容疑者Xの献身のジャケット写真

花岡靖子(松雪泰子)とその娘の美里が暮らすアパートに、元夫の富樫慎二が現れた。引っ越しを繰り返しても居場所を突き止めては金の無心に来る富樫は、花岡親子にとって疫病神だった。大喧嘩の末、二人は富樫を殺害してしまう。その気配を察した隣の部屋の住人の石神(堤真一)は、花岡親子を救うためのトリックを考案する。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:西谷弘
原作:東野圭吾
脚本:福田靖
音楽:福山雅治 菅野祐悟
出演:福山雅治 柴咲コウ 北村一輝 松雪泰子 堤真一

崩れぬ容疑者のアリバイ

事件は、貝塚北署警察署管内でひとりの男が他殺体が発見されたことから始まる。その死体は、無残に顔をつぶされ指紋まで焼かれていた。

しかし、乗り捨てられていた自転車の指紋から死体の身元はあっけなく割り出される。そして、容疑者として浮かび上がったのが被害者・富樫慎二の元妻・花岡美里。

事件は、容疑者が絞り込まれたことで短期間に解決するかと思われたのだが・・・。

殺害当日とされる日、花岡美里には、鉄壁のアリバイがあった。犯行日時に娘と一緒に映画を見ていたと証言する美里。そして、その証言を裏付ける証拠が準備していたように次々と現れる。

疑いを持ちながら、鉄壁のアリバイを崩すことができない警察。内海と草薙は、事件解決のヒントをもらうため湯川の研究室を訪れるのだった。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=MT3BDGXyAIM

悲劇の序章・天才数学者との再会

内海と草薙の相談にも興味を示さなかった湯川は、ある男の名前を聞いてその男に興味を示す。それは、変人・湯川の唯一の友人であり、彼が認めた数学の天才・石神哲哉。花岡親子の隣人である石神の名を聞き、湯川は彼のもとを訪れる。

17年ぶりの再会を楽しむ2人。家庭の事情で大学院に残れず、しがない高校教師をしている石神の現状を知る湯川。しかし、石神の頭脳は今なお天才的な力を持ち合わせていたのだ。そして、その石神の頭脳は、愛する花岡親子を助けるために完璧のシナリオを作り出す。

天才が仕掛けた完璧のシナリオ

死体の状況や自転車の盗難などあらゆる事件の状況を把握した湯川は、石神に疑惑を抱き始める。その推理は、何らかの事情で富樫を殺害してしまった花岡親子を守るため、二人に完璧のアリバイを作るよう石神が指示したというもの。

しかし、その湯川の推理を裏付ける証拠は現れず、石神と花岡親子の接点は隣人同士で花岡美里の弁当屋の常連客という立証には弱いものだった。

鉄壁のアリバイを崩せぬまま、警察の捜査方針は賭博を常習としていた富樫の生活状況から、暴力団による犯行という見方に傾いていく。

事件解決のポイントは「すりかえ」

富樫殺害事件は、死体のすり替えによって花岡親子の完璧なアリバイを作り出していた。富樫だと思われた死体は、石神が花岡親子のアリバイを作るために殺害した身元が分からないホームレスだった。石神がいた簡易宿へそのホームレスの痕跡を残させ、殺害することでホームレス=富樫だと警察に思い込ませたのだ。

あえて中途半端に指紋や衣服を残したのもその死体が、富樫であると判断させるための石神の計画。

自分が人を殺すことで、警察での尋問にも躊躇なくことえることができると石神は考えていたのだ。愛する人のため、自ら犯罪者になることで守ろうとする石神。事件解決が、正しいのか迷う湯川。そんな湯川に内海は、「このままでいいんですか?」と事件解決を促す。

事件の解明は誰をも不幸にする

湯川が自分と花岡親子に目を付けたことに気づいた石神は、湯川を冬山に誘い出す。雪山の中で湯川のはるか先を行く石神。はたして石上は、湯川を亡き者にしようとしていたのか…。

石神は、ひとりごとのように湯川に語る「この事件を解決しても、誰も幸せに離れない…。」と。

登山から帰った石神は、自らが富樫を殺害したと自首してくる。石神の自供は、一貫していて信憑性があり事件は解決へと進みだす。

石神の供述は、花岡美里のストーカーだった石神が、元夫の富樫に困っている花岡親子のために殺害したというものだった。それを実証するように、美里の交際相手への嫌がらせの手紙や美里本人への脅迫状、石神の自宅から出てきた証拠品など石神の犯行は確実なものとなる。

しかし、殺人を起こすような非論理的なことをしないと石神を評価する湯川にはどうしても納得できないものがあった…。

決して隣同士同じになってはいけない

石神が愛した「四色定理」の証明――その定理のように石神と美里は決して交わることがないよう、石神のシナリオは完璧に構築されていた。しかし、人間には論理では割り切れない感情がある。美里は、石神の自分たち親子への思いやりの深さを感じ、自らも犯した罪を償おうとする。自らの計画が、愛する人の良心によって阻まれた時、石神の心もまた崩れてしまうのだった。

かつて、人生に絶望し自殺をはかろうとした石神は、偶然引っ越し挨拶に来た花岡親子に命を救われていた。それから、石神は花岡親子の隣に住んでいることで生きる幸せを感じていた。ただそっと見守るだけの決して交わることが無い隣同士の関係。その美しい関係が、石神には生きる力になっていたのかもしれない…。

容疑者Xの献身の作品情報

容疑者Xの献身のジャケット写真

レンタル開始日
2009/03/18
監督
西谷弘
キャスト
福山雅治 柴咲コウ 北村一輝 松雪泰子
上映時間
128分
さらに詳しく見る>
容疑者Xの献身のユーザ評価

評価数:1406件
評価 :★★★★☆(4.0/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 愛とは。この作品はこの一言につきると思う。
    人を愛することを知らなかった人間が、愛することをしる。
    愛する人を守るためにとった行動は、褒められるようなことではなかった。が、その人を愛する気持ちは間違いなく本物であったと、そう感じる。

    そして最後に流れる曲が「最愛」
    この曲が映画と見事にあっていて、私は曲を聞きながら映画を思い返し、涙した。

  • ガリレオシリーズで一番の傑作。小説を映画化すると劣化しますがこの映画は出演者の演技力により素晴らしい仕上がりです。特に堤真一が素晴らしい!常に冷静な湯川が珍しく心揺れ動くストーリーも良い。
  • 最初から犯人がわかっている、それなのに、警察の捜査で、観客が知っている犯人のアリバイが証明される。観客のみならず、犯人ですら理解していないことが、謎を深める。数学者としてそんなこと気にするような性格ではなさそうな役なのに、堤真一さんのお前はいいなぁ。いつまでも若くてとい何気ない一言が、人生をかけて、全てをかけて、愛してる愛情の深さを感じて、感動しました。

参考URL
・youtube.com