平成狸合戦ぽんぽこのジャケット写真

1994年に公開された「平成狸合戦ぽんぽこ」は、高畑勲監督が手がけた、ジブリ映画初のCGを使った映画です。開発が進む多摩ニュータウンが舞台になっています。人間の環境破壊のために、住むところが無くなってしまったタヌキ達が「化け学」を駆使し、自分達の「ふるさと」を守るために、力を合わせて大奮闘する姿を描いた作品です。

1994年度の邦画配給収入のトップを記録し、「毎日映画コンクールアニメーション映画大賞」をはじめ、数々の賞を受賞しました。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:高畑勲
脚本:高畑勲
出演:古今亭志ん朝 野々村真 石田ゆり子 泉谷しげる 山下容莉枝 神谷明 黒田由美 村田雄浩 九代目林家正蔵 福澤明 三木のり平 清川虹子 芦屋雁之助 桂米朝 五代目桂文枝 五代目柳家小さん

化け学復活の巻

ぽんぽこ31年、タヌキ達は東京の多摩丘陵にある庭付きの一軒家で平和に暮らしていました。ところが、居住予定者30万人の多摩ニュータウン開発の計画が進み、タヌキ達の住む丘陵は切り開かれて、人間の住む宅地へと変わっていってしまったのです。そのため彼らのエサがどんどん少なくなり、エサを求めて部族同士で争いを起こすようになりました。

ある日、エサが無くなった理由は人間による自然破壊のせいだと気づいたタヌキ達。万福寺本堂で部族長が集まって話し合う「族長会議」をすることになりました。会議では、多摩ニュータウンの開発を阻止することが決定します。「人間研究」「化学復興」をかかげて、開発阻止のための「五か年計画」を決定しました。

1年目は若いタヌキ達が建設現場に赴いて、工事会社のトラックを妨害したり、化け学を利用して地蔵やお稲荷さんに化けて住民を驚かしたりします。2年目の会議では四国と佐渡への使者を決めますが、遠方への長旅を嫌い、全員タヌキ寝入りをしてしまいました。そこで、長老である鶴亀和尚達が用意したハンバーガーが良い結果を発揮します。

結局、玉三郎と文太がタヌキの里、四国と佐渡へ有名な化けタヌキを招聘するために、派遣されますが、2匹は行ったきり戻ってきませんでした。一方、多摩ニュータウンの開発地ではタヌキ達の抵抗は続きます。

工事関係者の間では「多摩ニュータウンの怪」として話題になりますが、工事は中止にならずにそのまま続行されたままでした。年が明けて春がやってくると、タヌキ達の村では恋の季節を迎えます。ですが、おろく婆の忠告を守って「欲しがりません、勝つまでは」と性欲をおさえ、タヌキの若者達は化け学の腕前が上達していきました。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=_7cowIHjCD4

妖怪大作戦の巻

そのころ、四国に着いた玉三郎は四国のタヌキの長老に助けを求めます。しかし、なかなか東京へ向けて出発することができません。多摩ニュータウンでは、人間に化けるのが上手くなったタヌキが街に出て、実際に人間に化ける実習を受けるようになりました。

しかし、人間に化けるのは体力を要するため、疲れてくると目の下に「タヌキぐま(目の下のクマ)」ができてしまいます。そのため彼らは精力剤が欠かせず、市販の栄養ドリンクが支給されるようになりました。長老達は卒業するためのテストとして「人間として1匹1000円を稼いでくること」を課しますが、合格する者はなかなか現れません。

村では強硬派の權太と慎重派の正吉が対立を深めているときに、權太によるクーデターが起こります。權太はトラックを破壊すると工事が中止になると思って、トラックをひっくり返して使えなくしてしまいました。そのうえ權太達は工事現場内怪談話の噂を流すと、話を聞いた何人かは、怖くなって逃げていったのです。

權太達が計画は成功したと大喜びしたのも束の間、気がつけばトラックは修理され、人員の募集をかけられて、新しい人が働くようになりました。そこへ四国から太三郎禿理・隠神刑部・六代目金長の長老3人を連れた玉三郎が帰って来ます。3人の長老によって化け学の特訓が始まり、長老達は「妖怪大作戦」を提案するのでした。

妖怪大作戦では、妖怪に化けたタヌキ達が多摩ニュータウンに繰り出します。しかしレジャーランドの宣伝と勘違いされて多摩ニュータウンの住民達に喜ばれ、妖怪大作戦は失敗に終わってしまいました。そんな中で、四国から来た3人の長老のなかの隠神刑部は力を使い果たしてしまい、亡くなってしまいます。

タヌキ達の大反撃の巻

タヌキ達の妖怪大行進を「レジャーランドの宣伝だった」と記者会見したテーマパーク「ワンダーランド」の社長は、密かに昨夜の妖怪大行進をした犯人を捜していました。それはスカウトをして、ワンダーランドで働かそうとしているからです。

作戦がすべて失敗して落ち込むタヌキ達。
そこへ同じように住む場所を追われ、結局人間に化けて社会に溶け込んでいるキツネの竜太郎が、長老の一人である六代目金長に会いに来ます。キツネ達は多摩ニュータウン開発の影響でほとんどが滅びてしまいましたが、竜太郎のような一部のキツネは人間に化けて社会に溶け込んでいたのです。

竜太郎は金長を銀座のクラブに連れて行き「人間に向かって攻撃するよりも、人間に化けて人間社会に溶け込んだ方がいい」と忠告します。そして自分がレジャーランドの社長に接触して、人間に化けたタヌキ達の就職を世話してもよいと、金長に告げるのです。しかし彼らのなかには、ポン吉のように人間に化けることができない者もいます。

金長がそのことを竜太郎に告げると、それは仕方のないことだと言われてしまいました。ふたりが会っている間に、タヌキ達は会議をしています。正吉は、もう一度「妖怪大作戦」をやり直すことを提案しました。しかし、權太達はそれに反対し、会議は決裂してしまいます。彼らのなかでは投げやりなムードが漂うようになってきました。

太三郎禿狸は、変化ができないタヌキ達を集めて船に乗り込み、踊念仏を唱えながら死への旅路へと向かっていきます。

タヌキ達との和解の巻

タヌキ達からの支持を失った金長は、今では娘婿となった玉三郎と一緒に、竜太郎にワンダーランドの社長にコンタクトを取るように依頼しました。金長と玉三郎は人間に化けた彼らをワンダーランドで働かせる支度金として1億円を騙しとります。騙されたと知ったワンダーランドの社長は、警察に駆け込みますが「タヌキに騙された」なんて誰も信用しませんでした。

強硬派の權太達は、死ぬ覚悟で工事現場に白装束で座り込みをします。正吉達も現場に駆け付けますが、機動隊が出動して權太達には勝ち目はありません。覚悟を決めた權太達は機動隊に突っ込み玉砕してしまいます。

4年目には苦心の末に佐渡から戻った文太より、佐渡の団三郎狸もすでに亡くなっていることが判明しました。文太は、久しぶりにみた故郷の多摩丘の変わり果てた姿を目の当たりにして涙を流して悲しみます。こうしてタヌキ達は、自分達の敗北を認めるのでした。すると正吉は、最後にみんなで力を合わせて多摩丘陵を元の風景に戻そうと提案します。

彼らの最後の抵抗として、鶴亀和尚がテレビクルーを呼び、正吉達はカメラの目の前で草や木に化けて、かつての緑が多く、自然豊かだった多摩丘陵を再現しました。一瞬のことでしたが彼らが化けた多摩丘陵の昔の姿に心動かされた人間達は、わずかながらの緑を多摩丘陵に残します。そしてタヌキ達のなかで人間に化けることができる者は、人間社会に入っていく決断をしました。

映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の作品情報

平成狸合戦ぽんぽこのジャケット写真

レンタル開始日
2003/01/16
監督
高畑勲
出演(声)
古今亭志ん朝 野々村真 石田ゆり子 泉谷しげる 山下容莉枝 神谷明 黒田由美 村田雄浩 九代目林家正蔵 福澤明 三木のり平 清川虹子 芦屋雁之助 桂米朝 五代目桂文枝 五代目柳家小さん
上映時間
119分
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映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のユーザ評価

評価数:3417件
評価 :★★★☆☆(3.9/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    アニメでたぬきが出演というわりには、ラストは現実的に子供に向けてわかりやすくメッセージを伝えていると思います。笑いの中にも人間の利己的な部分が見え隠れしてて、意外に大人にもメッセージ性があると思います。
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    痛快なコメディの御伽噺かと思えば、さにあらず。 実際は案外シリアスで、悲しーい物語。 普通ならご都合主義で、面白いことをパーッとやって、盛り上げれば終われるところを、 シビアでシニカルな視線を失わずに、観るものに突きつけている。 そこが、痛々しくも、ジブリでの本作品の存在意義だと思う。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    人間による宅地開発に対抗するため、人間研究と化学復興の5か年計画を企てる狸たち。いろんなものに化けたり、二足歩行をしたり、文字通りたぬき寝入りしたりして笑わせてくれます。自分たちの故郷の森にゴミのポイ捨てをする人間に対し、10倍のゴミを投げ返すシーンは抱腹絶倒です。あんたがたどこさの歌の人間の残酷さについて語り合う、若い狸のカップルのシーンが秀逸です。最後人間に化けて暮らそうにも、満員電車に揺られ疲れきってる姿が哀れで深く考えさせられました。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    環境をテーマにした作品。 リアルな時と、ギャグの時とのギャップに笑える! 時々、野山で狸が見かけるが、その付近ではこの様に遊んでるのかな〜って、思うようになりました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    高畑作品で一番好きな作品です。 この作品を観るたびに昔の自宅の周辺の風景を思い出しては懐かしくなります。

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おすすめの関連作品

正吉と恋仲のメス狸「おキヨ」の声を担当したのは、女優の石田ゆり子です。この作品で声優をつとめたあと、「もののけ姫」、「コクリコ坂から」というスタジオジブリ2作品の声優をしています。かっこいい狸「玉三郎」の声を担当しているのは、声優の神谷明です。「北斗の拳」や「シティーハンター」、「名探偵コナン」などで重要なキャラクターの声を担当していました。

高畑勲監督は、ほかにも2013年公開の「かぐや姫の物語」、1991年公開の「おもひでぽろぽろ」、1988年公開の「火垂るの墓」などの作品を手がけています。またスタジオジブリの映画としては、「レッドタートル ある島の物語」「思い出のマーニー」「風立ちぬ」などがアカデミーにノミネートされた作品です。

映画『かぐや姫の物語』の作品情報

かぐや姫の物語のジャケット写真

レンタル開始日
2014/12/17
監督
高畑勲
出演(声)
朝倉あき 高良健吾 地井武男 宮本信子 高畑淳子 田畑智子 立川志の輔 上川隆也 伊集院光 宇崎竜童 二代目中村七之助 橋爪功
上映時間
137分
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映画『かぐや姫の物語』のユーザ評価

評価数:6294件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    日本昔話のかぐや姫がより細かく、詳しく、繊細に表現されていると思いました。かぐや姫の気持ちがヒシヒシと伝わってきます。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    ジャパニーズアニメの集大成的な作品でした。単なるアニメというよりは、芸術作品を見たような気がします。竹取物語の新解釈としてはなかなか面白いと思います。子供にはなかなかわからないかな?大人になって見直してもらいたい作品です。他のジブリとは一線を画すけど、これはこれでありかと思いました。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    かぐや姫が赤ちゃんの時の表情や動きが丁寧に描かれていて本当に可愛かった! 俳優の声を先に収録してから、それに合わせて絵を描いていく珍しく手法らしいけど、確かに声と絵が合って活き活きして見えた。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    誰もが知るかぐや姫の裏にある かぐや姫の気持ちが描かれてます。かぐや姫の罪と罰という視点はわかりにくく、色んなとらえ方ができると思いますが、本当の幸せとは?と考えさせられる良い映画だと思いました。 子供向けじゃない、幸せを探してる大人の女性にピッタリの、新しいかぐや姫。自分にとっての幸せが何か? 幸せの形は人それぞれだから・・・ 人が言う幸せに惑わされることなく、自分が一番求めてる「幸せ」にたどり着けるよう、突き進もう。と思います。 周りに流されることのない 芯の強さがカッコいいです。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    退屈な場面もあるがキラリと光る長所が感じられる。まるで創作和菓子を愛でるような色とりどりの簡素な日本美に徹している。アニメである以前に、これは日本の作品であり日本の美しさを今に伝え、そしてなにより「まごころ」を丹精込めている贈り物のような気がした。

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映画『おもひでぽろぽろ』の作品情報

おもひでぽろぽろのジャケット写真

レンタル開始日
2003/04/16
監督
高畑勲
キャスト(声)
今井美樹 本名陽子 柳葉敏郎 伊藤正博 寺田路恵 山下容莉枝 三野輪有紀 北川智絵 仙道孝子 後藤弘司 石川幸子 渡辺昌子 伊藤シン 飯塚雅弓 押谷芽衣 小峰めぐみ 滝沢幸代 石川匡 増田裕生 佐藤広純
上映時間
119分
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映画『おもひでぽろぽろ』のユーザ評価

評価数:1692件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    田舎の風景が懐かしく思う作品でした。思春期の子供には結構恥ずかしくなるようなシーンがあり、むずがゆくなるような感覚でした。ラピュタ、ナウシカなどとはまた違って、構えずに力を抜いて観られる作品だと思います。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    過去の自分と旅をするなんて、洒落てて良いです。回想シーンではなんだかちらほら懐かしいものや 番組が出てきて楽しみました
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    紅花を摘むところと寝台特急のシーンが印象的だった。 過去を回想するということで、白黒のテレビや給食にでてくるメニューなどで、昔の生活を感じることができた。いい作品だと思う。
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    淡々とストーリーが進んでいく感じです。過去の自分の体験を交えながら、現在の自分を見つめていくという構成はうまくできていたと思います。「しんくん」さんが書いておられるように、確かに宮崎駿監督作品とは別物だと考えた方がいいですけど、一度は見てみてもいい作品だと思います。タエ子がすごくわがままで、そのわがままっぷりが昔の自分そっくりで、なかなか腹が立ちました(笑)。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    もう一つのスタジオジブリの本道を行っている作品だと思います。今をしっかり前向きに生きている人が見ても退屈なだけかもしれません。だけど、悩みや挫折を味わっている人が見たらきっと何かを感じることが出来ると思います。あの頃の自分が今の自分を見た時どう思うんだろう。ラストの子供達からいざなわれるシーンはそれを象徴していると思います。素直に前向きに…。

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映画『火垂るの墓』の作品情報

火垂るの墓のジャケット写真

レンタル開始日
2000/12/16
監督
高畑勲
出演(声)
辰巳努 白石綾乃 志乃原良子 山口朱美
上映時間
88分
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映画『火垂るの墓』のユーザ評価

評価数:2501件
評価 :★★★★☆(4.1/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    兄を呼ぶ妹の、舌足らずなセリフが、何年経っても耳に残って、胸がつまります。子供にこんな思いをさせるようなことを、大人たちは絶対に選択してはならないんだと思います。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    誰も悪くないのに、必死に生きようとしているのに、虚しく死んでしまいます。悲しすぎます。毎年夏頃になると必ず放送されてますね。人によっては辛くて最後まで観れないという人もいるかと思いますが、ただの反戦映画としてではなく善も悪も無しにじっくりと観て欲しい作品だと思いました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    画と声優さんと音楽。このマッチングで、涙が抑えられません。原作は野坂昭如氏の同名の小説ですが、ぜひ原作も読むことをお勧めします。この子供たちは、当時としては決して珍しいものではなかったと思います。彼らがどんな思いで当時を生きたのか、思いを馳せることも無駄ではないはずです。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    感動の名作!何度見ても泣けます。特に節子のあどけなく、けなげな姿に感動しました。産まれた時代が違うだけで、こんなに悲惨な運命だなんて・・身に詰まされる思いです。今の子供達に是非、見せてやりたい。。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    確かに、とても辛い映画である。だけれど、決して忘れてはいけない映画でもあると思う。これは、大人も子供もしっかりと見られる日本が誇れるアニメである(ちょっとわざとらしい、お涙ちょうだいは……だけれど)。世界各国でも是非上映してほしいアニメ。特に、どっかの大国ではしっかり見て頂きたい。戦争(暴力)が、人間をどう苦しめるか……。その傷は、いつになっても癒えることがないってことを……。

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