大貫の非道とパコと出会ったことで変わっていった彼の姿を偲び絵本を眺める堀米――実は、彼はパコが大切にしていた絵本の作家だった。

絵本としては、人の心に残ることはなかったがこの絵本を通して大貫とパコ、病院の人々との心温まるストーリーはそれぞれの心に長く長く残り続けたのだった。

パコと魔法の絵本の作品情報

パコと魔法の絵本のジャケット写真

レンタル開始日
2009/03/06
監督
中島哲也
キャスト
役所広司 アヤカ・ウィルソン 妻夫木聡 土屋アンナ 阿部サダヲ
上映時間
105分
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パコと魔法の絵本のユーザ評価

評価数:1273件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 独特の世界観は相変わらずだけど・・自然に涙が・・

    出ている役者さんの演技が拍車をかけて気がつくと
    いい映画じゃないの思ってしまった
    でも八割アヤカ・ウィルソン ちゃんの一人勝ち。やっぱり中島哲也監督の映画はいいわ♪
    予備知識なしで観に行ったから妻夫クンが分からなかった。
    彼は本当に色々な役をこなすのね

  • 邦画の中でもかなり異色で面白い作品でした。登場人物の全員が何処か可笑しく、ファンタジーな世界観も崩れずに一貫していたと思います。ストーリーはいたってシンプルでオチ以外は恐らく殆どの方が読めてしまうのでは?と感じる程です。ただ、その中でも細かい布石をしっかり回収していること・小物や服などの芸術面・実写とCGの演出など意欲的な挑戦が見られる点は素晴らしいです。
    しかし、難があるとすればギャグがクドイ点ですね。阿部サダヲは狂言回しとして必要だったのでしょうが、もう少しどうにかならなかったのか…
    それでも邦画の中では傑作と言っても過言ではないと思います。
  • 『チャーリーとチョコレート工場』のカラフルさと、『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』のファンタジーを合わせたような映画です。

    始めはちょっと退屈〜なんて思っていましたが、後半に近づくにつれ、「あれ?おもしろいんじゃない?」と思うようになりました。

    登場人物もみんな個性的。
    1日しか記憶が持たないパコは素直でとってもかわいいし、まさに偏屈ジジイな役所広司の大貫。
    その中でもお気に入りは、元有名子役で今はすっかり忘れ去られた俳優役の妻夫木聡。
    有名子役だった頃の自分の幻覚まで見ちゃってかなり病んでます。
    リアルでもそんな元子役いそうですが、ヤンキー看護師の土屋アンナばりにイッちゃってました。
    イッちゃってる感がリアルすぎて、心配になるくらい(笑)
    妻不木聡、意外と演技の幅は広いみたいです。

    後半はCGと実写が混ざっていて、TDSの「マジックランプシアター」を思い出しました。
    この映画、舞台になってもおもしろそうです。
    タイトルは子供向けっぽいですが、子供は映像を楽しめるだけで、ストーリーは大人向けです。
    一見ファンタジーなのに、ホロッときちゃう、なんだか「やられた〜!!」と思う映画です。

参考URL
・youtube.com