日日是好日のジャケット写真

日日是好日は、森下典子氏のエッセイである「日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ」が原作の映画です。2018年に公開されました。

主人公の典子が、茶道をつうじて日々の繰り返しのなかで同じものはなく起きていることすべてが1度しかない大切なものであると感じるまでの成長を描いた物語となっています。
主演の黒木華さんが昭和の雰囲気にぴったりマッチしており、高い演技力も評価されて日本アカデミー賞で優秀主演女優賞を受賞しています。茶道を習っている方もそうでない方も、茶道の魅力を味わえる作品です。また、お茶の先生役として出演している樹木希林さんの遺作となりました。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:大森立嗣
脚本:大森立嗣
出演:黒木華 樹木希林 多部未華子 原田麻由 川村紗也 滝沢恵 山下美月 郡山冬果 岡本智礼 荒巻全紀 南一恵 鶴田真由 鶴見辰吾

お茶を習い始める典子と美智子

家族と住む典子(黒木華)の近くには、同い年であるいとこの美智子(多部未華子)がひとり暮らしをしていました。美智子は頻繁に典子のもとに遊びにいくほど仲良しです。ある日いつものように遊んでいると、ふたりに対して典子の母親が「お茶」を習ってみてはどうかと提案します。そのお茶の先生は近所に住む武田(樹木希林)という女性で、品が良いと評判の人でした。

学校が終わると家に帰るだけで習い事などをしていなかった典子は少し迷う部分はありましたが、普段仲良くしている美智子と一緒であればということで習うことに決めます。はじめてのお茶の教室へ向かうときが訪れました。武田先生の家は人気のない道をすぎた場所にあり、ふたりは近所というには少し遠い場所にある細い道を向かっていきます。進んだ先に看板のかかった家を見つけることができました。

武田先生の家の人はふたりを快く迎え入れ、しばらく部屋で待つように伝えます。武田先生を待っている間、部屋のなかを見ていましたが、いままでに見たことがない額縁や花が飾ってあり、わくわくしていました。そのなかに、「日日是好日」と書かれた掛け軸があります。武田先生は、訪れたふたりにお茶を出すと、今後は土曜日にお茶の教室を開催することを教えてくれます。

それからふたりは毎週土曜日に学校が終わると、色々な話をしながらお茶の教室に向かうようになりました。お茶の作法などを教わっているうちに、典子は「なぜ?」と思う部分がたびたびでてきます。分からないことを質問するものの、武田先生はまずはそういうものだと覚えてくださいというばかりです。

美智子は「形式主義ではないか」と反論するなど納得できない部分がありながらも、ふたりはお茶の習い事を続けていきます。こうしてお茶を続ける典子と美智子でしたが、あるとき美智子は数ヶ月海外に向かうことになりました。典子はもともと美智子と一緒だからお茶をはじめたこともあり、自分もお茶を休もうかと考えます。しかし、なんだか落ち着かずにひとりでお茶に向かうのでした。

美智子が海外から帰ってくるまでの間はひとりだけで行き、美智子が帰ってくるとまたふたりで行くようになります。学校の卒業が近づいてきたある日、典子は美智子と一緒に海へ向かいました。そこで将来の話をして、典子は美智子が希望どおりの就職先が決まったことを知ります。典子は何かを書く仕事がしたいと考えており、出版会社へ志望することを決めるのでした。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=ItnysMt_cBw

自分のなかでお茶を習うことが生活のひとつに

典子の出版会社の試験が1週間後に近づいた土曜日、試験前なのでお茶は休むと武田先生に連絡したのですが、なんだか行きたくなってしまいお茶の教室に向かいます。典子のなかで、気がつけばお茶の稽古が生活で外すことができないものになっていたのです。結果として典子は出版会社の試験に落ちてしまいます。

典子は何かを書くことを仕事にしたいと考えているため、ほかの就職先を探さずに卒業後にはアルバイトをしながらお茶を続けることに決めるのでした。しかし、美智子は就職に合わせてお茶の稽古から離れてしまいます。

アルバイトをしながらもお茶を続ける典子には、後輩が増えてきました。専業主婦の方や高校生など職業はさまざまです。だんだんと慣れてきた典子は、お茶が上達するだけでなく、お茶以外にも器など、周りのものを楽しむことができるようになってきました。

自分の居場所がなくなってきたと感じる典子

学校を卒業してからしばらくときは流れ、典子は30歳になります。ずっと楽しみながら続けていたお茶の稽古も、気がつけば後輩達に抜かれてしまっている状況です。変わらずアルバイトを続けており、書く仕事にはつけていませんでした。さらに武田先生にお茶のことで注意されることがあり、気がつけばどこにも自分の居場所がなくなってしまっているように感じていたのです。

美智子は数年前に結婚し、子どもが生まれていました。典子は長く付き合っていた彼氏がいて婚約もしていたのですが、結婚式の1か月前に裏切られてしまい別れることを決意します。その後、実家から少し離れた場所でひとり暮らしをすることを決め、新生活をはじめました。それでも典子は、アルバイトとお茶を続けています。

だんだんと忙しい日々になり、実家の家族とも疎遠になってしまう典子。あるとき、典子の父親(鶴見辰吾)が亡くなります。自分にとって大切な家族を亡くすという経験でしたが、そのような状況のなかでも、典子はお茶に向かいます。桜を一緒に見ながら武田先生と過ごすことで、だんだんと気持ちが落ち着いてくることに気がつきます。

さらに年数が過ぎ典子も武田先生も年を重ねていきますが、典子は昔分からなかったことが分かったような気がしていました。掛け軸の感じ方や季節ごとの雨の音など、日々同じことの繰り返しのように思えることを長く続けることで、感じ取れることが多くなっていたのです。

数十年かけて日日是好日の意味がわかった典子

ある日、お茶の新年行事である初釜に参加し、武田先生の親戚である雪乃(鶴田真由)という女性に会います。たまに見かけることがあり、ひっそりと雪乃に憧れをもっていた典子は、雪乃から武田先生の昔の話を聞くことができたのでした。非常に穏やかな感じのある武田先生が、過去にその師匠と距離を置いていたときがあったことを知り驚きます。

さらに、その師匠は命を落としてしまったという話を聞いて「一期一会」という言葉の意味を重く感じるのでした。同じ日や同じ人との出会いは一見繰り返しているように思えるけれど、全く同じものは二度とないことを悟ります。そして、その出会いを大切にしたいことからお茶に通っていた自分にも気がつくのです。

典子は、最初に武田先生を待つときからずっと見ていた掛け軸の「日日是好日」の意味が、数十年かけて分かったのでした。

日日是好日の作品情報

日日是好日のジャケット写真

レンタル開始日
2019/06/04
監督
大森立嗣
キャスト
黒木華 樹木希林 多部未華子 原田麻由 川村紗也 滝沢恵 山下美月 郡山冬果 岡本智礼 荒巻全紀 南一恵 鶴田真由 鶴見辰吾
上映時間
100分
日日是好日のユーザ評価

評価数:220件
評価 :★★★☆☆(3.9/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 樹木希林さんの演技が良かった。どんな役でも自分のものにするのが素晴らしい。お茶をもう一度習いたいなあと思った。
  • 『普通の女性が、茶道に触れながら大人へ成長する』という、黒木華さんの演技が、とても良かったです。樹木希林さんの存在感も、見事でした。全体的に静かな映画で、着物、茶道具、夏障子等の視覚的な美しさにも、惹かれました。
  • 美しい映画。ラストの言葉も余命わずかの樹木希林が言うと響く。もう少し主人公のお茶以外の私生活描写があればなぁ。

おすすめの関連作品

日日是好日は、豪華なキャストがそろっていることも魅力のひとつです。主人公の典子を演じている黒木華は、「どちらを」や「来る」などの映画にも出演しています。「どちらを」は、自分の父を知らない息子と、父に会うか選ぶという旅に誘った母の物語です。「来る」は、岡田准一が主演のホラー映画で、澤村伊智氏の小説を映画化しています。

武田先生を演じているのは、今は亡き樹木希林です。人生の最後を映画にしたドキュメンタリーの「樹木希林を生きる」が最後の主演ですが、「命みじかし、恋せよ乙女」で女将役として出演するほか、企画まで担当した「エリカ38」など多くの作品に出演しています。

今作品の監督である大森立嗣の代表作は、2017年公開の「光」、2016年公開の「セトウツミ」、2013年公開の「さよなら渓谷」などです。俳優の大森南朋の弟であり、2011年「かぞくのくに」、2015年「俳優 亀岡拓次」には俳優として出演しています。ほかにも、高校生の青春ドラマの「タロウのバカ」などもおすすめの作品です。茶道を習っている方や今作品で興味をもった方などが楽しめる映画として、「父は家元 遠州流茶道 綺麗さびの世界」があります。

来るの作品情報

来るのジャケット写真

レンタル開始日
2019/07/03
監督
中島哲也
キャスト
岡田准一 黒木華 小松菜奈 青木崇高 柴田理恵 仲野太賀 志田愛珠 蜷川みほ 伊集院光 石田えり 松たか子 妻夫木聡
上映時間
134分
来るのユーザ評価

評価数:977件
評価 :★★★☆☆(3.6/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 枯れた演出が好きなので私個人はとてもストライクな作品でした。 結婚式のシーンは鳥肌が立つほどリアルなうわーあるよねこういう結婚式という皮肉で もあり、かけがえのないものでもあるという現代社会の呪いと逸話である呪いがミックスしたとても興味深いテーマでした。
  • 原作を読んでいたのでストーリーはしっていたがかなり上手に再現されている 独特の音楽や映像表現が多いが邦画のレベルでここまで楽しめるホラーは久しぶりかも ただし最後らへんは…と思った といっても久々に興奮できた。
  • かなりの長編で、オカルト映画としては、ストーリーが複雑に絡み、恐怖だけで無く内容も面白かったと思う。 恐怖に実態が無く、代表的なジャパニーズホラーと言えると思う。 強さは貞子を超えるか? 子供が成長した続編を希望。 あるいは、松たか子が、いろいろなジャンルの怨霊と戦う連続ドラマがあっても良いと思う。

命みじかし、恋せよ乙女の作品情報

命みじかし、恋せよ乙女のジャケット写真

レンタル開始日
2020/02/18
監督
ドーリス・デリエ
キャスト
ゴロ・オイラー 入月絢 ハンネローレ・エルスナー エルマー・ウェッパー 樹木希林
上映時間
117分

セトウツミの作品情報

セトウツミのジャケット写真

レンタル開始日
2016/12/02
監督
大森立嗣
キャスト
池松壮亮 菅田将暉 中条あやみ 鈴木卓爾 成田瑛基 岡山天音 奥村勲 笠久美 牧口元美 宇野祥平
上映時間
75分
セトウツミのユーザ評価

評価数:3933件
評価 :★★★☆☆(3.8/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 一言で言うならば「シュール」。観ながら何度も、シュールだなぁと思った。自分に置き換えて、毎日同じ友達と話せるかと考えてみると、できないかも?と思う。 頭を使わないで観られて、それでいて楽しめて、観やすいです。
  • 原作を読んだ人も読んでない人もオススメできる作品、瀬戸と内海の会話劇がメインでそのセンスの良さがヤバイ 笑あり、感動ありの学生青春劇です。
  • ほんとに喋るだけの映画なのにそれだけで笑わせられるこの作品と主人公の方はほんと凄いなと思ったし、いい映画を観れてよかったです。

さよなら渓谷の作品情報

さよなら渓谷のジャケット写真

レンタル開始日
2014/01/22
監督
大森立嗣
キャスト
真木よう子 大西信満 鈴木杏 井浦新 新井浩文 木下ほうか 三浦誠己 薬袋いづみ 池内万作 木野花 鶴田真由 大森南朋
上映時間
116分
さよなら渓谷のユーザ評価

評価数:5004件
評価 :★★★☆☆(3.2/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 今最も注目すべき、原作・吉田修一。「悪人」「パレード」「横道世之介」など、近年映像化が相次ぎ、またそれらが悉く評価を受けている、吉田修一の小説。本作の真髄は、徹底的に考え抜かれ、巧妙に書き出された「境涯と関係」にある。それに育まれた「行動と心理」がたどる骨太の物語には、うむむと唸らずにはいられない。そして、万全の表現者達が結集した映画の、渓谷が語らせた最後の台詞に、いまなお唸り続けている。
  • 良いですね。 何てコメントしたら良いか言葉は浮かびませんが、心に響きます。 真木よう子、大森南朋はもちろん、この大西信満さんって俳優さんも良いですね。 キャタピラーも観ましたし、赤目四十八瀧心中未遂でもかなり印象に残ってた俳優さんでしたが、この作品では更に良い空気感出してました。
  • 吉田修一の大ファンです。 真木よう子のかなこがここまでイイとは意外でした。 原作小説を読んだ後の映画鑑賞は大抵ガッカリさせられることが多いですが、 この作品は映画は映画なりに惹きこまれました。 気になる人は予告編原作を見ていない状態で見てほしい気もします。 回想シーンでこの映画にさらにのめりこめると思います。

かぞくのくにの作品情報

かぞくのくにのジャケット写真

レンタル開始日
2013/03/22
監督
ヤン・ヨンヒ
キャスト
安藤サクラ 井浦新 ヤン・イクチュン 京野ことみ 大森立嗣 村上淳 省吾 塩田貞治 鈴木晋介 山田真歩 井村空美 吉岡睦雄 玄覺悠子 金守珍 諏訪太朗 宮崎美子 津嘉山正種
上映時間
100分
かぞくのくにのユーザ評価

評価数:616件
評価 :★★★☆☆(3.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 在日朝鮮人。 日本人は、在日と聞くだけでなにを思い浮かべますか? 朝鮮人に生まれ、朝鮮で暮らす兄 朝鮮人として生きる父 そんな家族のアイデンティティに悩む妹 日本人の私たちには分からない 彼らの苦悩と葛藤のストーリー 涙なしには見られません。 そして改めて価値観を考えさせられる映画です。 私たちはこの現実から逃げてはいけない。 たとえ国は違くても親が子を愛するのは一緒だ。
  • 切ない、でも、どうしようもない。 舞台は1997年の日本です。 私は知りませんでしたが、昔、北朝鮮が楽園と言われて在日韓国人がたくさん北朝鮮に移住したとか…。しかし、それは間違いで、今のイメージの北朝鮮と何らかわりなく、独裁制件の温床だったわけで。 1997年、私は何をしていたかというと高校三年生でした。日本情勢はと言えば、米不足とかで大変だったとかそんな感じですかね。日本は本当に平和ですね。 私には現在息子が一人いますけど、やはり母目線でみたら泣けて泣けて仕方がないですね。 あと弟が一人いますので、兄妹目線で見ても泣けるのです。
  • とてつもなく緊張感のあるファミリー・ドラマであると思う。 主役の兄妹を演じた井浦新、安藤サクラは、それぞれ静かな中にも激情を孕んだ凄みのある演技で感動的だ。