永遠のこどもたちのジャケット写真

古く広大な屋敷を舞台に、突然消息を絶った幼い息子と、その行方を探す母親との絆を描くホラータッチのサスペンス。「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロがプロデュース。主演は「美しすぎる母」のベレン・ルエダ。ゴヤ賞7部門受賞、アカデミー賞外国語映画賞スペイン代表選出など、スペイン国内で高い評価を受けた。

監督:J.A.バヨナ、脚本:セルヒオ・G.サンチェス、音楽:フェルナンド・ヴェラスケス、出演:ベレン・ルエダ フェルナンド・カヨ ロジェ・プリンセプ マベル・リベラ モンセラット・カルージャ

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海辺の孤児院

スペインのとある海辺に建つ、今は閉鎖された孤児院。かつてそこで育った女性ラウラは、夫と息子と共にその屋敷へ引っ越してくる。ラウラはここで、ハンデのある子供たちのためのホームを開こうと考えていた。7歳の息子シモンは養子で、しかもHIVポジティブという問題を抱えていたが、ラウラは彼を深く愛していた。引っ越しの翌日、ラウラとシモンは海岸へ散歩に出かけるが、シモンはそこの洞窟で1人の男の子に会ったという。しかし、ラウラの目には誰も見えない。シモンはとても感受性の強い子で、いつも空想上の友達と会話していた。今回もそのせいだろう、とラウラは軽く考える。

後日、ベニグナと名乗る老ソーシャルワーカーがラウラを訪ねて来た。彼女はシモンの治療のことで相談に乗るというが、どうも様子が怪しい。ラウラは夫が医者なので必要ないと追い返すが、その夜、不審な物音に目を覚ます。すると、納屋にひそんでいたベニグナを発見。彼女は逃げ去ってしまうが、その目的は不明だった。ある日、ラウラはシモンの描いた一枚の絵に目を留める。

その絵には5人の子供たちと、頭に袋をかぶった子供が1人描かれていた。シモンに聞くと、彼らと一緒に宝探しゲームをして遊ぶのだという。彼らが宝物をどこかへ隠し、ヒントを読み解いて探し当てれば、願いが叶うのだと。そしてシモンはラウラに、「トマスが僕は本当の子じゃないって言ってた」と告げる。さらに、「トマス」から教えられて、病気のこともすでに知っていると。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=yP5W0NBpfnU

消えたシモン

ラウラはホームで暮らす子供たちを集め、開院祝いのパーティーを開く。しかしシモンは呼びに来たラウラに対し、「トマス」の部屋を見せたいと言い張る。あまりに頑ななシモンに対し、いらだったラウラはつい手を上げてしまい、彼を放ってパーティーへ戻って行く。しかしパーティー会場で不思議な子供を見かけ、ふと不安を覚えたラウラはシモンを呼びに引き返すが、その姿はどこにもなかった。二階にも、階段下の物置にも、家の周辺にも。シモンは忽然と消えてしまったのだ。警察の捜索が始まったが、やはりどこにも見つからない。ラウラはベニグナが怪しいと感じるが、彼女の行方はつかめなかった。

そして半年が過ぎた。周囲の誰もが絶望視する中、ラウラだけはシモンが生きていることを堅く信じていた。シモンの言う「友達のトマス」が、彼を連れて行ったのだと。そんなある日、ラウラは夫と出かけた帰り、偶然ベニグナを見かける。しかし声をかけた直後、車に轢かれた彼女は死亡してしまう。ベニグナの部屋から発見された写真には、あの孤児院と子供たち(ラウラも)、そして職員らが写っていた。

ベニグナは短期間だが、孤児院の職員だったのだ。彼女の息子もまたそこで暮らしていたが、容貌に障がいがあったため、人目を避けて匿われていた。彼の名前は「トマス」。そしてラウラが養子に取られていったあと、悲劇が起きた。トマスは他の子供たちの意地悪により、海岸の洞窟に閉じ込められ、溺死してしまったのだ。トマスは普段頭に袋を被っていたが、その姿はシモンの絵にあった通りで、そしてあの日、パーティー会場でラウラが見かけたものと同じだった。

宝探しゲーム

シモンの存在を身近に感じるラウラは、霊能力者のアウローラに協力を仰ぐ。彼女は能力を使って屋敷を探索し、ある部屋で子供たちの声を聞きつける。それは毒を飲まされた5人の子が、苦しみ、泣き叫ぶ悲痛な声だった。ラウラはそこにシモンがいるかどうかを尋ねるが、突然モニター機材に異変が生じたため、探索は切り上げとなる。戻ってきたアウローラは、シモンがいたかは分からなかったと告げた。「信じれば必ず会える」というアウローラの言葉に勇気づけられるラウラだが、夫のカルロスは不信を隠せない。彼はラウラに対し、シモンのことを諦めるよう諭す。

しかし、ラウラの願いはもう一度息子に会いたいということだけだった。翌日、声が聞こえたという部屋を調べたラウラは、窓際に隠されていた人形を発見。それが「宝探しゲーム」のヒントであることに気付いた彼女は、手掛かりをたどって家中を調べて回る。すると、シモンの宝箱から一つのドアノブが出て来た。ドアノブのない扉を探し回るうちに納屋へやってきたラウラは、かまどの下に落ちていたブローチに目を留める。

それは、あのベニグナがしていたブローチだった。かまどの中を調べてみると、大きな袋がいくつか出て来た。中に入っていたのは、かつてここで暮らしていた5人の子供たちの、焼かれた灰と骨だった…。

明らかになった事実

子供たちはベニグナの復讐に遭い、毒を飲まされて殺されたのだった。ベニグナが忍び込んだのは、遺体の袋を回収するためだった。カルロスはこの家を出ていこうと説得するが、あきらめきれないラウラは、2日だけ自分1人にしてほしいと懇願する。彼女は、死んだ子供たちが何かを伝えようとしていると感じていた。それが分かれば、シモンも戻って来れるはず。屋敷に残されたラウラは、当時よく遊んでいた「だるまさんがころんだ」を、暗い部屋の中1人で始める。

最初の2回は何も起こらない。しかし3回目、振り向くと、閉まっていたはずの向かいの扉が開いていた。さらに続けると、次々に子供たちの影が近づいてきて…。ついに体にタッチされたラウラは、その子供を追いかけていく。するとその子は、階段下の物置に入っていった。その部屋でラウラは、あのドアノブがぴったりはまる秘密のドアを見つける。ドアの奥の地下室は、かつてトマスが隠れ住んでいた場所だった。こここそが、シモンが彼女に見せようとした場所だったのだ。そしてその部屋でラウラが見つけたもの、それは、愛する息子の干からびた死体だった…。

実はシモンが消えたあの日、彼はこの中にいた。そしてラウラは、物置の扉を閉める際、知らずに秘密のドアをふさいでしまったのだ。あまりに残酷な真実を突きつけられたラウラは、もう一度息子に会いたいと強く願う。すると、消えて久しいはずの海辺の灯台が瞬き始めた。そして腕の中のシモンがすっくと立ち上がり、「ずっとここにいて。僕らの世話をして」と彼女にお願いする。いつの間にか、5人の子供たちとあのトマスも姿を現していた。ラウラは息子の願い通り、「永遠のこどもたち」と共にここへ留まることを選ぶのだった…。

永遠のこどもたちの作品情報

永遠のこどもたちのジャケット写真
レンタル開始日
2009/05/22
監督
J.A.バヨナ
キャスト
ベレン・ルエダ フェルナンド・カヨ ロジェ・プリンセプ
上映時間
105分
GEOで購入!
永遠のこどもたちのユーザ評価

評価数:659件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • せっかくリアリティのある人間描写で積み上げて来た物語も、犯人の正体とその周囲の関係性、物語の飛躍のさせ方が余りにも”出来すぎ感”があって、なんじゃそりゃ!?という感じ。作品によってはこういった人物の交錯の仕方もとても楽しめるものなのだが、本作では作為性ばかりが際立ち過ぎて後半からどうでも良くなってしまったなぁ。そもそもこういう観客に指をさす系の映画でここまでリアリティを逸した展開にするのはどうなんだろう。 監督は本作が長編初監督作らしいですが、確かな場面作りの手腕を感じます。たびたび挿入されるホラー演出も物語の不穏さを醸し出していて良かったです。今後の作品に期待です。
  • 全編通してじっとりとした恐怖と緊張が付きまとう。ミステリ要素が強めのホラー。 伏線の張り方と回収がとにかく見事。とても面白かったんだけど、万人に勧められるかと言われると……。 ギレルモ・デル・トロ作品ではやはりパシフィックリムが見やすい。 レンタル開始したばかりの「クリムゾンピーク」の関連作に面でパシフィックリムを展開して、あのギレルモ・デル・トロの最新作! みたいなポップをつけたら回転率が良くなるような気もしますが、いかがでしょうか。
  • ホラー映画と聞くとホラー要素ばかり重視されて中身がイマイチ薄いものが多かったりするイメージがあるのですが、この作品はそれとは逆で、「ホラー」というより、物語の中に登場人物として幽霊が登場しているだけなのかなと思いました。が、驚かすところはしっかり、ベタに(笑)、驚かされるのでそれもまた面白かったです。そして何より伏線回収が素晴らしく、すべてが明らかになったとき、驚きと切なさがハンパなく押し寄せてきました。。物語のラストは、例を挙げるならパンズラビリンスのような、アンハッピーだけどなにか少し安らぎやぬくもりのようなものを感じる最後でした。とても面白かったですまた何度でも観たい!

参考URL
・youtube.com