かぐや姫の物語のジャケット写真

スタジオジブリ作品「かぐや姫の物語」は、2013年に公開された高畑勲監督作品で、高畑勲最後の監督作品でもあります。

古典「竹取物語」をモチーフにしており、キャッチコピー通りかぐや姫の犯した罰について深く掘り下げた作品です。前作の「ホーホケキョとなりの山田くん」と同様に、独特の手書き風イラストで描かれています。

アメリカ・台湾・イギリスなど各国でも公開され、第8回アジア太平洋映画賞最優秀アニメーション映画賞や第18回トロント映画批評家協会賞アニメーション映画賞など多くの賞を受賞しました。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:高畑勲
脚本:高畑勲、坂口理子
出演:朝倉あき 高良健吾 地井武男 宮本信子 高畑淳子 田畑智子 立川志の輔 上川隆也 伊集院光 宇崎竜童 二代目中村七之助 橋爪功

竹から生まれた赤子

昔々、ある山里に竹を切って生計を立てていた老夫婦がいました。ある日翁がいつものように竹を切ろうと山へ入ると、不思議に光を放つたけのこのを見つけます。なんとその中には、手の平に収まるほど小さな女の赤ちゃんがいたのです。

子どものいなかった翁はこの小さな赤子を天からの授かりものだと思い、家に連れて帰って大切に育てました。最初は手のひらサイズの赤子でしたが、連れ帰ったその日のうちに、人間の赤ん坊と同じ大きさに育ちました。そして、半年も経たないうちに活発な少女へと成長したのです。

そうして、少女は「タケノコ」と近所の子供たちに呼ばれ、一緒に遊ぶ毎日を送りました。子供たちが歌うわらべ歌をなぜか知っていたタケノコ。そして、子供たちが歌っているのと少し言い回しが異なる歌を自然と口ずさむようになります。その歌を聞くとなぜか涙が止まらないタケノコでした。

タケノコの成長と共に、翁は竹の中から金銀財宝や少女に着せるための豪華な着物を手にします。この不思議な出来事は、少女を都で高貴な姫君として育てなさいという神からの思し召しであろうと考えた翁は、媼を説得して都へと移り住みました。

都に屋敷を構えて暮らし始めた3人。豪華な屋敷に最初は喜ぶタケノコでしたが、段々と屋敷での窮屈な暮らしに飽き飽きします。高貴な姫君としての教養を教育係から教わりますが、ふざけてばかりいました。

一緒に遊びまわっていた幼馴染みたちとも引き離されてしまい、寂しがるタケノコの気持ちを分かっていたのは媼だけでした。教育係の前では不真面目な態度をとる少女ですが、いざ人前に出た時には教育係が目を見張るほどの高い教養と振る舞いを見せます。

そして翁が招いた客人によって、「なよ竹のかぐや」と名づけられました。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=9lDrkokymLQ

美しく育った姫に求婚者

昔の女性の成人の儀式であった裳着の式をかぐやも行います。そのときかぐやは御簾の中から、客人が酔った挙句に口にした自分に対しての暴言を聞いてしまいます。

離れ離れになってしまった幼馴染みや山里への恋しさが積もりに積もっていた姫は、この暴言をきっかけに思わず屋敷を飛び出し、住んでいた山里へ向かいました。しかし必死の思いで戻ってきた山里はすでに退廃しており、かつて遊んだ仲間たちの行方も分からなくなっていたのです。

その後屋敷へと戻った姫は今までのおてんばを一切やめて大人しくなり、ますます美しく高貴な姫君へと成長し、貴族の男性たちの間で噂の女性となりました。

ついに姫の前に5人の身分高き求婚者が現れます。しかし、姫は誰の求婚にも応じません。そんな姫を翁はなんとか説得し、姫は自分の望むものを持ってきた男性と結婚すると告げます。しかし姫の望むものは、そう簡単に用意できる品ではありませんでした。

その難題を知らされた門前の男たちも、姫と結婚できる望みが薄いことを悟って去っていき、教育係もまた姫の元を後にしました。求婚者が去った後、姫は気晴らしに花見へと出かけます。満開の桜にはしゃぐ姫に、貧しい身なりをした一家がぶつかりました。

高貴な衣装を身にまとう姫を見て、慌てて土下座をして謝る姿に衝撃を受け、花見の楽しさはどこかへ吹き飛んでします。そしてその帰り道、泥棒の疑いで暴行されていたのは初恋の相手でした。

それから数年の月日が経った頃、再びかつての求婚者たちが姫に要求された品を持って現れます。しかしある者は苦し紛れに偽物を用意したり、またある者は怪我をしてしまい段々と脱落していきます。

ついに死者まで出てしまい、姫は自分を責めました。しかしそんな姫の思いとは裏腹に、姫の美しさを聞いた時の御門までもが、姫に興味を示して求婚します。ですが姫は御門になんといわれようともイエスとは言いませんでした。

しかし、諦めきれない御門は、こっそり屋敷を訪れ姫を連れていこうとします。その瞬間姫の姿はかき消されますが、御門が謝ると再び姿を現します。そんな姫に御門は必ず迎えに行くと告げて帰ったのです。

本当に帰りたかった場所へ

御門がお忍びで現れてからというもの、姫はもの言いたげに月を見上げることが増えてきました。翁たちが問いかけると、姫は驚きの真実を告げたのです。なんと自分は月の住人で、御門に無理やり連れて行かれそうになった時にここにはいたくないと願ってしまったため、今月の十五夜には月から迎えが来るとの事。しかし姫は月へ帰りたくないと泣くばかりです。

幼い姫がわらべ歌で涙を流したのは、その歌は地上から月に戻された月の住人が、地上の記憶をなくし泣きながら歌っていたからでした。「今ようやくその人の気持ちがわかる」と告げる姫に、翁は姫の幸せだけを祈っていたと返します。しかし翁の考えた幸せは、姫にはとって不幸といえるものばかりだったのです。

翁と姫のすれ違いによって、月へ帰らなければならなくなった姫。しかし、「帰れるものならば帰りたい」とつぶやく姫が本当に帰りたい場所を媼は悟ります。そして屋敷の誰にも気づかれないように、こっそりと姫が本当に帰りたいと願った里山へ向かわせました。

以前は誰もいなくなってしまった里山でしたが、再び向かった里山には成長した幼馴染みたちが再び集まっており、初恋の少年捨丸と再会します。捨丸と再び会うことが出来てうれし涙を流し、彼とだったら幸せになれたかもしれないと思いましたが、捨丸との未来がないことも分かっていました。

それでも捨丸は一緒に生きようと告げます。二人は宙を舞いながら不思議な旅をし、手を繋いで抱きしめあいました。しかし月が現れると2人は離れ離れになってしまったのです。姫との逢瀬は夢だったのだろうと思い込んだ捨丸は、自分の妻と子供たちの元へ帰っていきました。

月へと帰るかぐや姫

ついに十五夜がやってきました。姫を守ろうと屋敷を警備する武士たちの元へ、月からの迎えが雲に乗ってやってきます。

月の使者は警備の武士たちを不思議な力で眠らせると、自我を無くした姫を雲の上へと連れて行きます。そのまま地上の記憶を忘れてしまう羽衣を着せられてしまう姫でしたが、屋敷内にいた女童の連れていた子供たちが歌うわらべ歌に我に返ります。

そして羽衣を着せられる前に翁と媼を雲の上に呼び寄せ、泣きながら別れを告げました。別れを告げた姫はそのまま羽衣を身にまとい、月へと帰っていったのです。

しかし、月へと向かう途中で姫は突然地球を振り返ります。羽衣を身にまとい地上での記憶はなくしたはずですが、姫の目には確かに涙が浮かんでいたのです。

映画『かぐや姫の物語』の作品情報

かぐや姫の物語のジャケット写真

レンタル開始日
2014/12/17
監督
高畑勲
出演(声)
朝倉あき 高良健吾 地井武男 宮本信子 高畑淳子 田畑智子 立川志の輔 上川隆也 伊集院光 宇崎竜童 二代目中村七之助 橋爪功
上映時間
137分
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映画『かぐや姫の物語』のユーザ評価

評価数:6293件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    竹取物語を題材に、迫力さと、繊細さを兼ね備えた画で、儚さや強さを感じました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    絵が美しい!! 感動するし、見て良かったと思えた。 優しい絵だけど、迫力がある場面では印象が全く違うと思った。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    高畑勲監督、恐らく最後にして最大の作品。アートアニメとしての絵のクオリティはもはや狂気的。氏はこの世の悲しみも苦しみも全て「これが現実だ」と視聴者に突き付けてくる。宮崎監督の方がまだ夢や作品の答えを明示しますが……映像作品としての素晴らしさは認めつつ、重すぎるストーリーには思わず目をそらしたくなるものも。
  • 評価 :★★★★★(5/5)素晴らしい作品です。それぞれの心情が時の流れとともに細やかに描かれていて、音楽がより気持ちを高めてくれます。かぐや姫の声もとても合っていて、喜怒哀楽に引き込まれました。エンディング曲は切なくてまた泣けてきます。高畑監督作品のNo.1です。このあと、作品が出来るまでのDVDをみるとより深く感動できます。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    かぐや姫のストーリーは知ってますが、思わず涙しました。さすがジブリ!

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おすすめの関連作品

「かぐや姫の物語」は、古典文学を原作に描いた作品ですが、本作オリジナルのキャラクターやエピソードも含まれているため、新鮮なストーリーとして味わうことができるでしょう。高畑勲監督は他にも「劇場版 赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」や「セロ弾きのゴーシュ」などの文学作品をアニメ映画化しています。

劇場版『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』の作品情報

赤毛のアングリーンゲーブルズへの道のジャケット写真

レンタル開始日
2010/11/17
監督
高畑勲
出演(声)
山田栄子 北原文枝 槐柳二
上映時間
100分
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劇場版『赤毛のアン グリーンゲーブルズ』のユーザ評価

評価数:290件
評価 :★★★☆☆(3.5/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    名作赤毛のアンはやっぱり名作だった!時代と年齢を問わず誰もが楽しめる映画
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    …アレ?これで終わり?ダイアナは?ギルバートは?ってなりましたが、パクさん、頑張りましたね!原作の空想部分を出来るだけ忠実に再現してます。
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    よくある総集編の劇場版じゃなく、話の序盤だけに集中したのが良かった。

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映画『セロ弾きのゴーシュ』の作品情報

セロ弾きのゴーシュのジャケット写真

レンタル開始日
2000/09/22
監督
高畑勲
出演(声)
佐々木秀樹 雨森雅司 白石冬美 肝付兼太 高橋和枝 高村章子 よこざわけい子 槐柳二 千葉順二 矢田耕司 橋本晃一 横尾三郎 峰あつ子
上映時間
63分
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映画『セロ弾きのゴーシュ』のユーザ評価

評価数:151件
評価 :★★★☆☆(3.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    音と映像がとても心地よい作品でした。高畑勲さんのかぐや姫の物語が好きな方には、おすすめのアニメーション作品です。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    かの有名な宮沢賢治作の小説を映像化したものです。 原作にかなり忠実に作ってあります。 まぁ、「インドの虎狩り」とかの曲は映像化するにあたって、別の人が作曲したらしいですけどね。 セロがうまく弾けなくて怒られてばかりいたゴーシュが、いろんな動物たちと会うことによって成長していく様は、見ていて飽きないです。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    「平成たぬき」や「ホタルの墓」の高畑勲の傑作です。いえ、日本アニメの傑作です。 この賢治の作品は映像にするのが難しいのです。 画だけなら何とでもなっても、もう一つの要素、音の扱いが難しいのです。 チェロの技術向上がオケの音に反映されるなど、1930年の日本の誰が作品に盛り込むでしょう。 それだけ賢治の音楽に寄せる愛情が深く、切実だったのです。 本当にたくさんの映像・舞台で演じられてきましたが、このアニメ版程、適切かつ憧れを持って描かれたものはありません。 これはひとえに、クラッシックの重鎮、間宮の腕なのでしょう。 そうしてその音楽に乗せて画面に息を吹き込んだスタッフの熱意こそがこの傑作を生んだと思います。 賢治の作品が大事な方は是非。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    かの有名な宮沢賢治作の小説を映像化したものです。原作にかなり忠実に作ってあります。まぁ、「インドの虎狩り」とかの曲は映像化するにあたって、別の人が作曲したらしいですけどね。セロがうまく弾けなくて怒られてばかりいたゴーシュが、いろんな動物たちと会うことによって成長していく様は、見ていて飽きないです。
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    意外に面白かったです。もちつもたれつ教訓もありの音楽も楽しめたし。このサイズが気軽に見れていいのかもしれないです。ジブリとはまた違った画のタッチも新鮮でした。

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