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13年間、行方不明だった父の消息が判明。だが、その体はガンに侵されており、息子のコウジと再会した3ヶ月後に他界する。葬儀当日、参列者たちの口からコウジの知らない父の姿が明かされる……。

監督:斎藤工、原作:はしもとこうじ、脚本:西条みつとし、出演:高橋一生(松田コウジ) 松岡茉優(西田サオリ) 斎藤工(松田ヨシユキ)

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

父親の葬儀と、思い出

映画冒頭、盛大に執り行われる葬式の横で、その葬式の故人と同じ苗字で、参列客の少ないお葬式の様子が映し出されます。葬式に訪れる人のほとんどが、隣の葬式の参列者で、受付をする女性が困惑しています。参列客の少ない葬式が、今回の映画の主役です。主人公コウジは亡くなった男の次男です。父親を亡くし、喪主を務めるコウジと長男ですが、どこか空気が冷めきっています。

コウジの回想シーンで、麻雀を打つ父親の姿が映し出されます。コウジは父と行った甲子園球場の思い出を書いた作文が賞をとり、喜んで父親に報告しに行きます。しかし父親は「よかったな」と軽く一言だけ返すと、すぐに麻雀へ戻ってしまいます。

父親との思い出は、ろくな思い出がありません。コウジの作文に見向きもせず、麻雀をしていた父親は、借金取りに追われていました。毎日のように、彼らの自宅には借金取りが現れ、大声をあげて取り立てに来ます。コウジの母親、長男、そしてコウジは父と共に息を潜めて生活しています。

出典:https://www.youtube.com/watch?v=YSQctSvdVno

行方不明だった父は余命3ヶ月

そんなある日、父は「タバコ買ってくるわ」と言ったきり、家へ帰ってきませんでした。帰ってこない父の代わりに借金を返すことになった母親は、新聞配達の仕事、内職、夜の仕事をつめこんで働きづめです。母は劇中、新聞配達の途中で車に轢かれるのですが、むくりと立ち上がり新聞配達の仕事へ戻ります。傷だらけのまま夜の仕事にも行きます。そんな母のために兄弟も新聞配達を手伝います。

シーンは現代に戻り、実家に戻ったコウジと長男、母親が話しています。行方不明だった父親ががんになり、余命3ヶ月だということを家族で共有します。しかし家族を捨てたも同然の父親の見舞いには、母も長男も行くことを拒絶しました。コウジは、父親との思い出を思い出しながら、家族として唯一お見舞いへ行きます。彼の思い出の中の父は、コウジと一緒にキャッチボールをしてくれる”父親”だったからです。

入院したばかりの父親と言葉を交わすコウジ。しかしその後、コウジの彼女と一緒に父親のもとへ向かった時、父親はたった2ヶ月で弱りきっていました。父親の姿は映し出されませんが、コウジの目元が、父がもう余命いくばくもない現実を物語っています。医師の宣告通り、父親は亡くなりました。

父の友人達が語る、家族も知らない父の姿

冒頭の葬式のシーンに戻ります。葬列にはパラパラと人が集まっています。お坊さんが「故人の思い出をみんなで語りましょう」と言ってから、前半のシリアスな雰囲気から一転、コメディタッチに亡くなった父親の思い出話が始まります。会社の同僚や知り合いのオカマ、雀荘の店員や、隣の病室の人などが、「父親のおかげで助けられた」という話を次々にしていきます。

ある人は父親に託された手紙を朗読し、残された家族のために、彼の十八番の歌をアカペラで歌います。あるオカマは、居場所のない時間のために家へ止めてくれたと感謝の気持ちを述べます。隣の病室の人は、生死をさまよいかけた時、助けてくれたから今があると語ります。

個性豊かな知り合いに面食らう表情を見せるコウジや長男。しかし自分たちの知らない父親の姿に、心が動かされているようでした。

家族とは

長男は喪主の挨拶を託されます。しかし彼は挨拶の途中で感極まり、葬式会場を出て行ってしまいます。残されたコウジが涙を浮かべながらも代わりに挨拶を努めます。

母親は葬式に参列していませんでした。ただ彼女も彼女なりに”父親”であり”夫”であった彼に、何か思うところがあったようです。喪服のまま、先に自宅に戻った母親は、父が愛用していた煙草を1本取ると、慣れない手つきで吸います。煙草の煙を眺めながら、故人を弔うような、穏やかな表情を見せます。

blank13の作品情報

blank13のジャケット写真
公開日
2018/02/03
監督
斎藤工
キャスト
高橋一生(松田コウジ) 松岡茉優(西田サオリ) 斎藤工(松田ヨシユキ)
上映時間
70分
GEOで購入!
blank13のユーザ評価

評価数:129件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

クチコユーザの評価・ネタバレ
  • 昨年のシタコメと今年のシネマート新宿で舞台挨拶&上映を観てきました. はしもとこうじさんの話しで実話です. 昭和のテイストの映画で、リアルな日常を映しだしています.ここからは私の推測ですが、こちらの作品は俳優の斉藤工さんが監督となっています. けれど舞台挨拶などで彼の話す言葉を聴いていると、自分は何もしていないと言うような事を何度もおっしゃっていました.わかる人にはわかると思うのですが彼は、自分自身に嘘がつけない性格なのでしょう、俳優、監督、お笑いとマルチな活躍をされてはいるけれど、かっとうの中にいる事が様々な舞台挨拶を観てきて、わかりました、自身を見失わず負けず頑張っていただきたい. 24日から全国公開されたばかりなので これ以上は書きませんが 皆様blank13を応援してください

参考URL
・youtube.com