聖の青春のジャケット写真

難病と闘いながら将棋に情熱を注ぎ、1998年に29歳で早世した棋士・村山聖の生涯を追った人間ドラマ。幼少の頃からネフローゼという腎臓の病を抱える聖は、将棋に没頭。最高峰の名人位を目指し、周囲に支えられながら、命を削るように将棋を指し続ける。第13回新潮学芸賞、将棋ペンクラブ大賞を受賞した同名ノンフィクションをベースにした作品。

監督:森義隆、原作:大崎善生、脚本:向井康介、出演:松山ケンイチ(村山聖) 東出昌大(羽生善治) 染谷将太(江川貢)

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

七段に昇格した聖

主人公の村山聖(松山ケンイチ)は自宅を出た後、具合が悪くなりごみ捨て場の横でうずくまっていました。その時電気工事屋のおじさんが聖を見て、最初は酔っぱらいかと思い声を掛けますが返答がなかったため救急車を呼ぼうとします。しかし聖はおじさんの足を持ち、転んでしまったおじさんに「関西将棋会館に連れて行ってください」とお願いします。おじさんは聖を軽トラに乗せ会館へ向かい、肩を担ぎながら対局室まで連れて行きました。

聖はなんとか開始時間に間に合うことができ、座ってすぐに田中六段との王将戦が始まりました。連れてきてくれたおじさんは「あの兄ちゃんは何者なんだ?」と言い、不思議そうに会館を出ていきます。その日の王将戦は聖が勝ちました。翌日の朝、同じ奨励会に所属する江川(染谷将太)が七段昇格パーティーへ一緒に行こうと聖を迎えに来ました。

聖は対局がない日は一日中部屋にこもり、数千冊もの漫画を読むのが日課でした。そしてこの日も江口が会場へ早く行こうと急かしても、聖は大好きな少女漫画「イタズラなkiss」を読み続けます。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=9KRblK92ubw

ライバルと念願の対局、果たして結果は?

ようやく会場に到着した聖は笑いをとりながら挨拶をし、心の中では師匠である森信雄(リリー・フランキー)に感謝をしていました。同じ頃、最大のライバル:羽生善治(東出昌大)は名人位を含め5冠を達成していました。その後とうとう王将戦の予選にて羽生と対局する日がやってきます。

結果は126手で聖は羽生に負けてしまいました。聖は激しい戦いを終えた後は必ずと言っていいほど高熱を出していました。原因は幼少期から患っているネフローゼという腎臓病。聖は遊び盛りの時期を病院内で過ごしていたため自暴自棄になっていた聖を見た父親:伸一(北見敏之)が将棋をプレゼントしました。それから聖は将棋の魅力に取りつかれていき、入院中に何度も友達と対局しあっという間に強くなっていきました。

退院後、森師匠の弟子入りをしてから当時では史上最年少という異例の早さでプロ棋士となります。その間、森師匠は師弟関係以上に家族のように聖を見守り支えてきました。そして現在、聖は寝込んでいたときに森師匠に「東京へ行きたい」と決意を伝えます。

夢を追いかける聖

森師匠はすぐに世話役として将棋ライターをしている橋口(筒井道隆)を紹介し、母親:村山トミコ(竹下景子)や森師匠や橋口の助けもあり東京での生活に慣れていきました。シャイで奥手な聖にも荒崎(柄本時生)や橘(安田顕)という将棋仲間もでき、どんどん実力を発揮していきます。一方で羽生は将棋界全てのタイトルを制覇し7冠へ到達していました。

そんなある日、聖は道端で突然倒れ、医師から進行性の膀胱癌であることを告げられます。医師からは一刻も早く手術をするよう言われましたが、ショックで現実を受け入れられない聖はふらっと大阪へ帰り、馴染みの店を周った後、関西将棋会館へ向かいます。そこには明日の一戦で負けるとプロへの道が絶たれてしまう江口がいました。

聖は稽古をして激励しますが、翌日江口は対局中に鼻血を出すハプニングもあり負けました。その夜、江口と聖と森師匠の3人で飲みに行き、落ち込みながらも将棋をやりきったと言った江口。しかし命を懸け将棋と向き合っている聖は江口の言葉が許せず暴言を吐き、怒った江口は聖を殴り立ったまま泣いていました。

夢の対局、そして残酷な現実

東京に戻った聖は羽生とのタイトル戦に挑み、見事聖は勝利します。その後、聖は羽生を誘い二人でお酒を飲みながら話をします。しかし趣味は全く合わず、唯一合うことは将棋だけでした。そして聖は「羽生さんの見ている海はみんなと違う」と言い、羽生は「村山さんと一緒ならそこから見える景色に行けそうな気がする」と返答しました。

最後に聖は「一緒に行きましょう」と嬉しそうに答えます。その後、病院へ行き検査をすると癌がステージ3Bまで進行していて前立腺と膀胱を切除しなければ余命は3ヶ月、しかも術後1年は復帰は不可能と言われ聖はショックを受けます。初めは何とか将棋を続けようと試みますが、どんどん体調が悪化しA級から降格した事と両親や森師匠から説得されたため手術することを決意します。

そして何時間にも及ぶ大手術は成功します。手術後、実家の広島で療養生活を送っていた聖は父親にこっそりと「俺が死んだら密葬してほしい」と伝え、深夜に一人で将棋を指し始めます。それを見た母親は陰で泣き崩れました。

最期まで将棋を愛した聖

医師の反対を押しきって聖は将棋をすぐに再開し、B級から瞬く間にA級へ復活しました。そして復帰戦に挑んだ聖の相手は羽生でした。その対局は異例な光景で、緊急時に備えナースが待機していました。聖と羽生の対局は深夜までおよび、聖が優勢かと思われていましたが痛恨の角打ちで負けてしまいます。

対局後、癌が肝臓に転移していたため聖は休場を決め、治療に専念します。しかし容態は悪化し続け、薄れゆく記憶の中で将棋を口ずさむ聖は「2七銀…」と最後に言い、29歳の若さで亡くなりました。

聖の死後、橋口は命を懸けて将棋と向き合った聖の追悼記事をまとめ、橋口と同じ職場に就職した江口が追悼記事を橋口から預かります。江口が自転車で将棋会館を出ようとしたとき外で聖が笑っているように見えました。しかし聖はもうこの世にはいません、江口は自転車をこぎ始めます。

聖の青春の作品情報

聖の青春のジャケット写真
レンタル開始日
2017/04/01
監督
森義隆
キャスト
松山ケンイチ(村山聖) 東出昌大(羽生善治) 染谷将太(江川貢)
上映時間
124分
GEOで購入!
聖の青春のユーザ評価

評価数:1454件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 公開中は絶対観たいと思いながらも、あっという間に上映終了で、レンタルを待ちわびていました。 もし村山八段が今も棋界にいたとしたら‥‥。 将棋に人生を捧げた彼を思うとき、生きる意味を考えさせられる作品です。
  • 今の将棋フィーバーの陰にはこんな人がいたのかと知れる映画。 羽海野チカの三月のライオンにも似たような設定の子が出ていますがおそらく村山聖さんをモデルにしているのでしょう。 松山ケンイチ、東出昌大の演技は今までそんなに好きではなかったのですが今回はとても良かったです! 特に羽生さんの仕草などがとても似ていたと思います。 将棋のことを全く知らない人には楽しめるかどうか分からなかったので駒の並べ方くらいは覚えて観ることをオススメします。
  • 聖の女性観や性についての台詞で少し品のない台詞が2回ほどあったのが残念でした。その台詞がなければ、羽生と将棋の深さを追求した聖のpureな生き様の品が保てたと思う。完全なノンフィクションではなく一部をフィクションにしたのなら、作品の品を落とすシーンはなくて良かったと思う。ただ、羽生と聖の目指した将棋の世界観が素晴らしかった。きっと病気としっかり向き合って人生を諦めずに生きていたら、聖も名人になれていたのではないかと思えた。村山聖の将棋に人生をかけた生き様が、将棋の奥深さを我々に改めて教えてくれたような気がします。

将棋を題材にした作品「3月のライオン」もオススメ!

村山聖さんの生涯通算成績は356勝201敗(うち不戦敗12局)で羽生との対戦成績は6勝7敗でした。聖さんを演じた松山ケンイチさんは当時を再現するために20キロも体重を増やしたり、羽生善治を演じた東出昌大さんは癖や表情など忠実に再現されていたこが話題となりました。最近では史上最年少でプロになった藤井聡太さんの活躍もあり空前の将棋ブームとなっています。その他将棋を題材にした映画が観たい方におすすめなのが2017年に公開された「3月のライオン」です。コミック、テレビアニメで話題となり、実写版映画(前編と後編)が公開されました。悲しい出来事から物語が始まり、心に穴を開けながら将棋と向き合っていくストーリーとなっています。キャストは主人公を演じた神木隆之介さんや有村架純さんや倉科カナさん、伊藤英明さんなど素敵な俳優さんがたくさん出演されています。将棋に詳しくない方でも楽しめる作品となっていますのでぜひご覧ください。

3月のライオン 前編の作品情報

3月のライオン 前編のジャケット写真
レンタル開始日
2017/09/27
監督
大友啓史
キャスト
神木隆之介 有村架純 倉科カナ 染谷将太 清原果耶
上映時間
139分
GEOで購入!
3月のライオン 前編のユーザ評価

評価数:2717件
評価 :★★★★☆(4.0/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 原作が大好き過ぎて、映画を辛口に観ちゃうかもと思ってたら、原作の登場人物達やエピソードを丁寧に大切に作られたことが伝わってきてとても嬉しかったです。神木隆之介くんの演技もすばらしかった(*^^*)将棋が一切分からない私にも、白熱の試合の緊迫感が伝わってきました。
  • 見応えのある作品に出合いました。140分の長い時間が全く気にならず、後編も早く観たいと思わせるのは、よほど作品に引き付ける魅力があるのでしょう。豪華俳優を配置し、その誰もが演技ではなくてまさしく勝負の鬼と化した棋士に見事になりきっています。有村架純 も今までとは違った役柄をこなし、新しい境地を見せています。 映画自体は、単なる青春ドラマやスポ根 物ではなく、重厚で深みのある人間模様を描いているヒューマンドラマです。華やかな表の勝負の世界だけでなく、ひとりひとりがその裏で、どんなにもがき苦しみ悩みながら戦いの舞台に上がっているのかを繊細に描いており、本当に見応えのある内容でした。前編の内容をもう一度しっかりおさらいして、いよいよ後編を楽しみに観たいと思います。
  • なんとも繊細に心を語る作品なんでしょうか。 主人公の心にどんどん引き込まれていきます。 ささやかな人の気持ちを大事に気にして生きている人は必ず共感するでしょう。

参考URL
・youtube.com