フィルスのジャケット写真

「トレインスポッティング」の原作者アーヴィン・ウェルシュの同名小説を「つぐない」のジェームズ・マカヴォイ主演で映画化した作品「フィルス」。出世を目論む卑劣なスコットランド人刑事が、幻覚や喪失感に襲われ、精神を蝕んでいく姿を描きます。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:ジョン・S.ベアード
原作:アーヴィン・ウェルシュ
脚本:ジョン・S.ベアード、キャスト:ジェームズ・マカヴォイ ジェイミー・ベル イモージェン・プーツ

フィルスのネタバレ-1|ある事件とクズな警官ブルースの日常

ある夜、日本人留学生が集団リンチの末に殺害されます。その現場を見ていたと思わしき“女性”が映り、映画はスタートします。

主人公ブルースは、スコットランド警察の刑事。様々な事件に対して、活力溢るる刑事に見えたのも束の間、彼はその裏でアルコールとドラッグに依存するタイトル通り“クズ”な刑事でした。売春、不倫(売春を行なっていた未成年にみだらな行為を強要するなど)から、残業の不正申告や同僚を陥れるなど小さな悪行もします。

そんな彼は、冒頭の日本人留学生殺人事件の話を聞きつけ「目撃者のいない難事件を解決すれば、出世街道まっしぐら」と言わんばかりに張り切ります。

※映画タイトルであるフィルス(FILTH)には、警察という俗語やクズという意味があります。まさにブルースを象徴するタイトルなのです!


出典:https://www.youtube.com/watch?v=5XmJAFY_dwg

フィルスのネタバレ-2|クズ街道まっしぐらのブルース

ブルースは事件解決のために向けて奮闘しますが、映画内で描かれるのはやはり彼のクズな行いばかり。例えば彼は秘密結社フリーメイソンのメンバーなのですが、そこで出会った気弱だけどお金のある公認会計士と仲良くなり、彼をそそのかしてストリップバーに連れ込んだり、その妻に卑猥ないたずら電話をかけてみたり、と驚くほどクズです。

正直事件解決そっちのけな、どうしようもないブルースの所業を見せられ続けるのですが、合間合間に導入される“青白い顔をした少年”とブルースが通う精神科の描写が薄気味悪く感じていきます。

ブルースの最悪な所業の中には、男の“ナニ”をコピー機で写し取り、一番大きかった人が女性と“アレ”できるというくだらない競争があります。

ブルースは女性を手に入れるのですが、裏で“ナニ”を拡大コピーしているというくだらなさ。

※書くのもはばかれるくらいのクズっぷり。ですが、クズ描写の中に入り込む“青白い少年”と精神科のシーンが、映画の結末に繋がります。

フィルスのネタバレ-3|出世は全て奥さんのため……悲しい過去。

クズな所業を繰り返しながらも、ブルースの心が晴れることはありません。アルコールとドラッグに溺れた理由は、出世を望んでいた奥さんが自分の元から去った事実を忘れたいがためです。また彼には、幼い弟を見殺しにしてしまったという過去がありました。“青白い少年”は、亡くなった弟の姿であり、ブルースの罪の意識なのです。

そんなブルースの過去が明かされる中で、日本人留学生殺人事件が解決に近づきます。目撃者がないとされていた事件ですが、冒頭目撃者と思わしき“女性”が登場しています。実はこの“女性”・・・奥さんに寄り添いたいと考えていたブルースの“女装”だったのです!

彼は再び女装をして出歩く中で、犯人に捕まりリンチされますが、事件は結局解決します。でもブルースの心はすでにボロボロに傷ついていました。

映画の途中、ブルースと仲良くなる女性とその息子、ブルースとやっかみあいながらも彼を心配する女性の同僚にも出会いますが、ブルースをアルコールとドラッグと悲しみから救うことができる人はいません。

フィルスのネタバレ-4|ブルースが下した決断

ブルースの職位は落とされました。制服警官となったブルースは身支度を整え、何かの準備を始めています。ブルースに巻き込まれた公認会計士の男は、ブルースから贈り物を受け取ります。中には彼からのビデオが入っていました。ビデオの中で、ブルースは男に謝ります。ブルースからいたずら電話を受けていた妻もそのビデオを見ていたようです。その夫婦の仲が元に戻る中、ブルースは椅子に上り、吊り下げたマフラーを首にかけます。自殺する気なのです。

自殺しようと決意し、椅子から足を離そうとした瞬間、ドアがノックされます。映画途中で仲良くなった女性と息子なのか、自身の妻と息子なのか分かりません。でも、ブルースは返答しません。その2人の影が遠くなると、ブルースはカメラに笑顔を見せ「ルールに例外はない」と言います。その目には涙が浮かんでいますが、次の瞬間、彼は椅子を蹴り飛ばします。

ブルースが最期に見せる笑顔は心が抉られるほどの衝撃的です。前半立て続けに続くクズシーンが可愛く思えるほど、「フィルス」はつらく悲しい一人の男の物語なのです。

フィルスの作品情報

フィルスのジャケット写真

レンタル開始日
2014/05/28
監督
ジョン・S.ベアード
キャスト
ジェームズ・マカヴォイ ジェイミー・ベル イモージェン・プーツ
上映時間
97分
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フィルスのユーザ評価

評価数:427件
評価 :★★★☆☆(3.2/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • ジェームズ・マカヴォイが好きなので、その流れでたどり着いた1作。彼の出身地であるスコットランドが舞台なのもそそられました。
    ヴォイ好きには是非見ていただきたい。貴重なヴォイです。ゲスで情緒不安定で最低野郎な主人公ブルース。タバコ、ドラッグ、セックス、etc、、万人にオススメできない作品。わけわからん!という方も多いかと。最初はコメディかと思わせる下ネタ&ゲス満載のテンポですが、中盤からおやおや…?私の解釈では、彼の自尊心とか自我とか。そんなものを取り戻すため(あるいは取り戻した)のラストだったのだと思います。
  • 16歳並みに理解出来る物があった。ジェームスの過去と謎の女と出て行った家族に複雑な社会の仕組み、いろいろな状況の中で確実に進むストーリー 絶対に目が離せなくなる映画。 悪と善の心を持つジェームスに最後は涙するはず、この映画を観れば、あなたは少し悪い人になるかもしれない。観ればわかるよ(T_T)
  • 主演ジェームズ・マカヴォイが目的で見ましたが彼の底知らぬ演技力、そしてブラックユーモアが冴え渡る台詞回しに笑い嫌悪し同情させる映画でした。主人公の口癖「ルールに例外なし」、この言葉と信念は最後まで貫いていてブルースという人間を最後に魅せてきました。

参考URL
・youtube.com