耳をすませばのジャケット写真

「耳をすませば」は、スタジオジブリが送る青春映画の金字塔です。夢と現実のあいだで葛藤し、親とぶつかり、恋をする。傷つきながらも純粋に夢を追う主人公たちの姿に、どこか懐かしい気持ちがこみあげる物語です。

原作は柊あおいによるコミックスであり、それを近藤喜文監督、スタジオジブリ制作で映画化しました。

主人公・月島雫の声優を務めたのは、「おもひでぽろぽろ」にも出演した本名陽子。有名なエンディング曲「カントリー・ロード」も、作中と同じく本名陽子が歌唱しています。ほかにも、主人公の母・月島朝子役を室井滋が、重要キャラクター天沢聖司役を高橋一生が務めました。特に天沢聖司を演じた高橋一生は当時15歳であり、今の魅力とはまた違った若々しく爽やかな声を聞くことができます。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:近藤喜文
脚本:宮崎駿
出演(声):本名陽子 高橋一生 立花隆 室井滋 露口茂 小林桂樹

気になる少年、そしてバロンとの出会い

中学3年生の月島雫は、図書館勤めの父親の影響か、本が大好きで想像力が豊かな少女。現実的な姉に反発しながらも、友人や家族に恵まれ、中学生らしい明るい生活を送っています。そんな雫はいつも、借りる本の図書カードに名前がある「天沢聖司」が気になって仕方がありません。きっと素敵な人だろうと、恋愛に疎いながらも想像を膨らませます。

ある日、雫は友人の夕子に「カントリー・ロード」の日本語訳詞のできを相談します。「いいじゃない」と軽くこたえる夕子をしり目に、「こんなのありきたり」と納得いかない雫。憂さを晴らすように、冗談でつくった「コンクリート・ロード」という歌詞を見せ、2人で笑い転げます。ところが、ひょんなことから、それを知らない少年に読まれることに。恥ずかしがる雫に、少年は「コンクリート・ロードはやめたほうがいいよ」と言い捨てます。憤慨した雫は、「なんて嫌な奴!」と地団太を踏むのでした。

また別の日、図書館に父親の弁当を届けに行く途中、雫は不思議な猫に遭遇します。猫を追ってたどりついたのは「地球屋」というレトロなお店でした。古い楽器やアンティーク商品が並んだ店の中、机の上に置かれた美しい猫の人形。雫はその人形から目が離せなくなります。やさしい店主・西司朗からその猫の名は「バロン」だと教えられ、すっかりその店が気にいってしまうのでした。

いい気分で店を後にした雫の前に、自転車に乗った「嫌な奴」、以前嫌みを言ったあの少年が現れます。忘れ物だと弁当を雫に渡し、少年はまた嫌みを言って去っていきました。「地球屋」に忘れたお弁当をなぜ彼が? 雫の疑問は深まり、それと同時に不思議な少年が気になりだすのでした。

恋愛と夢に葛藤する雫

夏休み明け、どうしても「天沢聖司」が気になる雫は正体を調査します。ところがあっけなく分かりそうになり、混乱してなぜか逃げ出してしまうのでした。それと同時に、あの「嫌な奴」と学校で再会。そっけない態度をとられ、「嫌な奴」と思いながらもますます気にかかります。

そんななか、友人の夕子の電話に呼び出され夜の公園に向かうと、泣きじゃくる夕子が待っていました。理由を聞くと、思いをよせる杉村から別の男子へのラブレターの返事を催促されたとのこと。その鈍感さに怒りが抑えきれない雫は、翌日の放課後、話しかけてきた杉村をなじります。ところが杉村は逆に、雫のことが好きなのだと告白をしてくるのでした。鈍感なのは自分だったと雫は深く悩みます。

気をまぎらわすために向かった「地球屋」で、雫はまたしても「嫌な奴」である少年と再会します。彼は「地球屋」の店主の孫だと言い、雫を店内に招き入れました。少年がバイオリンづくりに没頭するさまを観察し、ともに「カントリー・ロード」を歌ううちに、ふさぎこんだ雫の心は次第に晴れていったのでした。「嫌な奴」が間違いなく「気になる少年」になったその時、ふいに彼こそが「天沢聖司」だと明かされます。憧れの人物と目の前の少年が同一人物だと知り、雫は大混乱。それでも、バイオリン制作者になりたいという夢を実直に語る聖司に心惹かれていくのでした。

翌日、聖司は学校で雫を呼び出し、腕試しとして2カ月間のイタリア修業が決まったことを告げます。出発はパスポートが取れ次第すぐ。思わず寂しい思いを口にした雫に、聖司は図書カードの真相を明かします。以前から雫が気になっていた聖司は、気がついて欲しくて先回りして本を読みあさっていたのでした。告白まがいのセリフに、雫は思わず赤面します。しかしクラスメイトのからかいもあり、その場は返事もできずに別れてしまうのでした。

その夜、雫は友人の夕子に自分の気持ちを打ち明けます。聖司に惹かれている。しかし、はっきり夢を持つ聖司に比べて、あまりにもぼんやりと生きている自分。これではつりあわない。夕子と話すうちに、雫は物語の執筆を決意します。それは、聖司につりあう自分になるため、自らに課した挑戦でした。

聖司と共に夢を追う! 執筆にのめりこむ雫

雫の物語の主人公は、強く心惹かれた美しい猫の人形バロン。西司朗からも許可を得た雫は、バロンの物語を書くため図書館で調べものに没頭します。そんな雫の目の前に聖司が現れ、あらためて「明日からイタリアに行く」と告げます。2人は目標を持ったもの同士、場所は離れても夢を追おうと約束して別れました。

周りが受験勉強に励むなか、雫はどんどん執筆にのめりこんでいきます。聖司が帰ってくる2カ月後までに、どうしても自分も物語を書きあげたい。熱い思いが筆にのり、生活はそれ一色に染まっていきます。授業にも身が入らず、家でも執筆ばかり。当然の結果として、試験の順位は著しく悪くなり、ついに親と話し合うこととなるのです。

現実的な進路を心配する親に、雫は懸命に「受験勉強よりも大切なものがある。今しかできない」と訴えます。雫の真剣な思いに、ついに両親の心も動き、「人と違う道は困難もある。それが分かっているのなら好きなようにしていい」と許可を出すのでした。

ついに完成した物語 帰国した聖司との再会

両親の許可を得て書きつづけた物語は、ついに完成しました。雫は一番に読んでもらおうと、「地球屋」の主人・西司朗のもとへ向かいます。読み終わった西司朗に感想を聞く雫。「良かった」という言葉が信じられず、本当のことを言うように詰め寄ります。懸命に書いた物語ですが、雫には自信がありませんでした。話も聞かず迫ってくる雫を、西司朗は静かに諭します。雫の物語は未熟で粗削りだけれども、素直な魅力にあふれている。ここからじっくりと磨いていけばいい。聖司のバイオリンに例えられたその感想に、ようやく雫は安堵し、瞳からは涙があふれるのでした。

その後、西司朗は雫にバロンにまつわる本当の物語を話して聞かせます。自分の物語にも通じる美しく悲しい話に、思いを馳せる雫。帰宅して、心配しながらも見守りつづけた家族に「明日からは受験生に戻ります」と告げるのでした。

翌日、早朝に目をさますと、窓の下にはなぜかイタリアにいるはずの聖司がいました。驚きながら外に飛び出していくと、帰国を少し早めたのだと言います。2人は自転車に乗って、聖司の「秘密の場所」へ向かうことにしました。道中、2人はさまざまなことを話します。聖司への思いを確信し、彼の背中に頭をあずける雫。聖司ひとりでは超えることが難しい坂道では、「お荷物にはなりたくない!」と後ろから懸命に自転車を押します。ついにたどりついた「秘密の場所」は、美しい朝日と町が一望できる場所でした。

美しい景色を眺めながら、聖司は雫にプロポーズをします。そんな聖司に、「そうなればいいと思っていた」と雫も微笑みかえすのでした。「雫、大好きだ!」聖司が素直な気持ちを叫び、「カントリー・ロード」が流れるなか、物語は終わりを迎えます。

映画『耳をすませば』の作品情報

映画『耳をすませば』のジャケット写真

レンタル開始日
2003/01/16
ジャンル
定番スタジオ(国内)
出演
本名陽子 高橋一生 立花隆 室井滋 露口茂 小林桂樹
上映時間
111分
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映画『耳をすませば』のユーザ評価

評価数:4790件
評価 :★★★★☆(4.2/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    さすが、宮崎駿の作品ですね!君の名はを見てがっかりしてましたが、また耳を澄ませばを見て、再度感動しました。もう五回は見ました。年代ごとに見方が変わりますよ!
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    最後がとにかくキュンキュンv 私にもないかなぁって夢に見ちゃうよね〜〜。歌を歌うシーンは一緒に口ずさんでしまう。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    大好きな高橋一生さんが子役の時の声で天沢聖司をやっていて見たのですが、とっても良かったです。最後の雫の家に聖司が行って。朝日を見に行くシーンがとっても好きです。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    これこそTHE青春!! 若さ溢れる二人の愛にとても感動しました! 私の好きな作品の一つです!
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ジブリのさわやかな青春ストーリー!進路や恋愛で悩む主人公しずくの物語好きで元気なキャラクターも愛せる作品です。

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おすすめの関連作品

「耳をすませば」と一番関連が深い映画と言えば、「猫の恩返し」です。原作が同じ柊あおいであり、「耳をすませば」の主人公・月島雫が執筆した物語が「猫の恩返し」であると位置づけられています。月島雫役を務めた本名陽子もクラスメイトのチカ役で出演、「耳をすませば」のキーキャラクター・バロンも登場と、関連する世界観を存分に楽しむことができるでしょう。

ジブリファンなら、同じく近藤喜文が作画監督を務めた「魔女の宅急便」、「おもひでぽろぽろ」もはずせません。どちらも青春に戻れる爽やかな映画です。「魔女の宅急便」では純粋な少女の挑戦が、「おもひでぽろぽろ」では27歳の大人の女性の葛藤が描かれています。「おもひでぽろぽろ」には、「耳をすませば」で月島雫を演じた本名陽子も出演しており、主人公・岡島タエ子の10歳当時の声を瑞々しく演じています。

映画『猫の恩返し』の作品情報

映画『猫の恩返し』のジャケット写真

レンタル開始日
2003年07月16
ジャンル
定番スタジオ(国内)
出演(声)
池脇千鶴 袴田吉彦 丹波哲郎 前田亜季 山田孝之 佐藤仁美 岡江久美子 佐戸井けん太 濱田マリ 渡辺哲 斉藤洋介 本名陽子
上映時間
75分
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映画『猫の恩返し』のユーザ評価

評価数:4449件
評価 :★★★★☆(4.0/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    小さい頃から大好きなお話です。可愛くて一生懸命なステキなネコたちに癒されます。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    猫好きには必見かと思い見てみました! ジブリは私にはホント心に響く作品ばかり‼︎リピートしてみたくなる‼︎ 紳士な猫 バロン最高‼︎‼︎
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    猫が好きなので、本当にこんなことがあったら嬉しい。癒されました。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    猫が可愛くて癒されました。結末が素晴らしく、もう一度借りたいです。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    日の当たる~坂道を~♪天気のいい日は鼻歌うたっちゃいます。猫のいいところ、悪いところ、ちゃんとキャラにでていて、いいですね。何度見ても和みます。

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映画『魔女の宅急便』の作品情報

映画『魔女の宅急便』のジャケット写真

レンタル開始日
2002/12/18
監督
宮崎駿
出演(声)
高山みなみ 佐久間レイ 山口勝平 戸田恵子 信沢三恵子 三浦浩一 関弘子 加藤治子
上映時間
103分
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映画『魔女の宅急便』のユーザ評価

評価数:10983件
評価 :★★★★☆(4.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ジブリ作品の中でも特に好きな作品の一つです。何度でも見たくなります。温かくもあり、切なさもあり。子供の頃も面白かったし大人になった今でも楽しめます。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    魔女のキキがほうきで空を飛ぶシーンは子どもなら誰しも一度は憧れることと思います(笑)優しいストーリーで子どもから大人まで楽しめる作品です。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    数年ぶりに見ましたがやはり良い作品です。数カ所で泣けました。こういう、人のあたたかさに触れた作品は見た後に余韻が残ります。期間をおいてまた見たいと思います。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    誰もが知っている魔女の宅急便。キャラも可愛く、猫も可愛い。主題歌も合っているので見てない人は一度は見た方がいい作品。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    ジプリ映画の中で一番好きな映画です。主人公の女の子と猫のジジの掛け合いや、挿入歌も懐かしくいつ見ても癒されます。

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映画『おもひでぽろぽろ』の作品情報

おもひでぽろぽろのジャケット写真

レンタル開始日
2003/04/16
監督
高畑勲
キャスト(声)
今井美樹 本名陽子 柳葉敏郎 伊藤正博 寺田路恵 山下容莉枝 三野輪有紀 北川智絵 仙道孝子 後藤弘司 石川幸子 渡辺昌子 伊藤シン 飯塚雅弓 押谷芽衣 小峰めぐみ 滝沢幸代 石川匡 増田裕生 佐藤広純
上映時間
119分
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映画『おもひでぽろぽろ』のユーザ評価

評価数:1692件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    山形の風景の緻密さに息を呑んだ。改めて観て演出力に感服。監督のご冥福をお祈りします。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    過去の回想シーンと現在のストーリーシーンが入り乱れて面白い。小学生のシーンの分数のやり取りが面白かったです。小学生の子供に見せると良い映画です。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    高畑勲監督の映画ではこれが一番好きです。大人になれば見方が変わるはず。特にラストはね。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    声優の方々の気持ちが非常にこもった良い映画です。ほかのジブリ作品に埋もれがちですが、ぜひ見て欲しいです。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    過去の回想シーンと現在のストーリーシーンが入り乱れて面白い。小学生のシーンの分数のやり取りが面白かったです。小学生の子供に見せると良い映画です。

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