コクリコ坂からのジャケット写真

2011年に公開されたスタジオジブリ作品「コクリコ坂から」は、宮崎駿の息子である宮崎吾郎監督の作品です。

原作は佐山哲郎・高橋千鶴によって描かれた同名少女漫画で、1963年の横浜を舞台とした、高校生の爽やかな青春を描いたストーリーとなっています。ただし、原作の漫画とは主要キャラクターの名前が異なったり、映画オリジナルのキャラクターが登場したりします。

興行収入はおよそ45億円、第35回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞や、第29回ゴールデングロス賞日本映画部門優秀銀賞を受賞しました。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:宮崎吾朗
脚本:宮崎駿 丹羽圭子
出演(声):長澤まさみ 岡田准一 竹下景子 石田ゆり子 風吹ジュン 内藤剛志 風間俊介 大森南朋 香川照之

航海の無事を祈る信号旗

舞台は、東京オリンピック開催を翌年に控えた1963年の横浜。

海を見渡せる坂道の上に建っている下宿屋「コクリコ荘」は、高校生である松崎海が切り盛りしています。父親は朝鮮戦争で戦死し、母親はアメリカに留学していたからです。

朝一番に起きる海は、朝食の準備をして父の遺影に供えている水を変え、庭に建っているポールに「航海の安全を祈る」という意味の信号旗を上げます。その信号旗を見ていた同じ高校の生徒風間俊が「ありがとう」という信号旗を上げるのですが、海は気づいていません。

学業と家業と忙しくも充実した日々を過ごしていたある日、学校の新聞部が製作した新聞に匿名投稿で詩が載せられていました。その詩は信号旗を上げる自分のことを書いているのではないかと疑問に思う海ですが、匿名投稿のため真実を知る術はありません。

海の通う学校では、男子文化部の部室棟である「カルチェラタン」が老朽化によって取り壊される予定になっていました。しかし、部室棟を利用している生徒たちは取り壊しに反対し、反対運動を行っていました。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=9nzpk_Br6yo

カルチェラタン取り壊し反対運動

海は部室棟の取り壊しに反対するパフォーマンスとして、屋根から防火用水槽に飛び込んだ新聞部員の風間俊を助け、知り合います。妹の空から俊のサインをせがまれていた海は、一緒に部室棟へ向かってサインをもらうと、怪我をしている俊の作業を手伝います。

部室棟存続の集会が始まりますが、夕食を作らなくてはならない海は一足先に帰ります。夕食の買い忘れがあった海が飛び出すと、自転車に乗った俊に出会いました。俊は自転車に海を乗せ、お店まで連れて行ってくれたのです。

下宿人の一人である美大生から、海の上げる信号旗に返事をしている船の存在を知らされますが、まだ俊が信号旗の返事をくれていることには気づいていません。だんだんと彼に惹かれていく海は、体育館で行われている部室棟の取り壊し反対運動の様子を見学します。

取り壊し賛成派が多く苦戦を強いられている俊たちに協力できることはないかと考え、女子生徒に声をかけて部室棟の大掃除を計画します。老朽化していようと部室棟が綺麗になれば、学校側も取り壊しを思いとどまるのではないか、と考えたからです。だんだんと2人は、部室棟の取り壊し反対運動を通じてお互いに惹かれあっていきました。

コクリコ荘で行われた研修医の送別パーティーに俊たちを招待した海は、コクリコ荘を紹介しながら、船乗りであった父親の無事を祈って小さい頃から信号旗を上げていたことを話します。しかし、父親の写真を見せながら名前を教えると、途端に俊の様子がおかしくなりました。気まずい雰囲気のまま別れた2人ですが、家に帰ってから俊はアルバムから写真を1枚取り出します。それは、先ほど海から見せられた写真と同じものでした。

2人にのしかかる異母兄妹の事実

送別パーティーの日から、傍目にも分かるように海によそよそしくなった俊。そんな様子を親友にも怪しく思われていました。とうとう父親に写真を見せ、自分の本当の父親は澤村雄一郎なのだろうと尋ねます。俊は自分の息子だと告げる父親ですが、それでも子供を亡くしたばかりだった自分たちが、親友である澤村から俊を預かったという経緯を教えました。

海が学校からの帰り道に突然よそよそしくなった理由は何かと問い詰めると、海と自分は父親が一緒だと話し、戸籍も兄妹になっていることを告げます。ほのかな想いを抱いていた二人ですが、異母兄妹であることが分かってしまったため、今まで通り友達でいようと話します。

突然告げられる事実を受け入れきれず、海は寝込んでしまいました。しかし、その夜父親の夢を見たおかげで、気持ちを切り替えることが出来たのです。

そんな中、部室棟の大掃除が始まりました。今までは傍観者だった生徒の大半も、今回の大掃除で取り壊し反対派に変わっていきました。見違えるように綺麗になった部室棟ですが、海たちの努力も空しく、学校側の取り壊し計画が中止されることはありません。生徒会長からの特命を受け、海と俊は東京に住む理事長の元へ直談判に向かいます。

文字通り突撃したため、理事長のビルで長時間待つ羽目になりましたが、それでも理事長に直接話すことが出来ました。そして、理事長は部室棟の取り壊しは、実際に部室棟を見てから判断すると約束してくれたのです。東京からの帰り道で、海は自分のことを書いた詩を投稿したのが俊であること、返事の信号旗を上げていたことを知りました。2人は改めて、異母兄妹であったとしても好きだと、自分の想いを告げます。

父の友人が語る真実

アメリカに留学していた母親が帰国してコクリコ荘に帰ってきた日、海は母親に自分の異母兄妹である俊について尋ねます。すると、思ってもみない返事が返ってきました。俊は、海の父親が亡くなった友人夫婦から引き取った子供だったのです。本当は俊を自分の子として育てようとしていたため、戸籍も入れていました。

終戦後の混乱した日本では戸籍の厳密な調査も行わなかったため、友人の子を自分の子として届けることも可能でした。しかし、当時家が貧しかったことと、母親が海を妊娠していたことから、俊を親友である風間家に託したのです。まだ俊を異母兄妹だと思っている海は、母親に父親の子供だったらどうするのか尋ねます。すると母親は、本当にそうだったら会ってみたいけれど、お父さんに似ているのかと尋ね返します。その言葉に海は思わず泣き崩れ、母親に抱きつきました。

翌日約束通り部室棟を見に来た理事長は生徒たちの思いを汲んで、部室棟の取り壊しをやめ、クラブハウスは別の場所に建てることを約束してくれます。喜びに浸っていると俊の父親から、海の父親の親友が港に来ていることを告げられ、2人は飛び出すように港へ向かいます。

2人の持っている写真の3人目の人物である小野寺は、互いの父親について語ってくれました。そして、俊が風間家に引き取られた過程をきちんと語ってくれました。俊の本当の両親である立花夫婦が亡くなった時には船に乗っていた小野寺でしたが、もし海に出ていなければ澤村と同じ行動をしただろうと告げられ、海と俊は3人の絆の深さを知ったのです。

大きくなった親友たちの子供に会えてよかったと告げ、小野寺は長い外国航路の旅へと向かいます。異母兄妹ではないと分かった2人は、一緒にコクリコ荘の旗を見上げたのでした。

映画『コクリコ坂から』の作品情報

映画『コクリコ坂から』のジャケット写真

レンタル開始日
2012/06/20
監督
宮崎吾朗
出演(声)
長澤まさみ 岡田准一 竹下景子 石田ゆり子 風吹ジュン 内藤剛志 風間俊介 大森南朋 香川照之
上映時間
91分
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映画『コクリコ坂から』のユーザ評価

評価数:6484件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    昔の青春って感じでとても楽しかったです!特に学校のにぎやかさが今の時代にはない感じで面白かったです!
  • 評価 :★★★☆☆(4/5)
    高度経済成長期の日本の若者を描いた話でした。見ていて人間関係が、複雑で分かりづらく、見直したりしてました。でも、活気あふれる若者の姿は見ていてパワーをもらえるし、懐かしい感じがしました。終戦後の話でもあったため、家族を失ったりと悲しい過去がありますが明日を見て生きてく姿は良かったと思いました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ジブリ作品のなかでも特に好きな作品です。すごく良いです。風景がとてもきれいで、内容も甘酸っぱくて、切なくて。最高です。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    作中の曲がテンポよくて大好きです。朝ごはんの歌などは料理中にくちずさんでしまうほど。まさかの昼ドラ的な展開にびっくりしますが、何度も見返したくなる作品です。
  • 評価 :★★★☆☆(3/5)
    学生運動があった時代の、ノスタルジックな雰囲気を感じることができる映画です。ジブリっぽくない作品でしたが、これはこれでありかも。

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おすすめの関連作品

本作は宮崎吾郎監督のセカンド作品となり、ファースト作品は2006年に公開された「ゲド戦記」です。両作品とも主題歌は手嶌葵が担当しており、本作で俊役を担当した岡田准一は、「ゲド戦記」でもアレン役として出演しています。「コクリコ坂から」の主人公海役を担当した長澤まさみは、本作以外でも「君の名は。」の奥寺ミキ役・「ドラえもんのび太の宝島」フィオナ役などのアニメ映画に出演しています。

映画『ゲド戦記』の作品情報

映画『ゲド戦記』のジャケット写真

レンタル開始日
2007/07/04
監督
宮崎吾朗
出演(声)
岡田准一 手嶌葵 菅原文太 田中裕子 小林薫 夏川結衣 香川照之 内藤剛志 倍賞美津子 風吹ジュン
上映時間
115分
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映画『ゲド戦記』のユーザ評価

評価数:3176件
評価 :★★★☆☆(3.6/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    大好きなジブリ作品の中でも ゲド戦記はトップ3に入ります。なんたって楽曲が最高にいい。流れる楽曲に注目して見てほしい。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    初めは何故??父親を??息子が??誰?と?マークの連発でしたが、見ているうちになるほどなぁと…少し心理学の内容もチラホラ入ってるのかなぁと… なかなか難しい内容だなと思いましたが… 心にグッと語りかけてくる映画です。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ルグゥインの世界観をコンパクトにしたような手軽さが僕は好きです。 光と影、生と死。あらためて深い内容にこの尺でまとめる才能の凄さを感じます。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    テルーの唄がとても綺麗で好きです。心の闇もいろんな描写で表現されていてとても感慨深い話でした。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    生きることについて考えさせられるお話だなぁと思いました。テルーの唄が好きで借りたのですが色々素敵なシーンがあったので面白かったです。

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映画『君の名は。』の作品情報

君の名は。のジャケット写真

レンタル開始日
2017/07/26
監督
新海誠
出演(声)
成田凌 悠木碧 島崎信長 石川界人 谷花音 長澤まさみ 市原悦子
上映時間
107分
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映画『君の名は。』のユーザ評価

評価数:17487件
評価 :★★★★☆(4.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ミーハーをバカにして見なかったことを死ぬほど後悔している。たがいの名前を呼ぶ、たったそれだけの行為で世界の理不尽に立ち向かうことができるのだと教えてくれた。新海誠は変化したのではない、確実に進化している。
  • >評価 :★★★★★(5/5)
    物語の広げ方が上手いなと思った。話が進むにつれ引き込まれるし、ある事実が発覚したときには鳥肌も立った。とくにファンでもなかったが、見終わった後に劇中歌のRADWIMPSの曲を何度もリピートしていた。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    一度は誰もが感じたことがある恋愛をSFチックにした物語。ところどころにあるコメディと鮮やかな風景画は見るものを魅了している。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    大好きな作品です。2回観たら、謎解きがわかって、もっと楽しい。何回観ても素晴らしい。ストーリーも映像も満点です。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    タイトル そう言うことか! 時間の交差が、面白い。意味のないと思えることも、あの日のためだった!
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映画『ドラえもんのび太の宝島』の作品情報

ドラえもんのび太の宝島のジャケット写真

レンタル開始日
2018/08/01
監督
今井一暁
出演(声)
水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 大泉洋
上映時間
108分
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映画『ドラえもんのび太の宝島』のユーザ評価

評価数:2061件
評価 :★★★★☆(4.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    一見南海大冒険のように見えて全然違って面白い。過去作リメイクに頼らなくても安定して大ヒットし続けるようになり次回作のハードル高いのではと心配にもなる。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    映画館でも観ましたが、この作品は家族愛がとても感動で泣いてしまいました。感動シーンでの星野源の歌がとても合っていてさらに良かったです。他のお客さんも泣いてました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    のび太の発言がひとつひとつこころに染みます。クイズの問題が面白いです。 突然あらわれた島の正体は? 兄弟、のび太達は、父親を止めれるのか? あの時の幸せをとり戻せるのか? ちょっとでも目が離せない☆ 最高の映画です。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    子供の頃憧れた冒険を楽しめたようで満足でした。星野源の曲もピッタリはまっており、感動させられました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ドラえもんの映画は子どもだけじゃなく親も楽しく、今回の挿入歌の星野源さんの「ここにいないあなたへ」が良くて映画のPVで流れた時にもウルッとしました。最後の別れのシーンは感動しました。

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