ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声のジャケット写真

複雑な家庭環境に育ち、トラブルばかり起こしていた少年ステット(ギャレット・ウェアリング)は、実はたぐいまれなる美声を持っていた。そんなある日、愛する母を亡くし、一人ぼっちとなってしまった彼は、名門少年合唱団へ入学。そこでは、厳しい指導で知られるカーヴェル(ダスティン・ホフマン)が少年たちの育成を任されていた。

監督:フランソワ・ジラール、出演:ダスティン・ホフマン ギャレット・ウエアリング キャシー・ベイツ

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孤独な少年が持つ歌の才能

アメリカの学校で音楽の授業を受ける少年ステットは、学校での態度が悪く不祥事の多い問題児として扱われていました。家に帰ると酒に浸る母親に呆れながらも、お互いに愛情を持って生活を送っているのでした。そんなステットですが、歌だけは人一倍上手く歌える才能を持っており、スティール校長先生も一目置いていました。

ある日、ステットが通う学校に、全米一有名な国立少年合唱団が来校します。校長のスティール先生が、指揮を務めるカーヴェル(ダスティン・ホフマン)に無理を言って叶った幸運な機会でした。

しかし本当の目的は、カーヴェルにステットの音楽の才能を知ってもらうことだったのです。カーヴェルを前にしてそれを知ったステットは、歌わずして逃げ出します。学校生活にも楽しみを見出せないステットの運命を分けたのは、突然の母親の事故死でした。何の前触れもなく独りぼっちになったステットは、生みの親であるオーウェンズに預けられることになります。

ところが、既に家族がいることからステットの引き取りを拒否する彼に、スティール校長は「音楽の才能があるから寄宿学校へ入れては?」と提案します。

ステットは、少年合唱団の付属学校でオーディションを受けることになり、カーヴェルと再会。彼の目の前で歌を披露しますが、「熱意も礼儀もない」と入学を拒否されます。しかしオーウェンズが小切手を提示し、裏口入学というかたちでステットは初級クラスの生徒として音楽漬けの毎日を送り始めるのでした。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=jGrr_M_tHhk

寄宿学校の友人とライバル

ほかの生徒とは少し遅れて入学したステットは、校内で浮いた存在になってしまいます。さらに音楽との関わりが浅いために、簡単に読めるはずの楽譜の読み方もわかりません。

そんな彼に話しかけてくれたのは1人の少年フェルナンドでした。ステットは、フェルナンドに楽譜の読み方や和音の名前を習います。ステットは猛スピードで吸収し、ついに誰も気付かない些細な音の違いも当てるほどに上達してゆくのです。

冬休み――ステットはオーディションのための練習を課せられます。ツアー隊に参加する団員を決めるための大事なオーディションです。限られた時間のなか1人で練習を重ねた結果、なんとツアーに参加できることが決定します。

ほかのツアー団員たちと移動するバスの中でステットに声をかける少年。生徒のなかでも特別な実力を持つデヴォンです。みるみるうちに上達するステットが気に入らないデヴォンは、「君が歌うのは後列だから気楽だね」と嫌味を吐きます。

しかし、ツアー中に調子を悪くしたメンバーの代わりに、ステットがデヴォンと同じ最前列で歌うことに。デヴォンとステットの関係は悪くなるいっぽうです。

少年たちの心が招く大きなトラブル

カーヴェルに実力を認められたステットは、最前列でデヴォンと客を圧倒させます。美しい声を響かせる合唱団のツアーを続けるなか、なんとデヴォンが風邪で歌えなくなってしまうのです。そこで代役に抜てきされたのがステットでした。

悔しさを抑えられないデヴォンは、ついにステットの楽譜を奪ってしまいます。直前でそれに気づいたステットは、楽譜を見ずに歌うしかありません。それでもステットは、戸惑いながらも無事にすべて歌いきるのでした。

大きなトラブルを乗り越え、ツアーから寄宿学校へ帰ったステット。次の課題は、高難易度の「ハイD」の音を出すことです。開校以来初のニューヨークの大舞台でソロパートを歌う1人を決めるオーディションでした。全員が練習に励むころ、デヴォンはステットにさらなるいたずらを仕掛けます。ステットの個人情報を盗み出し、母親の逮捕写真をばらまいてしまうのです。

楽譜を盗まれても暴力は振るわなかったステットですが、母親のことをバカにされることは見過ごせません。ついにデヴォンを殴りつけ、懲罰会議にまで発展させることになるのでした。

ようやく幸せへ向かうステット

ステットの処分を決める会議で、本人は教師たちに「やめたくない」と訴えます。校長のジャスティーンは即時退学が妥当だとしましたが、カーヴェルは「逮捕写真をばらまくのは残酷だ」とデヴォンとステット2人の退学を提案。さらに2人の競争心を煽ったとして、指揮者の務めを降りることも決意するのです。

カーヴェルの意思に反対する教師たちに、ジャスティーンは「ニューヨークの舞台で観客を泣かせるまでは辞めさせない」と断言。これで、カーヴェルの退職はもちろん、ステットとデヴォンの退学も免れるのでした。

ついに迎えたニューヨーク、大聖堂での講演。ステットの引き取りを断ったオーウェンズも彼を見に来ていました。センターには、ステットとデヴォンが並んで立っています。いよいよ迎えるソロのラストスパートで、前に出たのはステットでした。美しいハイDの音を大聖堂に響かせると、会場は幻想に包まれます。

大聖堂で大役を果たしたステットに、突然声変わりが訪れました。ソプラノを歌うことができなくなってしまったのです。海外の寄宿学校へ移ることを決意したステットのもとに現れたカーヴェルは、意味ありげな目配せをします。するとそこには、オーウェンズ夫妻の姿が。

隠していたステットの存在を家族に告白していたのです。ステットは、オーウェンズ夫妻と「一緒に暮らさないか」という言葉とともに車に乗り込み、カーヴェルに幸せな別れを告げるのでした。

【この映画のポイント】母の死を乗り越えようとする心が、少年の人生を変えた

世界的に有名な少年合唱団というと「ウィーン少年合唱団」がそれにあたりますが、本作の合唱団はウィーンをも圧倒させるような歌を歌うことを目指している団体です。だからこそ、ステットはなかなかカーヴェルに認めてもらうことができなかったのです。

しかし、彼が通っていた学校の校長スティールだけは、その才能に気付いていました。彼女の働きかけのおかげで、ステットは才能を開花させて人生を輝かせることができたのです。

母親の死はとても悲しいものですが、それからの素晴らしい経験はステットの強い心なしにはでき得なかったでしょう。独りぼっちになりながらも悲しみや憎悪と向き合ったステットへ、亡き母からのプレゼントだったのかもしれません。

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声の作品情報

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声のジャケット写真
レンタル開始日
2016/04/02
監督
フランソワ・ジラール
キャスト
ダスティン・ホフマン ギャレット・ウエアリング キャシー・ベイツ
上映時間
103分
GEOで購入!
ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声のユーザ評価

評価数:1043件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • オーケストラとの「ハレルヤ」、ボーイソプラノのソロ、最高でした。鳥肌が出ました。持って生まれ才能の素晴らしさ、またその才能を開花させてあげる理解者がいてこその演出でした。ブラボー!
  • めちゃくちゃ綺麗な声! 内容は深いようでけっこう淡々と進んでくけど、ステット役の子の声があまりにも透き通って、本当に心洗われるって感じで胸に刺さります。 もどかしさもあるけど、最後の最後はハッピーエンド?でほっとしたし、とくに疲れてる方にはおすすめな作品です。
  • 久々にダスティンホフマンの映画良いですね。 丁度、映画を観たころ妻がリベラを良く聞いていたので余計に感じました。

少年の美声が輝く!フランス映画「コーラス」もオススメ

2004年にフランスで公開(日本では2005年)された映画「コーラス」は、ステットの物語に感動した人にはぜひ見てほしい1作です。 舞台は戦後、親のいない子どもや問題児が集う寄宿舎で、音楽教師と子どもたちが出会います。自らの経験を活かして子どもたちに歌を教えていくなかで、1人の少年の存在に気付きます。寄宿舎のなかでも問題児とされていた少年が、天使のような声と歌の才能の持ち主であることを知るのです。 ボーイソプラノの美しい声は、変声期が訪れるまでの貴重な宝物です。映画の物語や時代背景だけでなく、実際に歌を披露する少年たちの声に心を洗われるでしょう。

コーラスの作品情報

コーラスのジャケット写真
レンタル開始日
2005/12/22
監督
クリストフ・バラティエ
キャスト
ジェラール・ジュニョ フランソワ・ベルレアン ジャン=バティスト・モニエ
上映時間
97分
GEOで購入!
コーラスのユーザ評価

評価数:174件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • とても素敵な映画。音楽や合唱の好きなかたは必見です。少年たちが可愛くて爽やかでまた見たいです。
  • 大好きな音楽物&人間ドラマで歌声も素晴らしく良かったので☆4つ。こういう作品はどうしても弱いです。 見た目冴えないけれど温かい先生が子供達を変えて行く様子が自然で良い。 それにしても綺麗な歌声だった
  • 美しい旋律と温かいお話にとても感動する。 小さい頃、音楽の授業は「ほぼ遊び」でみんなふざけてたけど、何故か合唱は団結してやっていたことを思い出した。 ペピノのエピソードはどれも感動。先生がペピノをいじめた不良児を叱るところもいい。 ケチをつけるとすれば、美しいお顔と歌声を持つジャン=バティスト君の「よいお育ち」な瞳が役柄と微妙にずれるところですが、後は文句なし。最後も良いですので、心あらわれたい時はぜひ。

参考URL
・youtube.com