追憶の森のジャケット写真

富士山麓に広がる青木ヶ原樹海を舞台に、ガス・ヴァン・サント監督が豪華スターを迎え紡いだミステリードラマ。死に場所を求めて樹海に入ったアメリカ人男性が、瀕死の男性を助けようと出口を探しさまよう中で、人生を見つめ直していく。

監督:ガス・ヴァン・サント、出演:マシュー・マコノヒー(アーサー・ブレナン) ナオミ・ワッツ(ジョーン・ブレナン) 渡辺謙(ナカムラ・タクミ)

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

青木ヶ原樹海に向かうアーサー

アメリカの空港で手続きを行う男アーサーは、どこか心がよそを向いたような表情をしています。日本への長旅なのに、荷物はほんの少しだけ。東京に着いたアーサーが新幹線とタクシーを乗り継いで向かったのは自殺のメッカとも言われている「青木ヶ原樹海」でした。

樹海の奥深くをしばらく歩くと静かに座り、“ジョーンへ”と書かれた小包みを隣に置いて、大量に用意した薬を1つずつ飲んでいきます。

するとアーサーの目の前に、フラフラと歩く1人の日本人男性が。ついには倒れ込み、アーサーは声をかけるしかありません。男は「ここから出られない」と訴え、アーサーは真っ直ぐ歩くよう促します。もとの場所へ戻ろうとしたアーサーですが、どういうわけか自分の居場所がわからなくなってしまいました。

森のなかをさまよっていると、またもやあの男が。2人で出口までの道を探すことになるのでした。男は2日前から森に閉じ込められたと言い、樹海に入った動機が会社での扱いによるものだと語ります。

暗くなりつつ森のなかで、何やら奇妙な声が響きます。男は「あれはタマシイだ」と話しますが、アーサーはそれを理解できません。男の考え方に腹が立ったアーサーは1人で立ち去りますが、その先で足を踏み外して大けがを負ってしまうのでした。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=C-lsZMBEQtY

タクミの過去と「楽園への階段」

日本人の男に助けられたアーサーは、男ともう一度行動を共にします。名前を尋ねると、男は「ナカムラ・タクミ」と名乗り、キイロという妻、フユという娘がいることも語りました。

暗くて寒い森のなかで、タクミは岩の上に咲く1輪の花を見つけます。そして「霊があの世に行くとき、花が咲くと言われているんだ」と話すのです。

タクミは寒さに震えながら、アーサーに「楽園への階段」という歌の説明をします。ラクエンは素晴らしい場所であること、カイダンはそこまでの道のりだということ。

そんなとき、急な雨が2人の体を濡らします。タクミは衰弱していて、アーサーの助けなしには歩けないくらいです。なんとか2人で歩みを進めると、小さなテントを見つけます。中には白骨化した遺体が横たわっていますが、動揺する暇もなく、服をはぎ取って冷え切った体を温めようとするのでした。

樹海へ招かれたアーサーの過去

テントの中の遺体近くにあったカバンから、懐中電灯や無線機が見つかり、さらにライターで火を起こすこともできたのです。

2人で十分に温まりながら、タクミはアーサーに「何かの理由があって、この森に引き留められている」と話します。するとアーサーは初めて自分を名乗り、妻との過去を語るのです。ジョーンという名の妻が2週間前に亡くなったこと、自分の浮気が原因でずっと険悪だったこと。しかし妻のことは世界で1番愛していた、と泣いて謝罪の言葉を繰り返すのでした。

次の朝、アーサーが目を覚ますと火は燃え尽きています。再び寒さに耐えることになった2人ですが、タクミは起き上がることすらできません。アーサーは無線機を持って、タクミに「必ず戻る」と告げて助けを求めにいくのです。

タクミとジョーンの真実

無線機から何度も発信し、ようやく山岳レスキュー隊とコンタクトをとることに成功。タクミに教えてもらった「カイダン」の言葉によって、ようやく樹海の外へ出ることができたのです。

日本の病院で手当を受けるアーサーは、タクミと交わした約束を果たそうとします。しかし医師は「テントのそばに人はいなかった」と話すのです。納得できないアーサーは、もう一度樹海へ足を踏み入れます。

約1か月前、アーサーは妻ジェーンの死を悲しみ、妻の好きなものや好きな季節、好きな色を何も知らなかったことを後悔していました。通夜の席で、どうやら童話が好きだったらしいということだけを知ることができたのです。

森の奥深くまで歩くと、あのときと同じテントが。タクミが横たわっているはずの場所には、1輪の花が咲いていたのでした。 アーサーがはじめ自殺を図ろうとした場所には、当時のままジェーン宛に届いた小包みが置かれていました。封を開けると、そこには1冊の童話が入っていたのです。

アメリカに戻ったアーサーは、以前と同じ大学教師の仕事に戻ります。すると、1人の生徒がアーサーのメモを発見。タクミの妻の名である「キイロ」は色であること、そして娘の「フユ」は季節であることを知って、童話を抱きしめて微笑むのでした。

海の不気味さと美しさ、そして不思議な世界

この作品の舞台は日本の青木ヶ原樹海です。アーサーが出会う謎の男「ナカムラ・タクミ」役は渡辺謙が務めています。終始樹海の不気味さを感じさせられますが、時には美しさに魅せられます。

クライマックスでは日本語の意味がポイントになっているので、日本人にとっては話のタネが容易にわかってしまうでしょう。

妻への罪悪感から自殺を図ろうとしたアーサーですが、タクミの言う通り招かれた機会だったのかもしれません。ジェーンはタクミとして伝えられなかったことを伝え、そして森の中ではずっとアーサーの隣にいたのです。

追憶の森の作品情報

追憶の森のジャケット写真
レンタル開始日
2016/10/04
監督
ガス・ヴァン・サント
キャスト
マシュー・マコノヒー(アーサー・ブレナン) ナオミ・ワッツ(ジョーン・ブレナン)
上映時間
110分
GEOで購入!
追憶の森のユーザ評価

評価数:1574件
評価 :★★★☆☆(3.2/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 暗い雰囲気の映画で、不思議な話です。舞台に日本が設定されているのと渡辺謙さんが出演されているので、馴染める話ではあります。
  • 派手さも全くないし、ただ樹海の森と人が居るだけがほとんどの映画なんですが、深いし、人の人生が 凄く上手く描かれている。 樹海に自殺をしに来た主人公の回想シーンも有り、夫婦の関係性意味も理解できた作品だった。 観る人を選ぶ作品かとも思いますが、共感出来る方にはぐいぐい入ってくると思います。
  • 渡辺謙さんが出演て事で観ましたが最初はほぼ二人だけのシーンで外国人の奥さんとの回想シーンと最初の頃は余り面白くないかなと観てましが最期になるにつれて感動する場面あり良かったです。

参考URL
・youtube.com