告白のジャケット写真

湊かなえの同名ベストセラー小説を原作に「パコと魔法の絵本」の中島哲也がメガホンを取ったミステリー映画「告白」。教え子に娘を殺された中学校教師の復讐はすさまじいものでした。松たか子の演技力にも注目です!

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:中島哲也
原作:湊かなえ
脚本:中島哲也
出演:松たか子 岡田将生 木村佳乃

命の授業

ある中学校での終業式の、クラス風景で物語は始まります。その中学校は「中高生乳製品促進運動」のモデル校となっており、生徒たちは学校から配られるパック牛乳を飲んでいました。そんなある日、クラスの担任・森口悠子(松たか子)は教壇に立ち、めいめい勝手にざわめくクラスの中で淡々と話し始めます。「私は今月いっぱいで教師を辞めます」

「まじ?やった!」とふざける生徒を無視し、森口は「命」という文字を大きく黒板に書きます。そして森口は静かに「命の授業」を始めました。

森口はシングルマザーです。森口の娘の父親は、熱血教師として生徒たちに絶大な人気を誇る桜宮正義先生でした。森口と桜宮は結婚する予定でしたが、彼はHIVに感染していました。生まれてくる子どもが「HIV感染者の子ども」として差別されることを恐れた桜宮の希望で、結婚しないことにしました。

しかし、その大切な一人娘・愛美(芦田愛菜)が今年の2月に事故死してしまいました。森口は普段、保育園から戻った愛美を、18時からは学校の隣に住む竹中家に預かってもらっています。しかし2月13日は竹中家に預けられなかったため、代わりに愛美を中学校の保健室に連れて行くことにしました。そして職員会議が終わった後に、森口が見つけたのは、プールに浮かぶ愛美の変わり果てた姿でした。そして森口は言います。「愛美はこのクラスの生徒に殺されたのです。」

※顔色ひとつ変えずに、淡々と話す森口先生役の松たか子さん。これまでのイメージと全く違い、かなり怖いです。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=ZsOmp4-f2Tc

少年Aと少年B

驚き静まり返る教室、森口は静かに話し続けます。少年法では、14歳未満の犯罪は処罰の対象にならないことから、犯人の名前は明かしません。そのかわり、犯人を少年Aと少年Bとして事件を語りだしました。

少年Aは成績優秀な生徒ですが、動物虐待の動画をホームページにアップしたりする猟奇的な一面ももっています。ある日、少年Aは金属チャックに触れると感電する仕組の財布を、森口で実験しました。その作品がコンテストの全国大会で優勝した「盗難びっくり防止マシーン」です。コンテストの記事が新聞に乗ることによって、世間に自分の才能を認めさせられると思った少年Aでしたが、同日の新聞トップを飾ったのは13歳の少女が家族を殺害したルナシー事件でした。

少年Bは運動部に入りましたが間もなく退部し、その後塾にも通いますが成績は伸びません。イライラした少年Bは、塾をさぼって校則違反のゲームセンターに行き、補導されてしまいました。本来なら補導された生徒を迎えに行くのは担任である森口ですが、学校のルールで男性教師が迎えに行きました。それにも不満を持った少年B、校則違反の罰として2週間のプール清掃を命じられました。森口が言っている犯人は、少年Aが渡辺修哉、少年Bが下村直樹のことだと、クラスの生徒にはわかりました。

※淡々と話す森口の場面と交錯する愛美の回顧シーン、静かな恐怖がジワジワと迫ってくるようです。

復讐の牛乳

森口は竹中家の犬のそばに落ちていたという「わたうさちゃん」のポシェットを見せながら言いました。「下村君、このポシェット覚えてるでしょ。」以前、愛美がこのポシェットをねだっていた場面に、偶然下村が出くわしていたのです。

森口は自身が推測した事故の経緯を話し始めます。少年Aは、少年Bの話から愛美が大好きな「わたうさちゃん」のポシェットを欲しがっていたことを知ります。そして事件の日、少年Aは感電する仕掛けをポシェットに仕込み、愛美をプールに誘い出してママからのプレゼントとして渡しました。チャックに手をかけた愛美はショックで倒れます。

死んだと思った少年Bは動揺しますが、少年Aは自分の犯罪を言いふらすように言って立ち去ります。自分が疑われることを恐れた少年Bは、愛美が誤ってプールに落ちたように見せかけるため、愛美をプールに突き落としました。しかし愛美の本当の死因は感電ではなく、プールでの溺死でした。

そして最後に森口は言います。「私は犯人の2人の生徒の牛乳に、HIVに感染した桜宮の血液を混ぜました。潜伏期間は5年から10年です。」

※HIVの血液を牛乳に混ぜるなんて、なんて恐ろしいことを計画したのだろうと、このシーンには度肝を抜かれてしまいました。

少年B・下村直樹の破滅

新学期が始まり、新しい担任は若い男性教師・寺田良輝(岡田将生)。自分のことを「ウェルテル」と呼んでくれという寺田は、桜宮を尊敬する熱血教師です。渡辺修哉は何事もなかったかのように、平然と学校に来ていますが、下村直樹は不登校になっています。心配したウェルテルは、直樹を学校に呼び戻すため、クラスの北原美月を伴い「はげましノート」を持って直樹の家に通いました。

直樹の家は、父親は仕事でほとんど不在、姉は東京で暮らしているため、常に母子ふたりだけの生活です。直樹の母親・優子(木村佳乃)は直樹を溺愛しており、直樹が不憫で仕方ありません。直樹は、あの終業式以来、自分がHIVに感染していると思い込み、風呂も入らず髪も切らず部屋に引きこもっています。自分の触れるものを気が狂ったように拭き、誰にも触れさせません。そこに毎日現れるウェルテルの存在は、直樹を追い詰めていきます。

「直樹が悪いんじゃない、全て森口のせいよ」そういう母に直樹は告白します、自分が愛美を殺したことを。直樹は信じていた修哉に「できそこない」と言われたことに腹を立て「修哉にできなかった殺人を自分がしてやる」と思い、電気ショックの気絶から、目を覚ました愛美をプールに突き落として殺したのです。それを聞いた母は、ショックを受け、直樹と無理心中をしようとしますが、抵抗する直樹に殺されてしまいました。

※いわゆるモンスターペアレントの過保護ママを、木村佳乃さんが真に迫って演じていて見事でした。

「なーんてね」

平然と通学してくる修哉に対して、クラスメートたちのイジメが始まりました。徐々に過激になるイジメ、そしてイジメに加わらない北村美月もイジメの対象にされます。ある日、修哉は美月を呼び出し、HIV検査の陰性結果を見せました。修哉はHIVにかかっていなかったのです。そこから、修哉のクラスメートたちへの逆襲が始まります。自分の手をカッターで傷つけ、クラスメートたちに付けて回ります。恐怖でパニックになったクラスメートたちは、修哉に近づかなくなりました。

修哉の母親は優秀な研究者でしたが、修哉の父と出会ってキャリアを諦めました。そして修哉が生まれましたが、育児放棄した母は離婚。修哉を捨て研究所に戻ってしまいました。その後、父は再婚しますが、修哉は家庭に居場所がありません。孤独な修哉は、母が自分を認め自分のもとに戻ってきてくれることを夢見て、ホームページを作ったりコンテストに発表していたのです。

美月は家族を殺害したルナシーに憧れ、薬品を集めています。クラスからはみ出した二人は、徐々に親しくなっていきます。ある日、直樹が母親を殺害した事件が新聞に載りました。それを見た修哉は「マザコン」と言いますが、美月に「修哉もマザコンじゃん」と言われ、カッとなり美月を殺害してしまいます。美月の遺体を学校の倉庫にある巨大な冷蔵庫に隠した修哉は、今度こそ新聞に載るため、始業式に体育館を爆発させることを計画します。

そして始業式当日、修哉はスピーチをした後「失われて良い命なんてひとつもない・・・なーんてね」と言って、爆弾のスイッチを押しました。しかし爆発は起きません。そこに森口から電話が入ります。森口は、修哉が作った爆弾を、修哉の母にプレゼントとしたと伝えます。ショックのあまり倒れこむ修哉。「これが本当の復讐。本当の地獄。ここからあなたの更生の一歩が始まるんです」と言って電話は切れました。そして森口は呟きます。「なーんてね」

※この映画は、湊かなえ原作「告白」がほぼ忠実に映像化されています。小説もかなり衝撃的な内容でしたが、松たか子さんの恐ろしいまでの冷酷な演技には驚愕です。かつては清純派女優のイメージが強かった松たか子さん、木村佳乃さんですが、この映画で役の幅を広げられた感じがします。

告白の作品情報

告白のジャケット写真

レンタル開始日
2011/01/14
監督
中島哲也
キャスト
松たか子 岡田将生 木村佳乃
上映時間
106分
さらに詳しく見る>
告白のユーザ評価

評価数:6324件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 原作にほぼ忠実で、映画だからこそ出せる間なんかは最高でした。
    松たか子と木村佳乃が逆だったらどんな感じなのかな?とちょっと気になったり。
  • 原作読んで何回叫んだか、しかもラストでそうきたかと、どんでん返しでマジ面白かった。是非原作読んでから見てください。
  • 心の闇と過ち。少年法に守られた犯人への復讐の仕方。悲しみと憎しみ、そして愛。とても引き込まれる作品でした。病んでいく少年Bとその母親、そして母親の愛に飢えたサイコパス少年Aを追い詰めていく先生。彼女の涙に、子供を殺される苦しみが伝わってきました。

参考URL
・youtube.com