リリーのすべてのジャケット写真

1930年。デンマークに住む風景画家アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、ある日、肖像画家である妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に頼まれ女性モデルの代役を務めることに。これをきっかけに、アイナーに内在していた女性性が目覚めていった。

監督:トム・フーパー、原作:デイヴィッド・エバーショフ、音楽:アレクサンドル・デスプラ、出演:エディ・レッドメイン(リリー) アリシア・ヴィキャンデル(ゲルダ)

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妻の小さなきっかけと、夫の違和感

時代は1926年のコペンハーゲン。妻ゲルダ、夫アイナーのウェイナー夫妻はどちらも絵を描くことで生計を立てていました。夫の風景画の個展が称賛されるなか、妻ゲルダの肖像画がはなかなか芽を出しません。

何枚もの絵を仕上げては売ろうと試みますが、「正しいテーマを選べば一流の画家になれるのに」と断られてしまうのです。さらにずっと待ち望んでいる子どもも長い間できず、夫婦間の空気は少しずつ悪くなっていきます。

ある日、女性の肖像画を仕上げようとするゲルダは、夫に脚のモデルを頼みます。少し抵抗を感じながらも、ストッキングと靴を履いてドレスをあてがうアイナー。初めて女性らしいポーズをとると、なにか言いようのない不思議な気持ちがふつふつと湧き上がってくるのでした。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=RTfESNVoGdI

変わり始める夫、妻の強い意思

夜、いつものようにベッドのそばで着替えるゲルダを、アイナーは意味深に見つめます。新しいナイトドレスに身を包むゲルダをそばに寄せ、「かわいいね」と呟くのです。するとゲルダは「貸してあげるわ」と冗談を言い、アイナーも「悪くないかもね」と笑いあうのでした。

次の夜、裸でベッドに座るゲルダのそばに、アイナーは正装のまま腰掛けます。ゲルダがそっとワイシャツのボタンを外していくと、なんとそこにはゲルダのナイトドレスが…。

ゲルダに内緒で女性用のナイトドレスを着ていたアイナーですが、意外にもゲルダは動じませんでした。その日から、アイナーは徐々に「リリー」という女性へと姿と心を変えてゆくのです。

妻のゲルダは、夫の突然の行動に動じないどころか「舞踏会にリリーとして行きましょう」と提案します。戸惑うアイナーでしたが、化粧を施し、美しい歩き方を練習してリリーとして初めて外に出ることを決意するのでした。

男性と出会い、旧友と再会するアイナー

たくさんの人が混在する舞踏会で、リリーは1人の男性に声をかけられます。彼はヘンリク・サンダールと名乗りました。ヘンリクはリリーを気に入った様子で、「僕は影の世界を好むんだ」と意味深な言葉を放ちます。そして「君も同じ気がする」とリリーの手をとり、2人きりになってキスをしてしまうのです。

突然のことに驚き、鼻血を出してしまうリリー。ゲルダはその一部始終を見ていました。ショックを受けたゲルダは、「もう遊びはやめましょう」とアイナーの中からリリーの存在を消そうとするのです。

周囲と自分の認識の違いに苦しむアイナーは、ついに体調を崩し倒れてしまいます。医師にリリーの話をすると不当な治療をさせられ、アイナーは心身ともに疲れ果ててしまうのです。

夫婦としての絆が弱まるなか、ゲルダはリリーの絵をキャンバスに描きます。すると、その絵が評価されて、ついにパリでの個展が決定したのです。コペンハーゲンからパリに移った2人は、アイナーの旧友であるハンスとの再会を果たします。しかしアイナーがハンスに見せた姿は、かつてのアイナーではなく「リリー」だったのです。

世界初の手術、そして変わらない愛情

リリーへと姿と心を変えてゆく夫に不安を抱くゲルダは、リリーの存在を知る友人に相談を持ち掛けます。すると、友人が「アイナーのような人を診ている婦人科の教授がいるの」と紹介してくれることになったのです。

「自分のことを女性だと思います」と訴えるアイナーを、教授は否定しませんでした。そして女性になるための2回に及ぶ手術を提案するのです。その手術はまだ誰も経験したことのない、世界で初めての手術でした。

アイナーの決意は確固たるものです。内容に同意すると、手術を行うためにドレスデンへ向かいました。世界初の1回目の手術は無事成功。コペンハーゲンに戻ったアイナーは、リリーとして百貨店で働きはじめます。女性としての幸せを感じるリリーは「完全に女性になりたい」と早くも2回目の手術を決めるのです。

2回目の手術は、ゲルダも一緒に同行しました。また、彼女らを心配した旧友のハンスも駆けつけます。手術は無事終わりましたが、リリーの痛みはなかなか治まりません。苦痛に耐えながらも、車椅子でゲルダと外に出たリリー。愛するゲルダに幸せな夢の話をしながら、リリーは永遠の眠りにつくのでした。

ゲルダとハンスは、リリーを思い出の場所へ埋めに行きます。壮大で幻想的な地で、ゲルダの首に巻いたスカーフは、ようやく自由になったリリーとともに大空へと羽ばたいていくのでした。

【おわりに】現代と意識が異なる世界で闘ったリリー

現在ではLGBTという言葉も少しずつ知られるようになり、それらに特別な意識を持つことはもはや「偏見」「差別」だと言われる社会になりました。もちろんまだまだ解決すべき問題はありますが、性的マイノリティの当事者が生きやすい社会を作ろうという動きも活発化しています。

1926年の当時は、少なくともLGBTという言葉は存在していません。自分の本当の性別に気付き始めた男性アイナー(リリー)を、医師たちは何も疑わず「性的倒錯」「精神異常」と診断してしまう時代だったのです。

それでも素晴らしい心を持った妻ゲルダや旧友ハンスに最後まで支えられたリリーですが、その苦しさは計り知れません。長い苦痛に耐えてようやく自分を解き放ったリリーは、今もどこかで私たちの性に対する自由を応援してくれているのでしょう。

リリーのすべての作品情報

リリーのすべてのジャケット写真
レンタル開始日/公開日
2016/09/07
監督
トム・フーパー
キャスト
エディ・レッドメイン(リリー) アリシア・ヴィキャンデル(ゲルダ) ベン・ウィショー(ヘンリク)
上映時間
119分
GEOで購入!
リリーのすべてのユーザ評価

評価数:2671件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 好きなジャンルの内容。エディ・レッドメインが上手いというのがわかりました。まだ男の服装をしている時の、「なぜ私は、女性の服を着ていないのだろう」と目で訴える、切ない表情。ああ、この人は女なんだな、と思わせられます。
  • エディ レッドメインの演技が素晴らしかったです。 フェルメールの絵画を見ているのような美しい映像も好きです。 当時のファッションを再現した衣装は、現代でも十分通用するおしゃれな服装で、そちらも興味をもって楽しめました。
  • ファンタビでエディ・レッドメインにハマりすぎ、たまたまYouTubeで宣伝されていたので期待して見ましたが、期待を裏切られない映画でした。お話しに関してはとにかく見て欲しい。見て考えてほしい作品です。そしてエディ・レッドメイン演じるリリーが美しい。

トランスジェンダーが題材の映画「彼らが本気で編むときは、」もオススメ!

LGBTをテーマにした邦画「彼らが本気で編むときは、」は、生田斗真がトランスジェンダーのリンコを演じています。 突然マキオおじさん(桐谷健太)に預けられることになった少女トモ。なんだかちょっと変わった2人に戸惑いながらも、3人の不思議で楽しい生活が始まります。 本作ではトランスジェンダー当事者とその恋人をはじめ、周囲からの心ない偏見による疎外感、子どもと親の問題なども取り上げられています。LGBTをあまり知らない、もしくはもっと知りたいけど機会がない、という方には特におすすめしたい映画です。

彼らが本気で編むときは、の作品情報

彼らが本気で編むときは、のジャケット写真
レンタル開始日
2017/09/06
監督
荻上直子
キャスト
生田斗真 柿原りんか ミムラ 小池栄子
上映時間
127分
GEOで購入!
彼らが本気で編むときは、のユーザ評価

評価数:1342件
評価 :★★★☆☆(3.9/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 生田斗真、女性に見えました。 子供って、愛情を注いで育てないと、どこかで歪んでしまうんだなと、わからせてくれるエピソードがたくさんありました。 また、生田斗真演じるリン子さんが、母親になれるチャンスがありながら、やはり子供は本当の親を選ぶものなのだなと、納得させられた。
  • 「はじめまして、リンコです」って、生田斗真演じるリンコが静かに登場した時はびっくりしました。というのは、テレビに出ているオネエタレントみたいに「どうも〜リンコで〜す」って言わなかったから。あぁ、案外普通の女性として普通に暮らしている人の方が多いんだろうな!と気づいた瞬間でした。
  • 全く予備知識無しで見たが、引き込まれた。ホモとかオカマとか、つい笑いのネタにしてしまうが、本当に苦しんでいる人たちもいるのだと実感した。可笑しくも悲しい、そして切ない物語だった。子役のともちゃんがすごく良かった。あんな母親でもやっぱりママがいいんだね。リアリティがあった。

参考URL
・youtube.com