祈りの幕が下りる時のジャケット写真

連続ドラマから始まった東野圭吾原作『新参者』シリーズの完結編。滋賀在住の押谷道子が都内で絞殺される。道子は同級生だった演出家・浅居博美を訪ねようとしていた。不可解な点が多く捜査が難航する中、日本橋署刑事・加賀の亡母と繋がる遺品が見つかる。

出演:阿部寛(加賀恭一郎) 松嶋菜々子(浅居博美) 溝端淳平(松宮脩平) 田中麗奈(金森登紀子) キムラ緑子 烏丸せつこ、監督:福澤克雄、脚本:李正美、原作:東野圭吾

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

絞殺事件の関連性とは?

東京都葛飾区のアパートで滋賀県在住の押谷道子が何者かに絞殺され死体で発見されます。殺害現場となったアパートの住人は越川睦夫という男性で行方不明の状態でした。ちょうど同じ時期に新小岩の河川敷でホームレスの焼死体が発見されます。

当初は事故かと思われていましたが、首を絞めらたあとに焼かれたことが解剖の結果判かり、事件の担当となった警視庁捜査一課刑事の松宮脩平は2つの絞殺事件は何か関係があるのではと疑問に思っていました。事件を調べると、押谷道子は中学時代の友人で浅居博美が演出を担当した「異聞・曽根崎心中」の公演を見に来ていました。

刑事の松宮は従兄弟で日本橋署刑事の加賀恭一郎に事件の相談をし、加賀と一緒に博美に会いに行きます。加賀は以前、日本橋署主催で開かれた剣道教室に博美が子役たちを連れて参加したことで面識がありました。加賀が道子と話の内容を確認すると、博美の母親に会いに行ってほしいとお願いをされたと加賀たちに博美は説明します。

しかし母親は父親:忠雄の財産を全て持ち、しかも多額の借金を残したまま姿を消し、忠雄は借金に苦しみ博美と夜逃げをし自殺をしていたのです。そんな母親に会いたくないと博美は道子の申し出を断っていました。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=XcXaQFv5k9s

謎が多い二つの事件

その後ホームレスに元々住んでいた人物は他の場所で生活していたことが判明。改めてDNA鑑定をしたところ焼死体は越川睦夫だとわかります。こうして2つの事件は結びつきますが、亡くなった二人に接点はなく捜査は混乱してしまいます。唯一手掛かりとなりそうなのは越川のアパートにあったカレンダーでした。

そのカレンダーには月ごとに日本橋にある橋の名前が書かれていて、それを見た加賀は驚きます――なぜなら、加賀の実母である百合子の遺品にも同じように書かれているメモが残っていたからです。

加賀が子供の頃、父親は仕事一筋の警察官でした。百合子は仕事と育児や介護に追われる毎日で、ある日突然家を出ていき離婚をします。そして百合子は仙台へ行きスナックで働き始め、綿部という男性と親密になっていった矢先に心不全で亡くなります。

その後、百合子の遺品を渡された加賀は父親へ遺骨を持って行き、その時父から「百合子はうつ病だった」と初めて聞かされます。遺品のメモと越川のアパートにあったカレンダーに書かれていた筆跡が一致していたため、手掛かりを求め加賀と松宮は仙台へ向かいました。

百合子が働いていたスナックへ向かい捜査をすると、やはり綿部俊一と越川睦夫は同一人物で、さらに綿部は横山一俊と名乗り女川原子力発電所で勤務していました。こうして横山一俊、綿部俊一、越川睦夫は全て同一人物であることを加賀はつきとめます。

浅居博美の過去

東京に戻った加賀は、橋洗いという行事が毎年行われていることを思い出し写真を調べてみます。すると、そこに博美が写っていたため越川と繋がりがあると考えます。さらに道子と博美の中学時代の教師:苗村誠三が行方不明という情報が入り警察は関係を必死に調べていました。そして捜査をしていくうちに加賀の読みは当たります。事件の始まりは博美が父親の忠雄と夜逃げをしていた時でした。

博美は男性に襲われそうになり、咄嗟に抵抗したとき運悪くその男性は死んでしまいます。実はその男性こそ横山一俊でした。忠雄は自分が死んだことにして、横山一俊になりすませば借金に苦しむことがなくなる、何より博美を助けられると思い、博美を説得し行動を実行します。

その後忠雄は名前を綿部俊一に変えてからも、時々博美と連絡を取っていました。しかし博美が有名になってきたことで自分の存在が公になれば迷惑がかかると感じ、月に1度だけ橋の下で川を挟んで博美と携帯で会話をしていたのです。

カレンダーに書いていた橋の名は愛する娘との再会を心待ちにしている父親のメモでした。さらに加賀の母親:百合子の恋人だった綿部(忠雄)は博美の協力もあり加賀を探していました。百合子が亡くなった時に加賀に連絡がきたのは綿部(忠雄)のお陰だったのです。

忠雄の正体

その後、綿部は越川に名前を変え東京へ向かいます。行方不明中の苗村は博美が施設に入ってからもずっと寄り添い心の支えとなり、二人は恋人同士となりましたが、博美が女優になるため上京した後も苗村は自ら離婚をして追ってきました。その頃博美は苗村への気持ちは冷めていて鬱陶しく感じていたある日、博美と忠雄の関係がバレてしまいます。

忠雄は博美のために苗村を殺害することを決意。そして迎えた博美が演出を担当した公演の日――忠雄は博美の晴れ舞台を一目見ようと公演会場へ足を運んだ時に、道子に声を掛けられ問い詰められます。忠雄はどうすることもできず、博美を守るために道子も殺害してしまいました。

講演後、博美は約束の橋に行き忠雄と話をしますが、忠雄の様子がおかしいと気づき、黙って忠雄の跡を追っていくことにします。すると忠雄が新小岩の小屋に入っていくのを目にします。そこで博美は忠雄が犯した犯罪の全てを告白されました。すると忠雄は灯油を被り自殺しようとします。

ところが博美が「私が隠してあげる」と言い説得します。しかし忠雄は「もう疲れた、楽になりたい。だけど後悔はしていない。楽しい思い出も残せた、博美のお陰だありがとう」と言い2人は大粒の涙を流します。

究極の家族愛とは

すると博美は忠雄の首に手を回します。忠雄は「ありがとう博美」と言い博美の手によって死をむかえました。その光景はまるで「異聞・曽根崎心中」のラストシーンのようでした。そして博美はロウソクに火を灯し小屋を去りました。こうしてDNA鑑定の結果、親子だと判明した博美は逮捕されました。

その後、博美は忠雄から預かっていた手紙を加賀に渡します。手紙にはうつ病のせいで無意識に包丁を握っていたことに気が付き、息子(加賀)を傷つけてしまうのではと怖くなり家を出た事、自分のせいで父親との関係が悪くなっていないかと心配してたが同じ警察官の道を選んでいたことを知った時、今まで見せたことがない笑顔で笑っていた事など百合子のことが細かく残されていました。加賀はずっと疑問に思っていたことを知ることができました。

祈りの幕が下りる時の作品情報

祈りの幕が下りる時のジャケット写真
公開日
2018/01/27
監督
福澤克雄
キャスト
阿部寛(加賀恭一郎) 松嶋菜々子(浅居博美) 溝端淳平(松宮脩平) 田中麗奈(金森登紀子)
上映時間
119分
GEOで購入!
祈りの幕が下りる時のユーザ評価

評価数:362件
評価 :★★★★☆(4.2/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 試写会に当たり、公開前に見に行ってきました。 新参者シリーズはドラマも映画も欠かさず見てきて、大好きなので楽しみにしていました。 加賀さんのベースにある家族、親への強い想いが思いがけない形で浮き彫りになっていくシーンは食い入るように見入っていました。 親子がお互いを思い、気にかけ、愛するがゆえに人の道を外れてしまう行動に移してしまった時、親が、子が、何を想い、大切にしたいと願うか。愛する家族のために、どう支え、どんな距離感で、どのように愛情をかけ見守っていくのか。 家族、親子の繋がり方について、愛情のさまざまな形について、たくさんのことを突きつけられ、考えさせられ、涙なしには見られなかった映画でした。 最後に流れるJUJUさんの切ない、胸を締め付けられそうな歌声に、歌詞の世界に、堪えていた涙が止まらなくなってしまいました。
  • 東野圭吾さんの作品は本当によく練られていてムリも無駄もない。 どれを見てもハズレがないし 大事な事を気付かせてくれ 考えさせてもくれる。 今回は今までのベールに包まれた部分がスッキリと繋がり 今までの作品をもう一度 見直してみようかなとも 思わせてくれる。 俳優もそれぞれの味が出ていたのと 阿部ちゃんの身長の高さを笑ったりで十分満足しました。
  • 東野圭吾ファンなら必見の映画。しかし読んだことも、観たこともない方にもストーリーの構成と豪華キャストによって、十分楽しめる内容になっています。私自身も、前作を観直すこともなく、本も読み直すこともなく、映画館に直行したのですが、俳優さんの熱演を観てるだけで、とても楽しめました。 また、東京の日本橋近辺が舞台になっているので、観光にも良いロケーションを堪能できますよ。

「新参者」シリーズの「麒麟の翼」もオススメ

大人気小説家:東野圭吾さんの「新参者」シリーズの謎が解決された映画「祈りの幕が下りる時」。様々な謎や家族の愛が詰まった感動の映画となっています。映画では主人公の加賀恭一郎の母親の失踪原因と事件の関係性がじわじわと分かってくるシーンが見どころの一つとなっています。映画のキャストも豪華で浅居博美役を演じた松嶋菜々子さんの気迫ある演技が素晴らしく話題を呼びました。東野圭吾さんシリーズの前作は2012年に公開された「麒麟の翼」です。ストーリーはドラマ新参者の続編として構成されていて、なんと言ってもキャストが新垣結衣さん、松坂桃李さん、菅田将暉さんなど大人気俳優さんが勢ぞろいしています。映画「麒麟の翼」でも意外な人物が犯人だったり、被害者家族が様々なバッシングをされたりと展開が楽しめる映画となっているのでまだご覧になっていたない方におすすめです。

麒麟の翼 ~劇場版・新参者~の作品情報

麒麟の翼のジャケット写真
レンタル開始日
2012/07/27
監督
土井裕泰
キャスト
阿部寛 新垣結衣 溝端淳平 中井貴一 松坂桃李
上映時間
129分
GEOで購入!
麒麟の翼 ~劇場版・新参者~のユーザ評価

評価数:5012件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 新参者が好きなので、今回の映画を観る前に、と借りました。 以前観たことがありましたが、また泣いてしまいました。 切なくて温かい映画でした。ドラマも映画も最高です。 因みに『祈りの幕が下りる時』も良かったです。
  • ドラマよりも面白かった作品です。日本橋にある麒麟の翼が象徴的な核に描かれていて、改めて日本橋に見に行きたくなった程でした。人間模様や謎の描きかたも好きな展開で進み、阿部寛の演技もとても良かったです。
  • 中井貴一の切ない親心が 感慨深く 阿部 寛と溝端淳平とのやり取りも 見所です。思わず 麒麟の日本橋へ出向いてしまいました。

参考URL
・youtube.com