三度目の殺人のジャケット写真

<簡単な解説>
「そして父になる」の是枝裕和監督が再び福山雅治とタッグを組んだ法廷心理ドラマ。弁護士・重盛は、殺しの前科がある三隅の弁護を担当する。三隅は工場の社長を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴されていた。しかし調査を進めると意外な事実が浮かび上がる。出演は、「関ヶ原」の役所広司、「ちはやふる」シリーズの広瀬すず、「グラッフリーター刀牙」の斎藤由貴、「ちょっと今から仕事やめてくる」の吉田鋼太郎、「風俗行ったら人生変わったwww」の満島真之介、「永い言い訳」の松岡依都美、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の市川実日子、「家族はつらいよ」シリーズの橋爪功。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

弁護士・重盛の依頼人は殺人犯

映画「三度目の殺人」は、是枝裕和監督脚本、福島雅治主演。勝ちにこだわる弁護士・重盛に、供述を二転三転させる被告人を弁護する中で、真実を求めてさまよう物語である。被告人は、強盗殺人容疑のある三隅。三隅は過去、北海道の留萌でも強盗殺人で有罪判決を受けた事のある人物だ。今回の事件では、三隅が犯人であることは弁護側も認めており、強盗殺人か否かを争うことになっていた。

三隅が殺したのは解雇された工場の山中社長。その際、財布を奪ったことから強盗殺人とされている。遺体はガソリンをかけて多摩川の河川敷で焼いた。遺族には、妻の山中美津江と足の悪い娘・咲江がいる。

重盛と三隅の1回目の面会。これまでは、犯行の計画性を匂わせる発言だったが、重盛に問われると計画性を否定。また、ガソリンをかけたあとで財布を奪ったことから、重盛は「単純殺人と窃盗」という方針で戦えると考えた。

面会後、河川敷の犯行現場を訪れる重盛たち。焼け跡がまるで十字のようだ。犯行が計画的でないことを裏付けるため、重盛たちは聞き込みを始めた。

2回目の面会では、三隅が勝手に受けた週刊誌の取材が問題にされた。美津江が三隅に夫殺害を依頼した保険金殺人だとかいてあったためだ。三隅は、実際50万円を受け取ったことを認めるが、詳細については明言しない。美津江との関係も笑って頭をかいただけだった。同席した後輩弁護士の川島は「何が本当なのか」と問う。しかし重盛は「そんなことわからないものだから、役に立つほうをとればいい」と言い切る。

しかし、三隅のことを調べるうちに、「本当のこと」が気になっていく重盛。三隅のアパートによく訪れていたという咲江との関係、飼っていたカナリアの墓に小石で刻まれた十字の意味・・・

3回目の面会では、重盛自身の娘の存在を知っているかのような三隅の口ぶりに気味悪さを感じていた。元裁判官の父・重盛彰久は、三隅の1回目の殺人——留萌の事件の資料を持ってきてくれたが、三隅に温情判決を下したことを後悔していた。「ただ殺したかったんだ、あいつは」吐き捨てるように言う彰久。「理解しようとしても無駄」と言う父親に、重盛は軽い反発を覚える。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=kukXk23wy24

命は選別されている

重盛と川島は三隅の娘を探す中で、留萌の事件で三隅を逮捕した元刑事に合う。刑事は三隅を「空っぽの器のような」と表現し、結局本当の動機はわからず、被害者に対する個人的な憎しみなどもなかったと言った。

4回目の面会で北海道へ行ったことを伝えると、三隅はこれまでとは別人のように感情を露わにする。そして、山中社長を殺したことについて「殺されて当然」と言い、「重盛さんだって、そうやって解決してるじゃないですか」と言い放った。川島の「生まれてこなかった方が良かった人間なんて、いないですよ」という言葉に、重盛は「人間の意志とは関係なく、命は選別されている」と言う。それは、人が生まれるのも命を奪われるのも、本人の意思とは関係のないところで決められているという考えだ。

重盛は咲江とも接触し三隅との関係を探るが、咲江自身は自宅で美津江から「公判で余計なことを言わないで」と釘を刺された。それは、工場で食品偽装をしていたこと、そして山中社長のことだった。

5回目の面会。公判の打ち合わ中、「本当の動機は何だと思いますか?」と尋ねる三隅。「あの十字、どういう意味があるんですか。裁こうとしたんじゃないですか?」と重盛が問い返すと、三隅は「裁くのは私じゃない、私はいつも裁かれる方だから」と言うだけ。そして、「人間の意志とは関係なく、命は選別されてるんですよ!理不尽に!」と語気を荒げた。重盛は自分と同じ言葉に愕然とする。ともあれ、1回目の公判は打ち合わせ通りに進行。美津江は保険金殺人を否定した。

公判後、咲江が重盛の事務所を訪れた。三隅と母親の関係を否定し、三隅を救うために自分が父親から受けていた性的虐待について証言したいというのだ。つらいことになると詰め寄る重盛に、咲江は「私は、母みたいに見ないフリをしたくない」と答えた。

三隅が一転、容疑を否認——「信じてくれますか?」

6回目の面会は、三隅と咲江が一緒に笑顔で写った写真から始まる。咲江の誕生日に、一緒に雪のケーキをつくってお祝いしたものだ。重盛は、「咲江は三隅に対して父親による性的虐待を打ち明けた」と聞いていたと問いただすが、三隅は「覚えていない」と突っぱねる。咲江を父親から守るために山中社長を殺したのかと問うと、「あの子、そんなこと言ってるんですか?嘘ですよ、あの子はよく嘘をつく子です」と否定した。

しかし、50万円について新しい話が出てくる。50万円は保険金殺人の前金ではなく、食品偽装の口止め料だった。更には三隅は「山中社長を殺していない」と言い出した。犯人性を争わないという前提の裁判のため、ここにきて容疑を否認することは三隅が不利になることを意味する。

「嘘」が飛び交う面会室で、「頼むよ、今度こそ本当のこと教えてくれよ!」と懇願するように叫ぶ重盛。三隅が「信じてくれますか」と迫る。戦術的に不利になると答えると、「戦術なんてどうだっていいんだ!信じるのか、信じないのか!」と鬼気迫る形相を見せた。重盛は、これまでの方針を180度変え、犯人性を争うことにした。「真実」という言葉を笑っていた重盛は、いつの間にか、戦術よりも「真実」に傾いていた。

「真実」はどこに・・・?

公判で容疑を否認したことで、法廷は大騒ぎ。裁判長に止められるが、三隅は「俺の言ったことは誰も信じてくれないから!ここで本当のことを聞いて欲しい」と語気を強めた。だが、公判は犯人性を争わないという前提で続けられる。結果、三隅の否認はただの責任逃れとされ、死刑が確定した。咲江は重盛に「あの人の言った通りでした。ここでは、誰も本当のことを話さない」と呟く。

重盛は、三隅が突然容疑を否認した理由について考えていた。「咲江さんにつらい証言をさせずに済むから」と話す重盛に、三隅は「いい話ですね」と微笑む。だが「もし重盛さんが話したことが本当なら、私も誰かの役に立てる。もし、本当なら、ですけどね」と続けた。そして、「ダメですよ、重盛さん。僕みたいな人殺しに、そんなこと期待しても」と笑った。

重盛は北海道で会った元刑事の言葉を思い出していた。「あなたは・・・ただの、器・・・」——重盛はたどるべき「真実」への道は、あるのかないのかさえわからなくなっていた。

三度目の殺人の作品情報

三度目の殺人のジャケット写真
公開日
2017/09/09
監督
是枝裕和
キャスト
福山雅治(重盛) 役所広司(三隅) 広瀬すず(山中咲江)
上映時間
124分
GEOで購入!
三度目の殺人のユーザ評価

評価数:367件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • これは映画館で観るべし!大どんでん返しが一度で終わらず見てる方も最後まで推理して楽しく観させていただきました♪
  • 鑑賞終了後、「もう1回観たい」が一言目。鳥肌がたった。三隅、重盛、咲江、どの人物にも心情を重ねてしまう場面があり、その共鳴がどれも深く、鑑賞後もしばらく考えさせられた。
  • モヤモヤ感があったり、観てからあーだこーだと話すってことは、いい映画ってことだよね。最近、アメコミ映画で疲れちゃってたから、なおさら練り込まれたストーリーをどうぞ!

是枝監督と福島雅治の初タッグは映画「そして父になる」

「三度目の殺人」で被告人に揺り動かされた重盛弁護士を演じたのは福山雅治。実は、本作以前にも一度、福島雅治主演の是枝監督作品がある。それは、2013年の「そして父になる」。第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品で、上映後は約10分にも及ぶスタンディングオベーションがあった。 福山雅治が演じる主人公・野々宮はエリート建築家。妻と6歳の息子・慶多と共に、幸せな家庭生活を送っていた。だが、その後病院で子供の取り違えがあったことが判明。血のつながった息子・琉晴がいるのは、群馬にある小さな電器店を営む斎木夫婦のところだった。ずっと息子として育ててきた子と、自分と血のつながった息子。親子の絆について、あらためて考えさせられる作品となっている。

そして父になるの作品情報

そして父になるのジャケット写真
レンタル開始日
2014/04/23
監督
是枝裕和
キャスト
福山雅治 尾野真千子 真木よう子 リリー・フランキー
上映時間
121分
GEOで購入!
そして父になるのユーザ評価

評価数:13447件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • もう、これは、子供のいる親は絶対泣ける作品ですね。福山雅治さんの息子に対する長台詞が印象的で涙が出ました。
  • 過去の話ではなく、最近の話として取り上げているのは、技術の進歩によるものだと思いますが、もし自分たちの身に起きたらどうするかと、改めて問題を投げかける作品だと思いました。
  • 福山雅治さんが演じていた父親の姿に共感できる男性は世の中に沢山いるのではないでしょうさ? もがきながらも全力で家族と関わろうとする姿勢に感動しました!

参考URL ・youtube.com