彼女がその名を知らない鳥たちのジャケット写真

十和子は15歳上の陣治と暮らしているものの、8年前に別れた黒崎のことが忘れられずにいた。下劣で地位も金もない陣治を毛嫌いする一方で、自分は働かず彼の稼ぎをあてにし堕落した日々を送っている。ある日、どこか黒崎の面影がある水島と関係を持った十和子。水島には妻子がいたが、彼との情事に溺れていった。そんな中、家に突如やってきた警察から、黒崎が行方不明になったことを知らされる。黒崎の失踪にどんなに足蹴にされても執拗に十和子に執着する陣治の関与を疑った十和子は、水島にまで危険が及ぶのではと危惧する。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:白石和彌
原作:沼田まほかる
出演:蒼井優(北原十和子) 阿部サダヲ(佐野陣治) 松坂桃李(水島真) 村川絵梨(國枝カヨ)

十和子一筋の陣治

33歳の北原十和子は定職にも就かず、15歳年上の佐野陣治と同棲していました。生活費の全てを陣治に養ってもらい、十和子は自由に生活していましたが毎日のように陣治から電話がかかってくることにうんざりしていました。さらに一流建設会社に勤めていた陣治は傲慢でクレーマーのような勝手なことをいう人物で、しかも容姿は髪はボサボサで顔は黒く、食べ方も口をクチャクチャと鳴らしながら汚く食べ、正直不潔な印象。

そんな陣治を十和子は毛嫌いしていながらも、生活のために仕方なく同棲を続けていました。陣治自身は十和子に毎日罵声を言われてもずっと十和子を愛していました。しかし十和子は8年前に付き合っていた黒崎俊一の存在が未だに忘れらずにいました。その黒崎とは暴行まがいの捨てられ方をしたにもかかわらず十和子にとっては本気で愛した存在でした。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=3C61v9ag8Lk

水島との出会い

十和子は黒崎に捨てられてから半年後に陣治と出会い寂しさを紛らわしました。8年経った今も黒崎を忘れられない十和子は、昔に黒崎からもらった時計が壊れたので修理に出しますが、修理は難しいと店員に言われクレームを言います。そこへ責任者の水島という男性が現れ、その男性は個人で壊れた時計と同等の金額の時計を購入し、十和子にプレゼントしました。

優しい水島がどことなく黒崎に似ていると思った十和子は一瞬で心が動きました。程なくして十和子と既婚者の水島は体の関係を持ち、十和子は寂しさを埋めるように水島の虜になっていきます。

しかし水島と出会ってから黒崎の事も気になり始めた十和子は、何気なしに黒崎の携帯を鳴らしてしまいます。ところが、何度かコールは鳴ったものの出ませんでした。数日後、十和子の元に警察が現れ、黒崎が5年前から行方不明になっていると聞かされます。十和子はストーカーのような性格の陣治が何か知っているのではと思うようになりました。

水島の本性が暴かれる

その後十和子と水島との関係に気づき始めた陣治はますます十和子への執着がエスカレートし、十和子の跡をついてくるようになりました。そして水島自身も妻に浮気がバレそうになるなど何者かに嫌がらせをされ始め、次第に十和子は水島に距離を置かれるようになります。

怒った十和子は陣治を問い詰め、やはり嫌がらせをしていた犯人は陣治でした。その後水島が十和子にプレゼントをした時計は数千円の役物で、離婚して十和子と一緒になると言っていたことも嘘でした。さらには他の女性とも関係を持っていたという事実を十和子は知ります。

陣治は十和子に水島の事は諦めろと言われますが全く聞かず、反対に十和子の前に現れる男たちを頑なに別れさせる陣治が行方不明の黒崎を殺したんだと確信し、水島も同じようにされないように殺意を感じるまでになった十和子。そして陣治を殺害しようとナイフを用意し手に持ったその時、十和子は何故か前にも感じたことがあるような感覚にとらわれます。

黒崎との関係

思えば8年前十和子は黒崎と出会い、運命の人と思えるほど愛していました。しかし黒崎は当時既婚者で離婚をするためお金が必要だと言い、収入を得るためにある男に身体を提供してほしいと十和子にお願いしてきます。

十和子は黒崎と一緒になりたいがために何度も体を提供し、その後黒崎は離婚しますがお金持ちの女性と再婚します。その後十和子と別れたいと一方的に行ってきた黒崎は泣きわめく十和子を殴り、暴行し血を流して怪我をした十和子を車から投げ出し去っていきました。十和子の記憶ではこれが黒崎との出会いは最後だと思っていましたが、実は別れて3年後に再び黒崎から連絡があったのです。十和子は黒崎の車に乗る前にバックの中に護身用のナイフを入れて久しぶりに再会します。

そして黒崎はまた体の提供をしてほしいと十和子に言ってきました。黒崎はお金と権力のために十和子を利用していただけでした、十和子は無意識の状態でバックの中に隠しておいたナイフを手に取り、黒崎を後ろから何度も刺します。そして当時、既に出会っていた陣治に電話をし陣治が黒崎を埋めていたのです。

究極の愛の終わり方

それから陣治はずっと十和子を急に記憶が戻ってパニックを起こさないように見守っていたのです。十和子は黒崎を殺してしまったことがショックのあまり記憶喪失となっていました。記憶が戻った十和子はもう死にたいと陣治に告白します。

しかし陣治はこれまで十和子と過ごせて幸せだったし楽しかった、これからは辛いこと全部抱えて生きていくんだ、と十和子に言いました。それでも十和子はもう生きたくないと絶望しています。

そして陣治は、十和子が思い出したこと全部持って行ってやる一生かかってでもこの借りを返してくれ、と十和子に叫びながら伝えます。十和子は陣治の思いをただ黙って聞いていました。そして陣治は十和子の罪、罪悪感を背負って高台から身を投げます。

彼女がその名を知らない鳥たちの作品情報

彼女がその名を知らない鳥たちのジャケット写真

公開日
2017/10/28
監督
白石和彌
キャスト
蒼井優(北原十和子) 阿部サダヲ(佐野陣治) 松坂桃李(水島真)
上映時間
123分
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彼女がその名を知らない鳥たちのユーザ評価

評価数:206件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 評価の別れる映画だとは思いますが、私は好きな作品でした。確かにクズな登場人物のオンパレードですが、複雑な人間の心のようなものを描いていて、最後まで目が離せずにスクリーンに惹き付けられていました。まずは原作は読まずに、映画を観る事をオススメします。俳優さん達4人(阿部サダヲちゃん、蒼井優ちゃん、松坂桃李くん、竹野内豊さん)の期待を裏切る演技にも注目です!そして後半、自分の意志とは関係なく、涙がボロボロ流れていました。見終わったあともしばらく心がザワつく映画です。
  • 共感度0% 不快度100%というコピーで生々しい描写に目をひかれてしまうけど、誰かを愛すること、つきあい寄り添うことの、そもそもの烈しさやどうしようもない面倒くささを鮮明に思い出させてくれる作品。賛否両論はあると思いますが、恋愛映画として圧倒的な純度の高さがとにかく素晴らしい。
  • 全員クズの触れ込み通り、竹野内豊さんも松坂桃李さんもクズ(笑)

    もっと言えば、蒼井優さんもクズ(笑)

    しかし人間味溢れるストーリーには共感はできないまでも、わかるわかると納得してしまう(!?)内容です。

    しかし、ユリゴコロもそうだったのですが沼田まほかるさんの作品の根底には必ず底知れぬ愛を感じます。

「ユリゴコロ」もオススメです

「彼女がその名を知らない鳥たち」の著者:沼田まほかる氏はイヤミス(読んだ後に嫌な後味が残るミステリー)の女王と言われるほど大人気なんです。彼女がその名を知らない鳥たちの登場人物はそれぞれ個性的というかサイテーな人間同士が究極の愛を表現するというストーリーで新たな恋愛観が得られると話題を呼んでいる作品となっています。その他オススメなのが、同じく沼田まほかる氏の小説から生まれた2017年公開映画「ユリゴコロ」です。ユリゴコロも過去と現代が行き来するストーリーでサスペンス映画となっています。映画のラストには衝撃な真実が判明するなど、沼田まほかる氏らしいハラハラドキドキの展開となっているので是非お見逃しなく。

ユリゴコロの作品情報

ユリゴコロのジャケット写真

公開日
2017/09/23
監督
熊澤尚人
キャスト
吉高由里子(美紗子) 松坂桃李(亮介) 松山ケンイチ(洋介)
上映時間
128分
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ユリゴコロのユーザ評価

評価数:331件
評価 :★★★☆☆(3.6/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • きっと万人受けはしない映画だと思う。
    でもこの映画に救われる人は沢山いると思う。
    好きな人の大切さ、愛の深さを強く感じる作品でした。
  • エグい、エグい、エグい ‼️
    目を覆いたくなるほどエグいけど映画だからできた作品、素晴らしい
    この作品は地上波では放送は無理かな?
    是非映画館で観てほしい
  • 最後までハラハラドキドキの連続でした。吉高由里子さんの演技が最高でした。サスペンス映画の醍醐味を味わうことができました。

参考URL
・youtube.com