借りぐらしのアリエッティのジャケット写真

スタジオジブリ制作の日本のアニメーション映画「借りぐらしのアリエッティ」。メアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』が原作。構想自体は宮崎駿監督の頭に40年前にはあったようです。凄いの一言に尽きますね。それでは気になるネタバレをどうぞ!

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

夢のようなおとぎ話の世界

2010年に全国で公開されたスタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」は、宮崎駿が企画と脚本を手掛けた夢あふれるアニメーション映画です。メアリー・ノートンの小説「床下の小人たち」を原作にした、幻のようで身近な物語です。

スタジオジブリと言えば非現実的なストーリーで、それでいて世代を超えて楽しめる、子どもにも大人にも愛される作品がたくさんそろっています。なかでも本作は、私たちに「小人」の存在を想像させてくれる優しい愛に包まれた映画です。

声優陣が豪華なのも、さすがジブリだと言わざるを得ません。映画の題名にもなっている小人、アリエッティの声は志田未来が務め、小人と出会って夢のような経験をする少年、翔には神木隆之介が命を吹き込みます。さらにアリエッティの父に三浦友和、母に大竹しのぶ、加えて藤原竜也や樹木希林など、これでもかというくらいの豪華さに驚かされることでしょう。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=BZqVL8ryhJQ

アリエッティの暮らしと初めての“借り”

物語の舞台は、田舎町にある大きなお屋敷。アリエッティとその両親は、このお屋敷の床下に住み、食料や生活用品はお屋敷のなかからこっそり借りて生活していました。

ある日、「お屋敷に人間の男の子が越してきた」と父のポッドが知らせます。小人はには、人間に見られてはいけないという絶対に守るべき掟があったのです。14歳のアリエッティは、人間には見つからないという自信にあふれていました。その日は初めて父と「借り」に挑戦する日です。借りへ出かけるのを心待ちにしていたアリエッティは、身支度を終えると早速父のあとについて家を出ます。

人間が生活するキッチンに向かう途中には、私たちが普段何気なく使っている道具がたくさん出てきます。例えば、階段の代わりには「くぎ」。小人たちにとって崖のようなテーブルを登るときには、手足に「両面テープ」を装着します。私たちがいつも手先で細かく作業するようなものを、小人は生きるための道具として使っているのです。

アリエッティの初めての借りで、父は「角砂糖が欲しい」という母ホミリーの希望に応えようとしていました。借りのベテランである父ポッドは、難なく角砂糖を手に入れます。目をキラキラさせながらそれを受け取ったアリエッティは、自分のカバンに丁寧にしまいます。

少年と出会い、運命の歯車

最後に訪れたのは、ポッドが注意するようにと促した少年の部屋です。ボックスティッシュから1枚のティッシュペーパーを借りて行こうと、2人でゆっくりティッシュを抜いていきます。アリエッティは、借りが楽しくて仕方がないのでしょう。クスクスと笑いながらティッシュの端を抜いていきます。

そして気付くのです。何気なく目にした先に眠る少年の瞳が、こちらを見ていることに。アリエッティは固まってしまいます。ティッシュペーパーの後ろに隠れて影になったアリエッティに、少年はつぶやきます。「怖がらないで。」

驚きと恐怖で身を縮めてしまったアリエッティは、あろうことかポッドに託された角砂糖をカバンからはるか下にある床に落としてしまうのです。角砂糖もティッシュペーパーも手に入れられなかったアリエッティは、肩を落としてホミリーの待つ家に戻ります。

実は、アリエッティに声をかけた少年が小人を見たのはその夜が初めてではありません。昼の庭でも見かけていたのです。そしてそれは間違いなくアリエッティでした。夜、アリエッティが角砂糖を落としていったことに気付いた少年は、悪気はないのだよと言うようにアリエッティが出入りする小さな入り口へ角砂糖を置きに行きます。

人間と関わりをもつどころか、見られてもいけない掟が小人にはあります。それを守るために、アリエッティは「もう関わらないで」と少年にお願いしに行きます。小人と再び会えた少年は喜び、その名がアリエッティであることを知りました。同時に、アリエッティも少年の名が「翔」だと教えてもらいます。

アリエッティが翔に出会って間もなくしたころ、借りに出て怪我をしたポッドが、スピラーと名乗る仲間とともに帰宅します。「小人はもうほとんど生存していない」と実感しつつあったアリエッティとホミリーは、まだ仲間がいたのだということを知り喜びます。さらにスピラーは、この家を離れれば自分以外にも仲間がいると、3人に話しました。

人間に力を合わせるふたり

関わらないでほしいと思っていたアリエッティですが、ある日庭先で翔に姿を見せて語りあいます。「君たちは滅びゆく種族なんだ」と話す翔に、アリエッティは反抗しつつも言葉を返せません。すると少年は思い出したかのように「本当は、死ぬのは僕だ」と、心臓の病気であることを打ち明けるのです。

徐々に惹かれ合っているように感じるふたりですが、草むらを見つめて話している様子の翔を見た家政婦ハルは怪しみ、何かを企みだします。翔の変わった行動に目を輝かせるハルは、ついにアリエッティ家族が生活する小さな家を見つけ出します。そして小さな家の屋根を乱暴に外して、ホミリーを捕まえてしまうのです。

まるで宝物でも盗んだかのような歪んだ笑みを浮かべるハルは、そのままホミリーを瓶に入れて隠します。そしてなんと「駆除してください」と業者に電話してしまうのです。母の危険を知ったアリエッティは、翔に助けを求めます。あくまでアリエッティの存在は知らないと、翔とハルの両方が互いにうまくかわしあいながら、無事にホミリーを助け出します。人間と小人が力を合わせてホミリーを助け、アリエッティ家の大騒動は事なきを得たのです。

常識や生き方を超えた誓い

人間に見られて命を危険にさらしてしまったアリエッティ家族は、もうその場に留まることはできません。スピラーとともに他の仲間のいる場所へ引っ越すと決めたアリエッティは、翔に別れを告げに行きます。翔も、その事実を咎めようとはしませんでした。

「今度は受け取ってくれるよね」と翔が別れのしるしに渡したのは、アリエッティと出会った日の思い出である角砂糖です。アリエッティはそのお返しにと、髪留めに使っていた小さな洗濯ばさみを翔の指に乗せます。言わざるを得ない別れの言葉に、アリエッティは涙を流します。そして翔は諦めかけていた心臓の病気を克服することを誓うのです。

人間と小人、同じようでまったく違うふたつの世界を通じて感じる愛が、この作品にはあります。人間に見つかってはいけないのですから、私たちがその存在をまだ見つけられていないだけなのです。小人のことなんて考えない私たちの生活も、「借りぐらし」絶好の場になっているのかもしれません。

借りぐらしのアリエッティの作品情報

借りぐらしのアリエッティのジャケット写真
レンタル開始日
2011/06/17
監督
ゲイリー・ライドストロム 米林宏昌
キャスト
志田未来(アリエッティ) 神木隆之介(翔)
上映時間
94分
GEOで購入!
借りぐらしのアリエッティのユーザ評価

評価数:6734件 
評価:★★★☆☆(3.9/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 話が分かりやすく、最後まで楽しく鑑賞する事が出来た。起承転結もしっかりしていて、話も良くまとまっていた。機会があればまた見たいと思った。
  • 小人が自分の家に住んでいる!?なんて夢のある話なんだと思いながら観ました。家具、虫、猫全てが小人目線。リュックの後ろに安全ピンがついてたり、両面テープで壁を登ったり。小人たちの工夫一つ一つが目からウロコでウキウキしました! 神木くん演じる少年ショウのアリエッティと出会ってからの成長も見逃せません!
  • 辛口な意見の多い本作品ですが、音楽、雰囲気を含め非常に高水準な作品です。近年のアニメ映画では稀に見る良作だと個人的には思います。強い生きる力を得られます。

米林宏昌監督のおすすめ作品紹介!

本作で初監督を務めた米林宏昌監督がその後手掛けた作品から「思い出のマーニー」を紹介します。ジブリファンには言わずと知れた名作ですが、借りぐらしのアリエッティとは一味違うストーリーが見どころです。 自分の生活や世の中に価値を見出せない主人公の少女が、ひとりの少女との出会いを通じて大切なことに気付いていく物語です。終わりに近づくにつれて世界観に引き込まれ、隠された秘密に気付くでしょう。主人公とともに悩まされ、喜び、そして最後には涙をながす感動の物語です。

オススメ作品情報

思い出のマーニーのジャケット写真
レンタル開始日
2015/03/18
監督
米林宏昌
キャスト
有村架純(マーニー) 高月彩良(杏奈)
上映時間
103分
GEOで購入!
思い出のマーニーのユーザ評価

評価数:12002件 
評価:★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 「メアリと魔女の花」の躍動感あふれる「動」の力強さとはうって変わって、本当に大事なものに重点を置いた「静」の強さが印象的でした。「メアリ」は6歳の娘と鑑賞しましたが、こちらは鑑賞年齢によって受ける印象も変わってくるのではないでしょうか。末永く付き合っていきたい、と感じさせてくれる秀作でした。こういうジブリ作品があっても良いと思います。
  • ジブリ作品が大好きですが、この作品は特に好きです。序盤から終盤にかけてかわっていく主人公の表情や考え方など、観てる人も一緒に考えさせられる少し切ないけど温かい物語でした。
  • 全体的に静かにしっとりとしたテンションで話が進むのが個人的にかなりツボだった。千と千尋の終盤の電車のシーンのような物寂しさがずっと漂っていてとても切ない。ジブリの中で一番好きかも。

参考URL ・youtube.com