母べえのジャケット写真

日本が太平洋戦争へと歩みを進めていく不穏な時代を舞台に、情愛深い家族の姿を描いた感動作。原作は野上照代のノンフィクション小説。出演は「北の零年」の吉永小百合、「サッド ヴァケイション」の浅野忠信、「武士の一分」の檀れい。監督は「武士の一分」の山田洋次。

監督:山田洋次、原作:野上照代、脚本:山田洋次 平松恵美子、音楽:冨田勲、出演:吉永小百合 浅野忠信 檀れい 志田未来 

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突然の父べぇ逮捕に戸惑う母べぇたち

日本が戦争への道を進み始めていた昭和15年。野上滋と佳代、初代、そして照美親子は質素ながら仲睦ましく暮らしていた。ある日、滋が反戦を唱えたことから思想犯として特高(当時の警察官)に逮捕されてしまう。すぐに解放されると信じていた家族たちの思いもむなしく、滋は長期の拘置所暮らしを強いられることに…。

大黒柱をなくした野上家は、残された子供たちを育てるため佳代が女手一つで代用教員をしながら家計を支えるのだった。佳代たちの生活は、滋の妹・久子や滋の教え子・山崎徹、隣組組長・福田たちの助けを借りながら、滋の帰りを待ち続けていた。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=-p1yQuyMcjI

月日が流れても滋が戻ることはなく…

山口で警察署長を務めた佳代の父・久太郎は、滋が逮捕されたことを知り上京する。思想犯などと結婚したことを恥とする父。父と娘の間に見えない溝が深まっていく。

そんな野上家にも山崎や久子が訪ねてくれることで、佳代は仕事と家事に追われながらも救われる思いでいた。しかし、滋は釈放されることなく月日だけが過ぎていくのだった…。

そんな時、奈良から佳代の叔父が佳代たちの状況を気にして上京する。叔父は、親類でも変人扱いされるほどの人物。戦況が厳しくなる中、ぜいたくは敵だとする風潮に疑問を投げかける。人の心を解さない叔父を嫌う初代は、母べぇに叔父を奈良へ帰ってもらうよう頼む。その思いを察したながら、母べぇは唯一本音を言え心が癒されるのが叔父さんなのでと吐露する。

手紙だけが滋と家族がつながる唯一の方法

月日が流れても、滋が野上の家に戻ることはなかった。ただ、獄中から届く父ベぇ・滋の家族への思いがつづられた手紙が佳代にとって唯一の生きがい。そして、滋にとっても家族からの手紙が生きる支えとなっていた。

しかし、佳代の夫が思想犯として捕まっていることが地元・山口でも広まってしまった。佳代の父・久太郎は、再び上京し佳代に滋との離縁を言いわたすが、その申し出を断る佳代――「滋は何も悪いことをしていない」と父をつきはなし、雪の降る中呼び出された料理旅館を子どもたちとともに佳代は後にする。

疲労からとうとう倒れる佳代

心労と疲労が積み重なり、職場の学校で倒れてしまう佳代。それを聞きつけ駆けつける山崎。山崎が医師を呼びに行ってくれたことで、佳代は体調を取り戻す。しかし、仕事に復帰するには1カ月ほどかかると医師に言われてしまう。

山崎や久子の助けをかり、しばらく休みを取る佳代。その間、獄中の滋もまた身体を壊し始めていた。

そんな中、佳代は久子に山崎との結婚を訪ねる。しかし、山崎の心には佳代がいることを告げる久子。山崎の心を知り戸惑いを隠せない佳代だった。

手紙とともに届く父べぇの死の知らせ

滋からの手紙がポストに届けられた頃、一通の電報が野上家に届く。そこには、滋の獄中死が記されていた。偶然帰省のために戻った山崎がその電報を読み、買い物に出かけていた佳代を迎えに駅へと向かう。ポストの中には、悲しくも滋が生前に送っていた手紙が届いていた。獄中死ということもあり、ごく地味に執り行われる滋の葬儀。やつれ果てた滋の亡骸に、佳代たちは泣き崩れる。

その後、戦況は次第に悪化。体に障害のあった山崎にも召集令状が届く。佳代や初代、照美に別れを告げに来た山崎。死を覚悟した山崎に「そんな覚悟などいらない」と泣きながら手を取る佳代。互いの思いを叶えることなく、山崎は戦地へと向かうのだった。

それから3年の月日が流れ、ある日一人の兵士が野上の家を訪れる。山崎と見間違える佳代――しかし、その兵士は、山崎ではなかった。山崎と同じ部隊にいたというその兵士は、山崎が最後に残した言葉を佳代に伝える。「僕はもうこの世にはいないけれど、魂はいつまでもあなた方といて護ってあげる」という山崎の最後の言葉を…。

生きている父べぇに逢いたい…

歳月が流れ、初代は医師になり照美は美術の教師になっていた。そして、佳代が危篤だという知らせが照美の学校へ入る。姉の初代が勤める病院へ駆けつける照美に死を前にした佳代が「世話をかけた」と礼を言う。

「やっと父べぇや久子、山崎のもとへ行けるね」と告げる照美。その時、佳代は「生きている間に会いたかった…。」と告げるのだった。

母べえの作品情報

母べぇのジャケット写真
レンタル開始日
2008/07/25
監督
山田洋次
キャスト
吉永小百合 浅野忠信 檀れい 志田未来 
上映時間
133分
GEOで購入!
母べえのユーザ評価

評価数:269件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 平和、反戦、言論の大切さ、この映画の背景にはメッセージがあることはもちろんだろう。でも、この映画はまずは家族の愛、母の愛、父の愛を感じることが出来ます。私はイデオロギー抜きで素直に観ることができました。 なんといっても吉永小百合の抑えた表情に芯の強さを見せるという演技が私は好きですね。まあ、どの映画でも同じようという感じもなくはないですが。戦時下で夫が特高警察に逮捕されている妻にしては汚れの見えない演技なのですが、これはあくまでも娘からみた幻想が入っているものと理解します(笑) 浅野忠信は珍しく観る人を限定しないメジャーな映画に出たという印象でしたが、ちょっと年上の恩師の奥様に恋をするという役も印象的に演じています。この映画の一番の演技でしょう。 しかし、浅野忠信が恋をする相手として不自然な感じがしないのが吉永小百合の凄いところ。もちろんスタッフに吉永小百合専属のメイクさんがいるのが出ているところからしても、そうとうマジックはあるんだろうけれども。 檀れい、志田未来、笑福亭鶴瓶も好演です。鶴瓶の実は人の良さそうな中年親父役というのはまさに絶品です。 エンディングで母べえがある言葉を伝えます。父べえが死んでから母べえがどういう思いで生きてきたのかを表す言葉だったのだと思います。
  • 家族が肩を寄せ合い、慎ましやかに生活することが、どんなに幸せかを感じさせられた。 この作品の’戦争’という時代背景を超えた現代にも通じる、普遍的な幸せを学んだ。 鶴瓶さん演じるおじさんは印象的で、戦争に翻弄され、そうとしか生きる術がなかった人物像を上手に表現していらした。 映画の中で、要らぬ小道具が多かったように思う。もっと殺伐とした家にして、羽子板の赤みを際立たせてほしかった。 冒頭、父べえの部屋に中原中也の本が置いてあったのは、なかなかよかった。 山田洋次監督の作品は、いいなあと思う。 幼い時分、たんぼの脇でじっと見ていた蛍のように、 ぬくもりとはかなさがあるような気がする。 吉永小百合さん演じる母べえは、強烈な印象ではなかった分、余計に観る者のそれに重ねることが出来るのだと感じた。 ぽんと肩をたたいてくれる、そんな映画です。
  • 反戦を訴え逮捕された父べえを 家族で待ち続ける日々 家族の中心となって支える 母べえである吉永小百合さんの 芯のあるあたたかく厳しい母親がいい 美しいです とらえられてしまった旦那さん 家族の事を思ったら 自分の意思を嘘ついてでも 曲げて出てきたらいいのに… なんでこんなに命がけの頑固なの…と 本を差し入れてくれだの… 正直、自分のプライドが捨てられないでいる 結局は家族より自分が一番大事な人なのかなと こんな時代でなければ こんな事もなかったのかなとも思うけど なんか家族の想いもないがしろにしているような この意固地さが不愉快に感じましたが 全体的に美しく描かれすぎている気はしましたが 支えてくれる周りの人々や 当時の世相の哀しさむなしさ、恐ろしさなど やっぱり戦争は嫌ですね。。。 戦争の映画を見ると やり切れなさに胸がいっぱいになります…

参考URL
・youtube.com