100歳の少年と12通の手紙のジャケット写真

余命宣告をされたオスカーに対し、腫れものに触るような周囲の大人たちの態度とは対照的に、ごく普通に彼と接するローズ。そして彼女は、残された時間の少ないオスカーに、1日を10年間と考え日々を過ごすこと、また毎日神様に宛てて手紙を書くことを教える。初めての恋、結婚、試練、最愛の妻との別離……その日からオスカーは、病院の中で1日ごとに10年分の人生を体験していく……。

監督:エリック=エマニュエル・シュミット、原作:エリック=エマニュエル・シュミット、音楽:ミシェル・ルグラン、出演:ミシェル・ラロック(ローズ) アミール(オスカー) マックス・フォン・シドー(デュッセルドルフ医師) 

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白血病の少年オスカー

病院の院内学級で学ぶ10歳の少年オスカー(アミール)はいたずら好きな男の子、今日も先生にいたずらを仕掛けます。いたずらされた先生は怒りますが、犯人がオスカーだと知ると、何も言いません。「僕のいたずらはつまらないの?」白血病のオスカーを気遣い、腫れ物に触るように接する大人たち、しかしオスカーは寂しさと同時に苛立ちも感じていました。 ある日、面会日でもないのに両親が来ていることを知ったオスカーは、急いで院長室に向かいます。その途中、ピザを配達に来たバラ色の服を着た女性にぶつかりました。ピザを落とされた女性は、汚い言葉でオスカーをののしります。自分を普通に扱ってくれる女性に、オスカーは好意を持ちました。 院長室では先生(マックス・フォン・シドー)が両親に、オスカーの手術は失敗でこれ以上治療法がないと伝えていました。絶望に泣き崩れた両親は、オスカーに逢う勇気がないとそのまま帰ってしまいました。 「失せなチビ、ぶっ飛ばされる前に」ふらつくオスカーに、思い切り悪態をつくローズ。なんとまあ勇ましい女性でしょう。思わず笑ってしまいます。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=rrfBmM9n1_0

ローズの決意

臆病な両親に怒り、心を閉ざしてしまったオスカーは誰の問いかけにも答えません。困った院長先生が「誰なら話す?」と聞くと、「バラ色の女性」と答えました。宅配ピザの女性がバラ色の服を着ていたことを看護婦が思い出し、彼女に連絡をします。「オスカーが会いたがっている。」宅配ピザ屋のローズ(ミシェル・ラロック)は大の病院嫌い、断ろうとしますがピザの注文と交換ということで、渋々引き受けることにしました。 元プロレスラーというローズは、少々乱暴ながらもストレートな性格の女性です。ローズのレスラー時代の話に、オスカーはワクワクしながら聞き入ります。そこで院長先生はローズに、ピサを毎日注文する代わりにオスカーの話し相手になることを提案します。悩んだローズは、その夜、元レスラーの恋人を訪れました。そこで彼の元ファンという少年から貰ったスノードームを見つけます。「今も生きているかどうか・・・。」恋人の呟きに、ローズは決意しました。 息子が直面している死を真正面から受け止められない両親、オスカーの苛立ちと悲しさが切ないです。

1日を10年として生きる

翌日病室を訪れたローズに大喜びするオスカー。プレゼントされたスノードームを見ながら、ローズのレスラー時代の話に眼を輝かせます。「これからもずっと来てくれる?」と問うオスカーに、ローズは院長先生と12日間の約束をしたと口を滑らしました。呆然とするオスカー、あと12日しか生きられないことを悟ります。 焦ったローズは、今日が12月20日であることから、故郷で伝わる年末12日間の天気占いを話します。そして今日から1日を10年と考えて生きることを提案します。1日目の今日は10歳、「明日は思春期のあなたに会いに来るわ」と言って帰っていきました。 自宅に戻ったローズに院長先生から電話が入ります。オスカーを看護するために、彼の気持ちや状況を知る方法を考えてくれというものです。再び病室を訪れたローズはオスカーに便せんセットを渡し、今の気持ちを神様への手紙に書くことを提案しました。神様なんて信じないというオスカーでしたが、ローズの迫力に負けて書くことにします。神様の住所を聞くオスカー、ローズは手紙を受け取ると「窓から見てて」と言い、手紙に風船を付けて空に飛ばしました。しかし本物の手紙は、院長先生の元に届けられたのでした。 ローズが語るレスラー時代、オスカーの想像の中で描かれる映像がまるで漫画のようで面白いですよ。

思春期を経験するオスカー

翌日、オスカーの両親がCDプレイヤーを持ってやってきましたが、オスカーは反抗的な態度で話をしません。その後、院長先生からオスカーの手紙を見せられた両親は、オスカーの思いに気付きます。 18歳になったオスカーはローズに励まされ、好きな青色症の女の子ペギー・ブルーに告白します。「僕が守るよ。」そして初めてのキス、その夜幽霊にうなされる声を聴いて駆け付けたオスカーは、ペギーの隣で眠りました。翌日やってきたローズに、オスカーはペギーとの結婚を嬉しそうに報告しました。 翌日はペギーの手術です。「なぜ神様は意地悪なの?」オスカーは、病気の怒りをローズにぶつけます。ローズはオスカーを教会に連れていき、キリスト像を見せました。そして誰にも病気や死は訪れる、それに苦しむかどうかは自分次第だと諭します。ペギーの手術は成功しました。喜ぶオスカーでしたが、ペギーは他の女の子とキスしたことを責め別れると言いました。落ち込むオスカー、ローズは勇気を出して仲直りする方法を教えました。 病院で過ごす様々な病気を抱えるオスカーの仲間たち、どの子も愛らしく可愛いです。

オスカーがみんなを見守っていた

クリスマスイブの日、オスカーは両親を拒否しローズの家に行きたいと言いますが、ローズは断ります。そこで友達の助けを借り、内緒でローズの車の荷台に乗り込みました。そのまま寝込んでしまったオスカー、夜になり凍えながらローズの家のドアをノックします。オスカーを温めながら、ローズは両親にもいつか死が訪れることを諭します。「その時に後悔させていいの?」 オスカーは心配して駆け付けた両親に、「ごめん」と言い両親を受け入れました。ローズの家族と両親に囲まれた聖夜は、オスカーにとって最高の1日になりました。しかし翌日からオスカーの病状は、急激に悪化していきます。 ペギーはオスカーに会わせてもらえないまま、退院していきました。寂しそうに見送るオスカー、その夜オスカーは神様を感じます。そして、翌日やってきたローズに神様へ感謝の手紙を渡しました。100歳になり動けなくなったオスカー、両親とローズが席をはずした隙に亡くなってしまいました。「あの子がみんなを見守っていたんだ」 後日ローズは2つの手紙を風船に付けて飛ばしました。ひとつはオスカーから、もうひとつはローズからの神様への手紙です。「神様、オスカーと出会ったおかげで、私の心は一生愛に満たされます」 ボランティアなど物好きとバカにしていたローズの心に、オスカーとの交流から変化が訪れます。本音で会話し心暖かいローズの家族、そして表現方法は違ってもオスカーを愛してやまない両親、友達や病院のスタッフ。この映画に出てくる全ての人が、優しく心に染み入る映画です。また1日ずつ10歳年を取っていくオスカーの、年代ごとの呟きが面白いですよ。

100歳の少年と12通の手紙の作品情報

100歳の少年と12通の手紙のジャケット写真
レンタル開始日
2011/04/06
監督
エリック=エマニュエル・シュミット
キャスト
ミシェル・ラロック(ローズ) アミール(オスカー)
上映時間
106分
GEOで購入!
100歳の少年と12通の手紙のユーザ評価

評価数:331件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 白血病の少年が主人公です。 病気の彼を見ているのは辛いんだけど、1日を10年と考えて過ごすことを宅配ピザ屋の女主人に勧められて、二日目で思春期を過ごし三日目で結婚・・・前向きに人生を生きます。 彼の世話をする宅配ピザ屋の女主人は、口が悪く、けして親切な人ではなかったんだけど、実のところは、病気とか病院とか哀しいことを敢えて避けて通ってきた人で、オスカー少年とその病気に向き合っているうちに、どんどん変わって行きます。 ラストは辛くて涙ですが、それだけじゃなく優しい優しいストーリーでした。
  • ジャケットからも、またまたかわいそうなお子ちゃまの難病物かよ、 嗚呼お涙頂戴ねって匂いがするのですが、その潜入観念が 実に気持ちよく覆されました。フランスらしく、エスプリの効いた ファンタジーでした。 悪戯からはじまる導入部から、なんじゃこれとなるか、 おやっと身を乗り出すかは、それは観客の好み次第かも。 ここで泣かせるぞ〜ってところは、意図的にあっさりした描写に とどめております。この映画を観て泣く人もいると思いますが、 いわゆる「泣かせる映画」「泣ける映画」ではありません。 宅配ピザ屋の女主人のキャラ、ジャケットの写真から連想されるもの とは正反対のエッジが立っていて興味深い。セックスフレンドからの 愛を拒否し、肉欲を求められることを欲する。ある意味では彼女こそ、 この映画の主人公なのです。少年よりも彼女に感情移入して観た方が 味わい深い余韻が残ることでしょう。
  • 白血病で余命少ない少年オスカー。他人や両親さえも病気 になった自分を怖がっていると思い込んでいるのが問題。 誰とも口を聞かない。そこに竹を割ったような性格の女性 が登場。遠慮ない態度で母親のごとくオスカーに接し、 彼の心の悩みにアドバイスを与えていく。 シリアスな題材であっても、詩的でユーモアというより、 フランス的にエスプリを散りばめた作品である。 お涙頂戴のパターンでは決してない。長かろうが短かろうが、 人生、精一杯生きることに価値があるというポジテブな思考が、 この作品にはあるのだと思えた。

同じく子どもが主役の感動映画「縞模様のパジャマの少年」

子どもが主役の感動映画にもいろいろありますが、ちょっとディープながらオススメしたい感動映画が2008年公開の「縞模様のパジャマの少年」です。 ナチス軍人を父親に持つ少年ブルーノと、強制労働収容所で暮らすユダヤ人少年シュムエル。大人たちの世界は敵対関係にありながらも、柵越しに友情をはぐくむ二人の少年。しかし子どもの純粋な思いやりが、他方に災いをもたらします。そして最後に待っていた結末は、残酷なほど衝撃的です。幼い少年たちを通して見えてくる戦争の残酷さ、人間の愚かさについて考えさせられる映画です。涙無くしては見ることができません。

縞模様のパジャマの少年の作品情報

縞模様のパジャマの少年のジャケット写真
レンタル開始日
2010/01/20
監督
マーク・ハーマン
キャスト
エイサ・バターフィールド(ブルーノ) ジャック・スキャンロン(シュムール) アンバー・ビーティー(グレーテル)
上映時間
94分
GEOで購入!
縞模様のパジャマの少年のユーザ評価

評価数:911件
評価 :★★★☆☆(3.9/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 主人公の少年の純粋さや、無知が故の言動に心が切なくなります。 衝撃のラストに近づくにつれて目をそらしたい気持ちになりますが、それでも目を離せずにはいられません。 主人公の少年の青い瞳、友達になった収容所の少年の哀しげな瞳。 2人のまなざしが印象的でした。
  • 戦争というだけではなく、家族のあり方、女の子の背伸びしたい姿勢、男の子の純粋な好奇心や冒険心、無知の恐ろしさ、すごく考えさせられる作品でした。 映画のストーリー的には単調な感じがしたけれど、ラストが本当に、その時代ではフィクションだったわけでははないんだぞ、と思わせるような残酷な終わりでした。 いろんな人に見て欲しい映画
  • 衝撃のラスト。終わった後何とも言えない気持ちになった。 無知と言うのは時に残酷であり、自分の目で確かめた物を信じ、国の教えが間違っていると気づいているのは純粋な心を持っているからこそだと思った。一度は見るべき作品だと思う。

参考URL
・youtube.com