誰も知らないのジャケット写真

2004年に公開された是枝裕和監督の名が広く知られるきっかけになった映画。当時14歳の柳楽優弥が、第57回カンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を獲得したことでも話題になりました。実際の事件をモチーフにしつつ、是枝監督らしく淡々とした展開が続く作品に仕上がっています。それでは物語のあらすじネタバレをどうぞ!

監督:是枝裕和、脚本:是枝裕和、キャスト:柳楽優弥 北浦愛 木村飛影 清水萌々子 韓英恵 YOU 平泉成

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

誰も知らない生活が始まる

映画の冒頭シーンは、夜の街を走るモノレールの車内から始まる。隣り合って乗車してはいるが、無言の少年と少女。少年は汚れた服装と手で、スーツケースを大事そうにさすっていた。

とあるマンションの玄関。母「福島けい子」と息子の「明」が、大家に挨拶をしていた。主人は海外勤務であり母子2人で引っ越してきたと言うが、スーツケースに入り隠れて移動してきた次男「茂」と次女「ゆき」、一人で電車移動してきた長女の「京子」もいた。だが、以前に部屋を追い出された経験から、母は子ども達に約束をさせる。それは、家で騒がない、明以外は外に出ないということだった。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=-L6iKhtezaE

帰ってこなくなった母親

母が働きに出ている間は、明が買い物と夕食作りや弟妹の世話をし、京子は洗濯を担当。だが、明も京子も学校に行っていなかった。京子は学校に行きたいというものの、母は学校なんて行かなくていいと言う。それでも母子は、仲よく暮らしていた。ある日けい子は明に、自分に好きな人ができたと告げる。「また?」と返す明に、けい子は、今度の人と結婚できれば、学校にも通うことができ、京子もピアノが弾けるから、もう少し待ってと言う。

けい子が夜遅くに誰かに送られて帰宅するのを、明が見た頃。突然、明に弟妹達を頼むという手紙と万札を残して、けい子は姿を消した。一か月後にはその金も減り、明は、けい子と交際のあったらしい男性達に金をもらいに行く。

そんな時、突然けい子が帰宅。無邪気に母の帰宅を喜ぶ茂とゆき。一方、明と京子は複雑そうな表情だった。しばらく子ども達と触れ合うけい子だったが、夜にはまた出ていってしまう。

子どもたちは外と触れ合うようになる

クリスマスに帰ると言ったけい子は、ついに帰ってこなかった。明はけい子からの現金書留に記された住所で調べた番号に電話をかける。が、電話に出た母の声は、別の名字を名乗っていた。明はぼう然とし、無言で電話を切ってしまう。

けい子はゆきの誕生日にも帰宅せず、迎えに行くと言ってきかないゆきを連れて、明とゆきは駅へ行く。だが夜まで待っても母は帰らなかった。通り過ぎるモノレールを見ながら、明はゆきに「いつかモノレールに乗って飛行機を見に行こう」と言うのだった。次第に生活費は足りなくなり、コンビニでアルバイトを頼んでも、働ける年齢に達していないと断られる。それでも明は、警察や児童相談所を頼れば4人で暮らせなくなるから嫌だと考えていた。

春。明以外の子ども達も、ついに外へ出た。のびのびと外で楽しむが、生活は苦しく、家の電気や水道が止められてしまう。公園でトイレを利用、バケツに水をためて部屋へ運び、コンビニで廃棄される食品をもらっての生活。そんな時、いじめを受けて学校へ行かず公園で過ごす中学生「水口沙紀」と知り合う。沙紀は明達の部屋に来るようになるが、援助交際で得た金を渡そうとして明に拒否されたことで、交流が途絶える。

それでも子どもたちは、誰にも知られずに生きていく

夏になっても状況は変わらず、いらいらして外へ飛び出す明。少年野球を見ていると、チームの監督から声をかけられ、チームの欠けた一人の代理で試合をした。

充実した時間を過ごした明だったが、帰宅すると、ゆきが椅子から落ちて動かなくなっていた。公衆電話からけい子に電話するも出たのは男性で、母に代わる前に小銭は切れてしまう。

明は沙紀に会い、お金を貸してほしいと頼む。コンビニでゆきの好きだったアポロチョコを買い、夜の暗い部屋の中でゆきをスーツケースに入れ、モノレールに乗り込んだ。空港近くの場所で、沙紀とともに穴を堀り、スーツケースを埋める。泥だらけになった2人は、無言のまま朝焼けの街を帰宅した。

そして、また子ども達だけの生活が始まる。ゆきを失った子ども達に、沙紀の姿が加わっていた。

誰も知らないの作品情報

誰も知らないのジャケット写真
レンタル開始日
2005/03/11
監督
是枝裕和
キャスト
柳楽優弥 北浦愛 木村飛影
上映時間
141分
GEOで購入!
誰も知らないのユーザ評価

評価数:1078件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 同じ国の中であってもどういう親の下に生まれるかで天と地ほどの差があるのだなと痛感させられる。 事件として表に出てきているから認知されているものの似たようなケースはまだ日本に幾つもあるのではないか。 考えるところは幾つもある。
  • 子どもと、そして私たち大人と向き合わせられる作品でした。とにかく悲しくて、重くて、苦しい。実話をもとにしたお話だなんて信じたくないし、実話はもっと残酷なものだったんだろうなと思うと息ができなくなる。でも、こんな現実があることを私たちは知らなければならないと思います。人生で一度は観るべき作品です。
  • 酷い悪意のある者が居ないのにもかかわらず最悪な状況に進んでしまう恐ろしくリアリティのあるストーリーになっている。YOUの演じる母親の悪意も責任感も罪悪感さえ無い生き方も現代的な現実感があり不気味だ。悲惨な状況にある子供達を楽しそうに描いているところも凄いが、一気に観るには覚悟が居るかもしれない。

是枝監督ならではのカメラワークは必見!

この映画では、子どもには台本を渡さず、撮影日に「今日はこういうのを撮る」と伝え、カメラを回しっぱなしにするという方法で撮影したという。このような独特な手法は、「DISTANCE」(2001年)「ワンダフルライフ」(1999年)「奇跡」(2011)でも使われている。当時の是枝監督作品は国内より外国の映画祭で評されることが多かったが、「誰も知らない」以降、是枝監督は国内でも著名な映画監督の一人となった。カンヌ国際映画祭では、「そして父になる」も審査員賞を受けている。

そして父になるの作品情報

そして父になるのジャケット写真
レンタル開始日
2014/04/23
監督
是枝裕和
キャスト
福山雅治 尾野真千子 真木よう子 リリー・フランキー
上映時間
121分
GEOで購入!
そして父になるのユーザ評価

評価数:13416件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • すごく難しい映画だと感じてます。親の立場や子供たちのことを考えたらといろんな意見があります。そんな中で福山雅治さんの父親役は葛藤などがあって見所だと思います。
  • 見た後すごく考えさせられる映画でした。もし自分がこの映画の立場におかれたら…と考えてしまいました。産みの親か育ての親か…。とても難しいテーマの映画だけど心に残りました。
  • なかなか考えさせられる映画でした。観る前は安易に実の子を選ぶだろうと考えていましたが、映画を観て真剣に考えると選べない自分がいました。上辺では答えの出ない難しい問題に直面し、良い刺激になりました。

参考URL
・youtube.com