映画『アルキメデスの大戦』のジャケット写真

本作『アルキメデスの大戦』は、2019年に日本国内で公開された映画。2015年にヤングマガジンにて連載が開始したコミックスを原作とした実写作品となっています。本映画では戦闘機や軍艦など、第二次世界大戦の時代に使用されていた兵器技術と、それを取り巻く人間関係が重厚な雰囲気の中で描かれます。

ストーリー自体はフィクションですが、専門的な知見を要するテーマのため、監修者によるチェックを前提として物語が設計されていっているため、非常にリアルかつ専門的。原作者の三田紀房によると「専門用語をできるだけ入れることによりストーリーの格をあげ、テンションを上げる感じにしている」といったことを述べており、緻密に計算されたセリフ回しなどは原作と同様に映画内で描かれることになります。

キャストには、主演・菅田将暉をはじめ、舘ひろしや柄本佑、浜辺美波、笑福亭鶴瓶など豪華な俳優陣が起用されており、監督は『永遠の0』で有名な山崎貴が務めています。日本で最も有名な軍用艦・戦艦大和の建造を巡ったさまざまな論争、そして軍艦ではなく航空機を重用する傾向にある日本国軍など、戦時中の複雑な状況を見事に描き切った名作として『アルキメデスの大戦』は大好評でした。そんな話題映画のネタバレあらすじを早速見ていくことにしましょう。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:山崎貴
脚本:山崎貴
出演:菅田将暉 柄本佑 浜辺美波 笑福亭鶴瓶 小林克也 小日向文世 國村隼 橋爪功 田中泯 舘ひろし

ネタバレあらすじ

航空母艦か巨大軍艦か

昭和20年、日本最大の戦艦と言われた大和はアメリカ軍からの集中攻撃によって破壊されてしまいます。大きな爆発によってなすすべもなく、日本軍の兵隊たち約3,000名が亡くなっていきました。

そんな戦果大和にまつわる悲劇が起こる12年前が本作の舞台となります。

海軍少将として務めていた山本五十六は、今後戦争で扱う主要兵器は軍艦ではなく戦闘機であると考えていました。そこで造船少将として務めていた藤岡に、新たな航空母艦のための作案を依頼していたのです。

一方、山本の考えとは意見を異にする者がいました。それは、山本と同じく海軍少将の嶋田繁太郎。彼は巨大な戦艦に大きな砲台を設置した軍艦、まさに大和ような船を作るべきだと主張したのです。

2人の意見がぶつかったのは、新型戦艦建造計画会議でした。ここで山本は藤岡に作らせていた航空母艦の設計図を提出。一方、嶋田も巨砲を搭載した軍艦に関する設計図をプレゼンテーションしました。

嶋田の設計図は見事に作られており、その場での反応としてはこちら側が優勢。半月後にどちら側の設計図を採用するかについての決議がおこなわれることになりました。

会議があった日の夜、山本たちはどのようにすれば自分たちの意見が採用されるかについての作戦を考えていました。そこで出会ったのはいけすかない雰囲気の青年・櫂。彼は軍人を嫌い、山本たちを追い返そうとします。

そんな中、山本は嶋田が出した設計図に関する見積もりに虚偽がある可能性を思いつき、山本陣営で彼らの設計図から見積もりを改めて計算してみようということになったのでした。

しかし、設計図が手元にあるわけではなく、プレゼンテーションのメモだけで作業を進める必要がありました。


出典:https://youtu.be/jGhRxsYaYvM

設計図を復元せよ!

そんなある日、山本はアメリカへ留学するという櫂に会いにいきました。山本は櫂に対して「アメリカと戦争になる」ということを告げ、そうならないために協力してほしいという旨を伝えました。

山本は「迫力ばかりが先行する巨砲搭載型軍艦ができると軍や国民が強気になり、アメリカとの戦争に突っ走ってしまう」と考えたのです。

軍艦による砲撃は戦闘機による射撃と比べると命中率が低く、アメリカと戦争になった際に巨砲搭載型軍艦では勝つことが絶対に不可能だというのが山本の考えでした。

最初は協力を拒んだ櫂でしたが山本の要請に根負けし入隊。そして、嶋田たちのプレゼンテーションをし直したのでした。

櫂は横須賀に出向き、軍艦・長門の内部に入ります。その中で、運よく設計図を盗み見した櫂は、すぐさま嶋田たちの設計図を復元することに成功します。

決議終了…その結果は?

櫂はほかにも嶋田案の見積もりをし直すために、戦艦の製造費用や人件費などの資料を探すことにしました。その中で造船会社の社長・大里に協力を要請します。大里は櫂に過去におこなわれた造船に関する資料を大量に提供し、見積もりに必要な情報を与えたのでした。

そんなとき、櫂たちのもとに1本の電報が届きます。その電報には、決議の予定が明日になったという旨が書かれていました。

このまま見積もりを計算していたのでは間に合いません。そこで櫂は嶋田案で使用される鉄の量だけをなんとか調べあげ、材料費だけをなんとか計算しようとしました。

確実な情報がないまま決議が始まります。櫂は手に入れた情報だけでなんとか嶋田たちの見積もりの誤りを指摘することに成功しました。

しかし、決議の中で出された結論は「嶋田の設計図を採用する」というものだったのです。

「大和はまるでこの国のようだ」

櫂はそれでも粘り強く嶋田案の欠陥を指摘し続けます。その結果、嶋田陣営は自分たちの設計図の欠陥を認め、山本たちの案を採用したのでした。

その1ヶ月後、櫂は嶋田側の設計図を考えた平山という男に呼び出されました。平山は櫂に対して巨砲搭載型軍艦を作ろうとした意図を語り始めました。

その意図とは巨大な戦艦を作ってあえて沈没させることによって、いまだ戦意が高揚している日本人の戦意を喪失させるというものだったのです。そして、その作戦にふさわしい名前として「大和」という名前を提案しました。

平山の告白から9年の月日が経ちました。

すでに日本がアメリカに対して真珠湾攻撃を行っており、戦争状態になっていました。戦艦大和には山本や櫂の姿があります。すべての意図を知った櫂は複雑な表情をしていました。

船から降りた櫂は涙を浮かべて大和を眺めます。そんな姿を見た軍人がなぜ涙を流すのか問いました。

それに対して櫂はこう言います。

「大和はまるでこの国の姿のようだ。」

軍人は誇った顔でこう返します。

「その通りです。大和はこの国のシンボルです。」

こうして『アルキメデスの大戦』はエンディングを迎えたのでした。

映画『アルキメデスの大戦』の作品情報

映画『アルキメデスの大戦』のジャケット写真

レンタル開始日
2020/01/08
監督
山崎貴
キャスト
菅田将暉 柄本佑 浜辺美波 笑福亭鶴瓶 小林克也 小日向文世 國村隼 橋爪功 田中泯 舘ひろし
上映時間
130分
映画『アルキメデスの大戦』のユーザ評価

評価数:549件
評価 :★★★★☆(4.1/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    驚異的な数学能力でスカッとするが、最後はこれが戦争なんだって感じで悲しくなった。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    負けるはずの戦争と沈むべき戦艦の悲哀の映画です。なのに笑えるし楽しい映画になっています。軍の幹部が実在の名称を使っているそうなのが素晴らしい!
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    なかなかの大作! 話の内容としてはゆっくりしているのですが、ストーリーや展開は飽きること無く見る事ができます。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    数学で世界を救うなど考えたことはありませんでしたが、この作品をきっかけに考えさせて頂きました。結末はどうであれ…
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    戦艦大和の撃沈シーンからスタートし戦争を起こさせないために数字で大和製造をやめさせようとする菅田将暉さんがとっても興味深く観れました。
    ただのSFかと思いきや戦艦大和誕生秘話まで盛り込んでとっても楽しめました。

おすすめの関連作品

本作のストーリーを楽しめたという方には、戦争というテーマを扱い、本作と同じ山崎貴監督が手がけた名作『永遠の0』をご紹介します。

こちらの映画作品は作家・百田尚樹のデビュー作を原作としており、書籍自体は2012年のオリコン本ランキング文庫部門でミリオンヒット作となったほど。そんな人気作品を主演・岡田准一が熱演したのが本映画となります。

2013年に日本国内430映画館で公開され、公開初日からの2日間で約43万人という観客動員数をマーク。また、同2日間で興行収入は5億4,200万円を記録しました。話題が話題を呼び、興行収入においてはその後、8週間連続で首位をキープし、最終的に国内観客動員数が700万人を超える結果となったのです。

その人気は国内を超え、第16回イタリア ウディネ・ファーイースト映画祭ではグランプリを受賞。これは2009年に同映画祭で公開された『おくりびと』以来の快挙でした。

ストーリーの舞台は第二次世界大戦。前述の通り、岡田准一演じる宮部久蔵が海軍航空兵として特攻死を遂げるまでのエピソードが重厚な雰囲気の中で描かれます。

決して国のために死んだのではなく、娘のために生き長らえようとした久蔵が、なぜ特攻によって死んだのか。その理由が明らかとなったとき、本映画の主題が明らかとなります。

『アルキメデスの大戦』とはまた違った視点で語られる戦争期を、こちらの映画で鑑賞してみてはいかがでしょうか。

映画『永遠の0』の作品情報

映画『永遠の0』のジャケット写真

レンタル開始日
2014/07/23
監督
山崎貴
キャスト
岡田准一 三浦春馬 井上真央 濱田岳 新井浩文 染谷将太 三浦貴大 上田竜也 吹石一恵 田中泯 山本學 風吹ジュン 平幹二朗 橋爪功 夏八木勲 佐々木一平 青木健 遠藤雄弥 栩原楽人
上映時間
144分
映画『永遠の0』のユーザ評価

評価数:22090件
評価 :★★★☆☆(3.9/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    岡田くんの演技が上手くて最後まで目が離せなかったです。原作も読みましたが映像で見ると余計泣けてきます。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    絶対に死んではいけないと、生徒に言い聞かせていた教官が、最後に死を選択せざるを得ないところまで追い込まれた。なんと悲しい物語。一方でまたその家族は、路頭に迷うが、他の男に人生を託さざるを得ない貧しさを経験。戦争のむごさをひしひしと感じる物語だ。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    特攻の哀しさが伝わりました。岡田准一の演技が本当に良かったですね。映画としては現代パートは結構邪魔だったりするのですが、わざわざ現代人が過去を回想する形式にしているところに監督の拘りが感じられます。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    戦争モノは胸が苦しくなるから苦手なのに、借りてしまった…。ストーリーはありがちだけど、演者がいい。岡田くんがとてもいい。後半は決壊が崩壊したように涙が止まらず、しんどかった。軽い気持ちで見る映画じゃないけど、とてもいい映画だった。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    こういう作品こそ語り継がれるべきもので、後世に残していくべきものやと思われる。今を生きる僕らには決して身近には感じる事が出来ないもの…だとしてもその事実を映画ででも知り、感じて、何かを掴む事が出来たら戦争ってものに対する意識を強く持てるはず。そういった感情を起こしてくれる演出やストーリー展開、そしてリアリティのあるCGによる空中戦や情景がとても良かった!