火花のジャケット写真

又吉直樹の第153回芥川賞受賞作を「月光ノ仮面」の板尾創路の監督・脚本で映画化。売れない若手芸人の徳永は先輩芸人・神谷に魅了され、弟子になりたいと申し出る。神谷は了承し、自分の伝記を書いてほしいと頼む。徳永は神谷との日々をノートに書き綴るが・・・

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:板尾創路
脚本:板尾創路 豊田利晃
原作:又吉直樹
出演:菅田将暉(徳永) 桐谷健太(神谷) 木村文乃(真樹)

徳永と神谷が出会う

徳永(菅田将暉)は中学校時代の友人:山下(川谷修士)とお笑いコンビ:スパークスとして活動をしていました。二人は数年前に芸人デビューをしましたが、未だに売れず知名度はゼロの状態。いわゆる下積み生活を送っていたある日、熱海の花火大会でお笑いライブイベントが開かれるため二人は仕事へ向かいます。そこは簡単に設置された壇上でスパークスは早速漫才を始めますが誰も耳を傾けず、しまいには罵声を浴びられ、極めつけに花火の音やバイクの爆音で声すらかき消される始末。

徳永はイライラしながらライブを終え壇上を降りると、出番を待っていた先輩のお笑いコンビ:あほんだらの神谷(桐谷健太)から「仇取ったるわ」と言われます。神谷は壇上に上がり罵声を発した人たちに「お前は地獄行き!地獄!地獄!地獄!」と指を指しながら叫び、理解不能のコントをしました。ライブ会場にいたお客たちはもちろん、徳永も笑いより唖然とした表情でした。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=i50GA4xI5Cg

神谷に弟子入りする徳永

神谷は主催側から怒られクビにされます。イベント終了後、神谷は徳永に飲みに誘い二人で居酒屋へ行きました。話をしていくうちに徳永は神谷のお笑いに対しての考えに憧れを抱き、神谷に「弟子にしてください」とお願いし、神谷は「ええよ」と了承します。

神谷は条件として「俺の伝記」を書いてもらうことを徳永に言い、そこから徳永はノートに神屋から言われたことを書き残していきます。神谷は大阪、徳永は東京に拠点をおいて活動していたため、なかなか会えないかわりに頻繁に電話をしてノートを埋めていきました。

そんな生活を1年続けていた神谷と徳永は未だに売れていませんでした。そんな中、同期は次々とテレビに出始め焦る徳永、神谷も大阪ではブレイクしないと考え東京へ移動することに決めました。徳永は神谷が東京に来てくれたと久しぶりの再会を喜びます。興奮した徳永は泥酔してしまい神谷のアパートに泊まらせてもらうことになりました。

アパートには真樹(木村文乃)という美人の女性がいて、神谷はヒモ同然の居候をさせてもらっていました。かっこいい神谷の意外な一面を知って徳永は驚きます。

徳永の葛藤

その後も二人は頻繁に会い、居酒屋でお笑いについて熱く語り合います。徳永は悩みごとがある度に神谷に相談しアドバイスをもらう日々を過ごし、ますます徳永は神谷を尊敬し神のように慕います。反対に徳永の相方:山下は芸人としての考えが徳永と噛み合わなくなってきていると思い始めます。

しばらくして徳永は髪の毛を銀色に染めイメージチェンジをします。すると徐々にテレビ出演できるようになりましたが、それは一時的なことでした。一方漫才コンテストに出場したあほんだらは奇抜なコントを披露しますが酷い批判を受けます。

山下は我を通す神谷のことをあまりよく思っておらず、徳永に「売れる気がない神谷さんの影響を受けすぎ」と忠告しますが、それを聞いた徳永は「お前に神谷さんの何がわかんねん!」と大声を上げて反論します。

その後、徳永が神谷と会ったとき、神谷は徳永と同じ服装、同じ銀色の髪になっていました。神谷は「絶対人の真似はしない」と豪語していたにも関わらず少し売れ始めてきた自分の真似をした神谷を見て、これまで信じてた事が裏切られた気持ちになり泣きながら訴えました。それから神谷からの連絡が途絶えてしまいます。

それぞれの道へ

暫く経ってから神谷の相方から「神谷は借金に追われ漫才どころではない」と聞かされます。神谷は後輩と飲みに行ったときはお金を借りてまでして必ず奢っていたのです。神谷は真樹の家も出て借金返済のため姿を消していました。一方徳永は山下の彼女が妊娠したことがきっかけでスパークスは解散することが決定します。そして解散ライブで漫才を始めた徳永は漫才に対しての熱い思い、ファンや山下への感謝の気持ちを叫びながらコントをします。

しかし会場にいた観客は笑いではなく感動に包まれ、山下もツッコミができませんでした。それはまるで熱海で見た神谷の世界観が広がるような空気になっていました。ライブを終え徳永は自分が考える漫才の全てを出し切ったと感じ、10年の芸人生活に終止符を打ち引退します。

神谷と久しぶりの再会

数年後、徳永は社会人として働いていました。そして神谷から突然連絡が入り、久し振りに再会します。驚くことに神谷は胸にシリコンを入れFカップに整形していて「おっさんが巨乳だったら面白いだろ」と徳永に言いますが、徳永は呆れ果て否定をします。落ち込む神谷を見かねた徳永は熱海に行こうと誘います。熱海に着いた二人は師弟関係を始めた思い出の居酒屋へ入り、店内に素人の漫才大会が開かれるポスターを目にします。神谷は徳永に出場しようと誘いますが徳永は断ります。

神谷は「芸人に終わりはない、10年芸人を続けてきた奴は天才ボクサーのようなもので、殴られるほど人を笑わせ幸せにすることができる、徳永みたいなパンチを出せる奴は他にはいない」と神谷は徳永に昔のように熱く語ります。徳永もまだ終わりではない、これから始まるんだと決意を新たにします。そして神谷は「とんでもない漫才が思いついた!」と満面の笑みで話し始めます。

火花の作品情報

火花のジャケット写真

レンタル開始日
2017/11/23
監督
板尾創路
キャスト
菅田将暉(徳永) 桐谷健太(神谷) 木村文乃(真樹)
上映時間
121分
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火花のユーザ評価

評価数:423件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 光の演出と撮り方がとても好きで、
    打ち上げられた花火の軌跡、マッチに灯る炎、安食堂の蛍光灯、クリスマスのイルミネーションなど、その色合いに2人が作者が監督がそれぞれの距離感で見ている情景が重なってきて、胸に迫るシーンがたくさんありました。林遣都の鬼気迫る演技やそれぞれの年代での2人のエピソードが多く描かれているという点で味わい深いドラマ版、菅田くんの子犬のような愛らしさやスタイリングの鋭い切れ味、芸人でもある監督が描くロマンチズムが濃く反映されてる劇場版と比べ見たそれぞれの良さも面白いです。
  • 映画は、同じ芸人出身である板尾創路さんの監督脚本の元で撮られているため興味があり観てみました。
    概ね原作に沿って撮られているものの、笑い有り感動有りで若手芸人の苦悩を赤裸々に描いておりとっても良かったです。
    特に、菅田将暉さんと桐谷健太さんの演技力が映画を際立たせていました。
  • 菅田将暉&桐谷健太コンビの演技が魅せてくれます。また相方役の川谷さんも芸人とは思えない演技を魅せてくれます。

「月光ノ仮面」もオススメ!

ピュアで真っすぐな心をもった徳永を演じた菅田正樹さん、独特な雰囲気で男気がありそうに見えて実は弱い部分もある神谷を演じた桐谷健太さん。その他話題となったのが監督の板尾創路さんです。個性派芸人として定評がある板尾創路さんが手掛けた映像は漫才の見せ方の工夫やお笑い芸人たちの思いが詰まっている作品となっています。板尾創路さんは2011年にも映画「月光ノ仮面」にて監督・脚本・主演をされています。古典落語の粗忽長屋をモチーフに製作されているコメディ映画で、あらすじは戦後に記憶を失った一人の男性が町に現れます。そこには許嫁が戦場に行ったきり戻ってこないことを不安に思っていた女性がいました。その女性はある所持品で許嫁だと思い男を介抱しますが、次第に真実が暴かれ意外なラストとなります。観る方が謎解きをするような感覚で楽しめる内容となっていますのでおすすめです。

月光ノ仮面の作品情報

月光ノ仮面のジャケット写真

レンタル開始日
2012/06/06
監督
板尾創路
キャスト
板尾創路 浅野忠信 石原さとみ 前田吟
上映時間
102分
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月光ノ仮面のユーザ評価

評価数:415件
評価 :★★☆☆☆(2.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 戦後の落語の世界を舞台にした映画。
    板尾監督の映画はとにかくシナリオの説明不足が目立ち、ぶっとんだ最後になることが多いことを踏まえた上で。

    この作品は粗忽長屋という、落語を元にした映画ということもあり、元ネタを知っていないと理解が難しい映画である。
    是非レンタル版に入っている落語を聞いてみてほしい。味わいのある良い一説だ。

    映画自体は説明不足が祟り、シナリオ終盤の展開が理解不能な部分が多い。
    ただ、前述の落語をしっていれば何を表現したかったかは、なんとなく推し量る事は出来る。

    映画自体の表現としては、物珍しい物が多い。
    台詞で語らず、映像の面で表現している部分が多く、視覚的かつイメージ的。
    感覚で映画を見る人にはお勧めできる一作だ。

  • ほとんど言葉を発しない男と、全く言葉を発することが出来ない男たちには、不思議と退屈や苦痛を感じずに、見られていました。寡黙で、表情ひとつ変えず、何を考えているのかわからないような板尾と、話せないけどいつも微笑んでいる感じの浅野忠信に、軽い不気味さを感じながら。BGMでふんだんに使われていたピアノの調べ、ベートーベンの「月光」も好きな音楽だったからかもしれません。

参考URL
・youtube.com