父親たちの星条旗のジャケット写真

一人の老人が最期の時を迎えようとしている。ジョン・ ドク ブラッドリー。1945年、衛生兵として硫黄島の戦いに赴き、そこで撮られた一枚の写真によって英雄と讃えられた男だった。しかし彼は戦争について、写真について沈黙を守り通した。それは何故だったのか?彼の息子が今、真実を辿り始める……

監督:クリント・イーストウッド、脚本:ウィリアム・ブロイルスJr. ポール・ハギス、音楽:クリント・イーストウッド、出演:ライアン・フィリップ(ジョン・“ドク”・ブラッドリー) ジェシー・ブラッドフォード(レイニー・ギャグノン) 

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硫黄島の戦いが忘れられないドク

時は、現代のアメリカ。葬儀屋を営むジョン・ブラッドリー、通称ドクは、若い頃に日本軍と戦った、硫黄島の戦いを夢に見てうなされていました。戦争は、善悪という言葉でだけでは片づけられないと、心に思うドクでしたが、ある日階段で倒れ、死の間際に立たされます。死を目前にしてもなお、戦争のことが頭から離れなかったのです。ドクは、太平洋戦争が行われた1945年、衛生兵として硫黄島での戦いに参加していました。

しかし、戦争について何も語ろうとしませんでした。それは、自分自身のことを英雄として考えていなかったからだと息子にジェイムズが語り始めます。「戦争で行われているのは、信じられないほど残虐な行為だ」と。ベトナム戦争を例に出し、あの日の1枚の写真がアメリカの運命を変えたんだとドクは言いました。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=WQfpHrHx_Oc

硫黄島に星条旗を立てたアメリカ軍の兵士たち

1945年2月、アメリカ軍は硫黄島へ上陸を決行しようとしていました。日本軍とアメリカ軍の力の差は歴然としていたため、スリバチ山さえ制圧すれば簡単に降伏させることができるものと思っていたのです。ドクたちは、硫黄島へ向かう船の中で故郷の恋人や家族を思い浮かべ、複雑な思いを抱きますが、2月19日ついにアメリカ軍は、硫黄島への上陸作戦を実行します。上陸直後こそ動きのなかった日本軍ですが、アメリカ軍に居場所を把握させないうちに次々と攻撃を仕掛けてきたのです。

激しさを増す戦いの中、ドクは仲間のイギーと共に、負傷したアメリカ兵の治療にあたります。そして、硫黄島に上陸して5日目にしてスリバチ山の頂上に星条旗を立てたのです。この写真が、当時の新聞の一面を飾り、アメリカ国民たちの英雄として称えられました。しかし、実際は旗を立てた後も戦いは35日間続いており、戦地で戦った兵士たちは日本兵の恐ろしさを感じていたのです。

英雄扱いされて苦悩するドクたち

星条旗を立てた6人の兵士のうち、生き残ったのはドク、アイラ、レイニーの3人だけでした。帰国した3人は、英雄扱いされるたびに、死んだ仲間たちのことが頭から離れず苦しみます。ある時、本当の英雄は戦地で死んでいった戦士だと多くの国民の前で言い放ちます。

また、亡くなった兵士たちの母親も苦悩を抱えていました。そんな中、新聞に載った星条旗の写真では、一番右に移っていたのはハーロンでしたが、誤ってハンクと記載されてしまいます。ハーロンの母親は息子であることに確信が持てないと言いますが、実際は誤りだったのにも関わらず、国は盛り上がるムードが壊れることを恐れて、誤りを認めようとしません。そこで、次々と国債キャンペーンに借りだされた3人は、大きく運命を狂わせることになるのです。

終戦後のドクたちの暮らし

アメリカ国民が日常を取り戻そうとしていく中、レイニーは恋人ポーリーンと結婚するものの仕事にうまく就くことができず、用務員として生涯を終えていきました。アイラは、ある日アリゾナからテキサスへ旅に出ます。真実を伝えるためにハーロンの父親を訪ねたのです。その後、アイラの行動をマスコミが嗅ぎつけ、ハンクの母親にも真実が伝わりました。

一方のドクは雇い主が引退した後の葬儀社を買取り、葬儀社として残りの人生を歩んでいくことを決めます。しかし、ドクの心の傷は癒えることはありませんでした。毎晩のように親友であるイギーの夢を見続けます。やがて時が経ち、死に直面しても息子に硫黄島で仲間と築いた思い出を語り続けたのです。

父親たちの星条旗の作品情報

父親たちの星条旗のジャケット写真
レンタル開始日
2007/05/03
監督
クリント・イーストウッド
キャスト
ライアン・フィリップ(ジョン・“ドク”・ブラッドリー) ジェシー・ブラッドフォード(レイニー・ギャグノン)
上映時間
132分
GEOで購入!
父親たちの星条旗のユーザ評価

評価数:775件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • アメリカ人にとっては戦争は虚無。日本人にとっては悲劇。本作では前者。姉妹作品の硫黄島では後者が良く分かる。一人の監督でここまで分かりやすく描けるのは凄い。面白いかどうかは別として、メッセージ性は強い。クリントイーストウッドらしい作品。
  • 英雄とは何か…。硫黄島から帰還した英雄と称えられた兵士の心境を知りました。命を犠牲にする行為を理解するために英雄が作られることを理解しなければならない、そのようなことが伝わってきた気がします。この映画は見て損は無いでしょう。
  • 不況や戦時下の国家では情報操作などアタリマエなのでしょうね。戦場をわかりやすいひと言やワンシーンでドラマのように仕立てて資金を集めるとか、選挙で支持を得るとか。 なにやら、いろんな国にあてはめてみて、いろいろ考えさせられる映画でした。

参考URL
・youtube.com