**作品名**のジャケット写真

記憶を80分しか維持出来ない数学博士と若い家政婦母子の心の交流を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「阿弥陀堂だより」の小泉堯史。第1回本屋大賞に選ばれた小川洋子による同名小説を基に、小泉監督自身が脚色。

監督:小泉堯史、原作:小川洋子、脚本:小泉堯史、音楽:加古隆、出演:寺尾聰(博士) 深津絵里(家政婦・杏子) 齋藤隆成(ルート)

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家政婦であるルートの母・杏子に舞い込んだ仕事先

とある中学校の教壇に立つ「ルート」というあだ名の数学教師が、生徒たちに自分語りをすることから物語は始まるのです。「ルート」というあだ名の由来・数学好きになったきっかけ・教師を目指した理由などを回顧しながら、徐々にルートが幼少時代を過ごした19年前にシーンが転換します。シングルマザーであるルートの母・杏子は、若いながらも経験10年のベテラン家政婦で、当時ルートは10歳でした。

ある日、所属している家政婦紹介組合から1件の仕事先を紹介されます。依頼者は、緑豊かな一軒家の母屋に住む未亡人で、「離れに住む義弟の食事・身の回りの世話をするように」と家政婦としてはごく一般的な仕事内容です。ただし、「離れの一切を母屋に持ち込まないこと」という少々変わった条件もついていました。至近距離に住んでいながら、未亡人と義弟は日常的な関わりがほとんどないようなのです。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=pOV-jadkgAw

数学を愛する博士と次第に親しくなる杏子

依頼者の義弟は当時64歳の数学の元大学教授で、3度の飯より数学を愛する風変わりな人でした。劇中では、杏子とルートから「博士」という愛称で呼ばれます。博士は人付き合いが苦手なため、話題に困ると数学の豆知識を引き合いに出すので、最初は杏子も少々戸惑い気味でした。また、博士は47歳のときに遭った交通事故の後遺症で、短期的な記憶が80分しか持ちません。

そのため、大事なことをメモした紙を体中に貼りつけ、勝手に忘れてしまう記憶を補っていたのです。「家政婦が何人も交代している」という前評判とは違い、勤務時間もきちんと守られ、契約内容どおりの仕事内容をこなせばいいので、博士宅の家政婦業は割合楽に感じていた杏子。少しずつ打ち解けていくうちに、杏子に幼い息子がいることを知った博士は、「明日からいっしょに連れて来なさい」と不器用な彼なりの気遣いを見せるのでした。

ルートの応援で体調を崩した博士の看病をして解雇される杏子

博士の言葉に甘えて、仕事場である離れに息子を連れてきた杏子。杏子の息子の頭が数学記号の「√(ルート)」のように平らであることから、博士は彼にルートという愛称をつけました。数学の話を聞いたり、好きな野球チームが同じ阪神と知りラジオでいっしょに観戦したりするうちに、博士とルートの距離が近づいて行きます。ある日、ルートが自分の所属する野球チームの試合を見に来てほしいと博士に頼みます。観戦に来てくれた博士ですが、炎天下での応援で疲労したのか発熱して寝込んでしまうことに。

既定の勤務時間外ではありましたが、博士のために杏子が泊まり込みで看病し、ルートも博士宅に泊まります。ところが、母屋の未亡人に規定違反がばれ、家政婦紹介所へクレームが入ってしまうのです。実は、博士が記憶障害を負った交通事故の前後に、博士と未亡人は不倫関係にあったのでした。単なる契約違反へのクレームではなく、杏子に対する未亡人の嫉妬も入っていたのです。

博士宅の家政婦業に復帰した杏子と数学教師となったルート

未亡人のクレームのせいで、一度は博士宅の家政婦業をクビになってしまう杏子ですが、すぐに誤解が解けて再び博士の家で働くことができるようになります。博士が「矛盾なく美しいものが存在する」ことを表すオイラーの等式が書かれたメモを未亡人に渡し、杏子やルートがいることで成り立つ4人の関係性を理解させたためです。この出来事以降、離れとの関りを絶っていた未亡人も、博士や杏子・ルート親子と親しく接するようになりました。

ルートの11歳の誕生日に、博士と未亡人はルートにグローブをプレゼントします。博士とのふれ合いで日常のいろいろなものを数学的な角度からとらえる面白さを知り、ルートは数学教師を目指すことになるのです。シーンは変わって、冒頭と同じ中学校の教壇――生徒を前に熱く語るルートの姿を、母・杏子や未亡人、一番は博士が嬉しく思っていることでしょう。

博士の愛した数式の作品情報

博士の愛した数式のジャケット写真
レンタル開始日
2006/07/07
監督
小泉堯史
キャスト
寺尾聰(博士) 深津絵里(家政婦・杏子) 齋藤隆成(ルート)
上映時間
117分
GEOで購入!
博士の愛した数式のユーザ評価

評価数:473件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • この作品の魅力は、何と言っても博士の雰囲気と数学の魅力。「こんな先生だったら、数学の授業も楽しいだろうな」と素直に感じさせます。 無機質とも思える数字や記号の羅列が、博士の手に掛かると途端にロマンチックな物語に。 友愛数など初めて知りました。 原作も読んでみたい。
  • 博士と一緒にいたら、「あたりまえ」がなくなるね。この世で一番恐ろしいのは「あたりまえ」だと思ってしまうことだと思う私は、この博士といたらすごく幸せになれる気がする。そんなふうに思える作品だった。 それから、母親が、息子に「ごめんなさい。母さんが間違えです」そう言った事にすごく感動した。私もこんな母親になりたい。
  • 原作を読んだときは正直そんなに感動しなかったのですが 映画の方は博士の人柄に心暖まります 寺尾さんの存在がこの映画に不可欠ですね

参考URL
・youtube.com