
「ブラック・スワン」はナタリー・ポートマン主演のサイコスリラー映画。バレエのプリ・マドンナを目指す女性が直面する葛藤と戸惑いが、生々しい描写で綴られます。日本ではR+15指定となるくらい、過激なシーンも。ナタリー・ポートマンの圧巻の演技力も見逃せません。
ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!
スタッフ・キャスト
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:マーク・ヘイマン アンドレス・ハインツ ジョン・マクラフリン
出演:ナタリー・ポートマン(ニナ) ヴァンサン・カッセル(トマ) ミラ・クニス(リリー) バーバラ・ハーシー(エリカ) ウィノナ・ライダー(ベス)
プリマを目指すバレリーナ、ニナの苦悩
ニューヨークのバレエ団に所属するバレリーナのニナ。母のエリカがバレリーナとして果たせずにいた夢を娘のニナが背負う形で、幼少期からバレエ漬けの毎日を送っています。成長した年頃の交友関係まで言及し、厳しく接する母に、ニナはいつまでも従う臆病な性格です。所属するバレエ団の次回公演は「白鳥の湖」に決定し、演出家のトマはこの演目の主役、プリマを選ぼうとしていました。
物語の主役は、一人二役となっており、純真な白鳥と、官能的な黒鳥の相反する役を同じ舞台上で演じ分けなければなりません。トマは新鮮さを求めて、バレエ団で長年プリマを務めてきたベスを主役には起用しない方向。ニナにもプリマとなる機会が巡って来ました。
しかし、彼女の生真面目で無垢な性格は、黒鳥には向いていません。トマは他のバレリーナを選びますが、主役を逃したくないニナは、トマに懇願します。トマはニナの踊りは、妖艶さに欠けると言い放ち、不意にキスを仕掛けてきました。ニナは思わず彼の唇を噛んで逃げますが、トマは、ニナの隠れた一面に惹かれ、彼女を主役に抜擢します。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=pxchkvE2NFU
ニナの新たな苦悩
次作の出資者向けパーティーで、トマはベスの引退を発表。同時に新しいスターとして迎え入れられたニナは華々しくデビューしました。しかし、舞台の成功に向けて過酷な練習の最中、黒鳥を演じきれないニナは、トマのアパートに呼ばれて性的に魅了するように責められます。
バレエ以外は何も知らない純真無垢なニナは、自分の代役に抜擢されたリリーの妖艶な踊りを見て落胆。さらにトマがリリーの踊りを褒めると、ニナは主役の座を奪われるのではないかと不安になるのでした。この頃から、精神的に追い詰められたニナは妄想に悩まされるようになり、母は自傷癖のある娘を心配します。
普段は従順なニナがある日、母と喧嘩。リリーに誘われ、酒を飲んで麻薬にも手を染めてしまうのでした。ニナは、リリーを連れてアパートに帰り、母を締め出して一夜を共にしましたが、目が覚めるとそれは夢でした。
妄想を抱えて本番を迎えるニナ
慌てて練習へ駆けつけ、昨晩の出来事について聞いてみると、リリーから自分と性行為でもした夢でも見たのかと聞かれ、赤面するニナ。しかし、その夢のおかげで、ニナは踊りに自信が持てるようになったのです。上達する一方で、ニナの妄想は日増しに強くなり、本番前夜には、舞台裏でリリーが自分自身に変貌する姿を目撃。しまいには鏡に映った自分が白鳥ではなく鷲に変貌し、ニナは気絶してしまいました。
本番の夕方に目が覚めたニナは、劇場へ向かいます。舞台よりも娘の体調を考慮した母が劇場に連絡していたため、代役のリリーが準備を進めていました。トマはニナの迫力に気圧され、出演を承諾。得意の白鳥パートで順調な滑り出しでしたが、また幻覚が見え、舞台上で転んでしまいました。
落胆して楽屋に戻ると、黒鳥の化粧をしているリリーに遭遇。揉みあった末に、楽屋にあった鏡が割れ、ニナはその破片でリリーを刺してしまいます。
ニナ、舞台と人生に幕を下ろす
慌てて死体を楽屋のバスルームに隠したニナは黒鳥として準備をして、舞台に向かうのでした。手が本物の黒鳥のように化したニナは渾身の踊りを見せ、その情熱に魅了された観客は拍手で褒め称えます。舞台袖で待つトマと抱き合い、口付けを交わしたニナの前に現れたのは、死んだはずのリリーでした。
リリーがニナを認めて称賛する中、自分とリリーが争った現実はなく、すべてニナによる幻覚だったと認めざるを得ませんでした。鏡の破片で刺したのは、自分自身だったと気付きます。ニナは血で染まる下腹部を隠して、最終幕の舞台が始まり、白鳥が崖から飛び降りるシーンを完璧に躍りこなしました。
観客の中に紛れる感動してすすり泣く母の姿と、劇場に響き渡る拍手。その場に崩れ落ちながらも見事に二つの相反する役柄を演じきったニナは、光悦とした表情を浮かべます。そんなニナの異変に気づいたトマは救急車を呼びますが、ニナはトマの腕の中で静かに息を引き取ります。
ブラックスワンの作品情報
- レンタル開始日
- 2011/09/07
- 監督
- ダーレン・アロノフスキー
- キャスト
- ナタリー・ポートマン(ニナ) ヴァンサン・カッセル(トマ)
- 上映時間
- 109分
-
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ブラックスワンのユーザ評価
評価数:3337件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)
クチコユーザの評価・ネタバレ
- 結局、多重人格者ということかな。母によってものすごいストレスのなか育てられたのだろう。虚しい話だが 演技力はかなりだし、心に残る名作とも言える。
- ナタリーポートマンの狂気に迫る演技に圧倒されます。プレッシャーから壊れていく精神とそこから生まれる新しい自分の世界!。幻覚に惑わされながらも完璧な演技をする姿はさすがプリマ。面白かったです。
- ナタリーポートマンの少女ような純粋性むちゃくちゃかわいいです。(笑)ストーリーも良かったような気がしますが、僕はそればかりに、気をとられてあんまり覚えてないです。
「リトル・ダンサー」もオススメ!
「リトル・ダンサー」:イギリスにある炭坑の町に住む少年ビリー。女の子の世界とされていた田舎町で、バレエの世界に飛び込む少年ビリーと家族の葛藤を描いています。バレエに真剣に向き合い、才能を開花させていく小さなダンサーの奮闘記。
リトル・ダンサーの作品情報
- レンタル開始日
- 2002/03/22
- 監督
- スティーヴン・ダルドリー
- キャスト
- ジェイミー・ベル ジュリー・ウォルターズ
- 上映時間
- 111分
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リトル・ダンサーのユーザ評価
評価数:414件
評価 :★★★★☆(4.1/5)
クチコユーザの評価・ネタバレ
- 本当に最高でした!バレエが題材の映画が観たいと思ってネットで調べてこの映画を知りました。所々で泣けるシーンがあって、胸を打たれます。ラストは鳥肌が止まりませんでした。この映画に出会えて幸せです。
- とてもいい映画でした!最初の方は見ててモヤモヤしてたけど、少しずつ成長する主人公の姿をを見てとても心が躍りました。
やはり、この映画の肝はお父さんだと思います。言葉では説明しづらいけど、お父さんは本当にビリーを愛してるということが伝わりました。
- イギリスの、特に炭鉱労働者など身分階級が低い人たちの生活が描かれた作品はそれだけで独特の渋味のような、もの哀しさのような、それでいて逞しさ、素朴な温かさを感じてしまいます。反則なんだけど、いいですねー。(本作も、ニューキャッスル訛りの英語がまたいいんだな~)強烈に頑迷で偏屈なお父さんのキャラクターも『October Sky』に似ています。最初は見てて腹が立つんだけど、それだけに中盤以降のお父さんの行動には胸がじーんと熱くなります。ロンドンへのバスに乗って遠ざかってゆくビリーに向かい、それまで横暴だったおにーちゃんが叫ぶ(叫んだっけ)台詞も素敵です。ああ、家族っていいなぁ、あったかいなぁ~と、私もついつられて、自分の弟が恋しくなってしまった。