空気人形のジャケット写真

2009年に公開された是枝裕和監督の映画。第62回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門へ正式出品。R-15指定。 独身男性が愛用するラブドールが心を持って外へ出歩き、レンタルビデオ店の男性に恋をする。同時に、街に存在する様々な綺麗なもの、空虚な人間達に触れ、人形である自分自身の意味を考えるようになる。退廃的な都会や人間の風景、時にR指定のシーンまで描きながら、どこかファンタジックな空気も漂う作品となっている。

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空気人形のネタバレあらすじ-1:心を持ったラブドール

ビルや住宅が立ち並ぶ都会の、古びたアパートに住む中年男性である「秀雄」は、仕事から帰宅するとラブドールの「のぞみ」に話しかけ、食卓や入浴を共にし、性交し、朝が来る。ある日、秀雄が朝に仕事へ出ると、ベッドに残されたのぞみの手足が動き出す。ベッドから出たのぞみは自ら窓の外へ手を伸ばし、落ちてきたしずくを見て「キレイ」とつぶやいた。

裸だったのぞみは部屋にある様々な服を試着し、選んだメイド服を着て外へ出る。少しぎこちない動作で外へ出る。のぞみにとっては見えるもの聞こえるものが全て新鮮だった。ゴミ集積所を不思議がったり、警察官ととりとめのない話をしに交番へ向かう未亡人の後をついていったり。そして入ったレンタルビデオ店で、店員の純一に恋をする。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=If0tshEMfK4

空気人形のネタバレあらすじ-2:恋に幸せを感じつつ人形である空虚さを感じとる

のぞみは純一の働くレンタルビデオ店でアルバイトをするようになる。ビデオ店では、純一や店長に映画のことなどを教えてもらいながら働き、夜にはいつものように秀雄のラブドールとなっていた。しかし、心を持ったのぞみは、秀雄との行為にも抵抗感を持つようになる。夜の公園へ連れ出され、恋人同士のようにベンチに座りキスを迫られた時には、秀雄が気づかないくらいわずかに顔をそらすような動きもするようになった。

店で働いてる時にのぞみが海を見たことがないと言ったことから、純一とのぞみは一緒に海へデートに行く。夜にレストランへ入ると、父親と2人で来ている人形を持った少女が、誕生日を祝われているのを見る。純一にどういうことかを尋ね、誰にでもあるという誕生日が、自分には思い当たらないことに気づく。

ある時、のぞみは外で座っている昔は国語の代用教員をしていたと老人に、吉野弘の詩「生命は」を教えられる。老人も、老いて死へ向かっていることを恐れていると言う。そして、世の中に生きている人、特にこういう街に住んでいる人々は、空っぽで虚しさを感じている人が多いと聞くのだった。

空気人形のネタバレあらすじ-3:代用品の登場

そんなある日、ビデオ店で仕事をするのぞみが、脚立から落ちて手に傷をつけ、空気が抜けてしまう。駆け寄る純一にのぞみは「見ないで」と言ったが、純一は冷静に傷をセロハンテープで塞ぎ、へその栓から息を吹き込んだ。正体を知っても変わらない純一に、のぞみが自分は中身が空っぽであることなどを話すと、純一は「そういう人けっこういる。僕も同じようなもの」と話す。外を歩くのぞみは純一の息が吹き込まれている実感し、幸せな気分になる。純一の部屋で見た元彼女の写真に、少し嫉妬はしたが。

一方で、秀雄との生活に嫌気が差し、ついに押し入れに隠れる。押し入れの外からは、秀雄は母親が捨てたのだと思い込み電話で抗議していた。そして、のぞみは出歩く時に使っていた空気入れも捨てる。

ある日、ビデオ店で働くのぞみの前に、秀雄が客として現れる。それを見たビデオ店の店長は、秀雄が以前のぞみを外へ連れ出していた場面を見ていたことをのぞみに告げ、純一のことを持ち出して脅し、身体の関係を持つ。のぞみは「私は空気人形、性欲処理の代用品」といつも心の中で繰り返していたセリフを再びつぶやく。

再び秀雄の家の押し入れに隠れていたのぞみが楽しそうな声に出て行くと、そこには新しい人形があった。心を持って動くのぞみを見た秀雄は、元の人形に戻ってくれと頼む。怒ったのぞみは家を出て行く。

空気人形のネタバレあらすじ-4:悲劇的な最期と幸せな夢

のぞみは自分を作った人形師に会いに行く。人形師はのぞみに「おかえり」と言って迎え、なぜ心を持ったのか問うのぞみに、「それは僕もわからない」と答えた。生まれたこと、心を持ったことにつらさを感じるのぞみに、世界は汚いものばかりだった?綺麗なものもなかった?と問う人形師。のぞみは生んでくれたことに感謝し、人形師と別れる。

のぞみは純一のもとへ行く。「何でもする」というのぞみに、純一は「君にしかできないこと」と言って、のぞみの空気を抜かせてほしいと言う。また自分が息を吹き込んであげるから、と言って行為に及ぶ。

終わった後、隣で眠る純一。のぞみは純一の腹に包丁で傷をつけ、「栓はどこ?」と尋ねた。苦しむ純一に、自分がやってもらったように息を吹き込もうとする。だが純一に息は吹き込めず、のぞみは純一をごみ袋に入れて集積所に出し、自分もゴミの山に横たわった。出会った人々から、自分の誕生日を祝われている夢をみながら。

空気人形の作品情報

空気人形のジャケット写真
レンタル開始日
2010/03/26
監督
是枝裕和
キャスト
ペ・ドゥナ ARATA 板尾創路
上映時間
118分
GEOで購入!
空気人形のユーザ評価

評価数:612件
評価 :★★★☆☆(3.4/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 空っぽの身体に純粋で暖かい心を持ったラブドールと現代を生きる空っぽの心を持った人間との恋。ラストが衝撃的すぎて虚しいような悲しいような気持ちに…考えさせられる映画でした!
  • 画の作り方とか、演技、脚本、全てにおいて、素晴らしかった。最近みたなかでも、トップ。コミックもみたいと思った。邦画では珍しくSFドラマで、大好きな映画の[マネキン]を彷彿とさせられた。ペドゥナさんが素晴らしかった。あちらの方々の演技にはいつも驚かされます。好きな映画10本に入りました。
  • ペ・ドゥナの演技力がすごいです。よくぞこの映画に出てくれた、という感じ。そして、おかっぱのペ・ドゥナがめちゃくちゃかわいいです。

参考URL
・youtube.com