北の桜守のジャケット写真

「北の桜守」は、樺太に住む家族が戦争によって離れ離れになってしまう物語です。「北の桜守」は北海道を舞台にした、吉永小百合を主演とする「北の三部作」として公開されている最後の映画です。前々作である「北の零年」は明治時代の初期を描き、北海道への移住を命じられた稲田家の物語で共演は渡辺謙。前作の「北のカナリアたち」は礼文島と利尻島を舞台にしたミステリー作品で、共演は柴田恭兵というキャストになっています。

いずれも北海道が物語の舞台となっており、札幌や網走、北見といった各地域が出てくるため、北海道に住んでいる、もしくは出身の方などは、より楽しめる作品です。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:滝田洋二郎
脚本:那須真知子
出演:吉永小百合 堺雅人 篠原涼子 岸部一徳 高島礼子 永島敏行 笑福亭鶴瓶 中村雅俊 安田顕 野間口徹 毎熊克哉 土屋慶太 阪本颯希 菅原大吉 螢雪次朗 大出俊 阿部寛 佐藤浩市

樺太から北海道に移住する江蓮一家

江蓮家の父親である徳次郎は、樺太にて製材所を営む一家の大黒柱。妻の「てつ」とふたりの息子の4人で暮らしていましたが、ある日樺太にソ連軍が攻めて来ることがわかり、徳次郎は軍隊の一員として戦地へ向かうことが決まりました。彼は家には桜の種を植えており、家を出るときには「家族4人でそろってきれいな桜を見よう」と家族に約束し、妻であるてつに家の表札を託します。
残された3人の家族は北海道の網走に向かい、それまでの裕福な生活から一変した苦しい日々を過ごすこととなるのでした。

家族は北海道でヤミ米の流通を仕切る菅原という男性からサポートを受けつつ仕事を手伝うなどして、なんとか生活を送れている状態でした。ときにはヤミ米屋が見つかってしまい警察に捕まりそうになるといったこともありましたが、母親のてつ達を昔からよく知っている山岡という人物に助けられ、この壮絶な日々を乗り越えていきます。

次男の修二郎は、小学校に入ると新聞配達の仕事やヤミ米の流通を手伝うなどして家族の生活を支えますが、裕福な暮らしとは程遠く、衣服もボロボロです。そうした環境のため、同級生達にいじめられることもありました。そんな修二郎を見たてつは、いじめる子どもにやり返してやれ!と強くあるように言います。トレーニング用にグローブをつくったこともありました。

過酷な環境にもめげず、親子で支えあって暮らしていたある日、父親の徳次郎が亡くなったという報告が届きます。しかし遺骨もなかったため、てつはその報告を受け入れようとはしませんでした。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=4XOMwnlyQmQ

北海道の貧しい生活からアメリカへ旅立つ修二郎

てつは菅原から金銭的な援助を受け、食堂を営むことにしました。日を追うごとにてつのつくるおにぎりが人気を集め、食堂の経営も軌道に乗るなど、辛い日々だった一家に、やっと安定した生活が訪れます。

無事に修二郎が学校を卒業する際、てつは「家を出て、母親である自分のことを忘れて幸せになるように」と伝えます。修二郎は見捨てられたように感じてしまい辛い思いをしましたが、18歳にして、ひとりアメリカへ向かいます。

修二郎はアメリカでさまざまなことを学び、紆余曲折しながらも出世し、アメリカのコンビニチェーン「ミネソタ24」のオーナーの娘である真理と結婚します。このコンビニチェーンの日本への出店が決まり、真理と一緒に札幌に戻ることになったのです。第一号店は当時珍しかったホットドッグなどを販売し、日々大盛況となりました。

成功している修二郎の一方で、実家のてつは再び辛い日々を送っていました。営んでいた食堂は無許可営業、かつ仮設住宅であったことから撤去されてしまったのです。修二郎がてつのいる網走に帰ったとき、てつはボロボロの家で家具などもない中、ひとりで徳次郎を待っていました。その変わりように修二郎は驚きます。

てつとずっと接してきた山岡の話を聞くと、認知症と思われる言動が増えていることが分かりました。修二郎は札幌の自宅へてつを連れて帰ることを決めます。

修二郎の妻・真理は突然の義母との同居、さらに、てつの様子がおかしいことに困惑してしまいます。てつは病気ではないと言い張る修二郎と真理の間にも亀裂が入り、病院でてつを診てもらうことになりました。診断は、認知症ではなく、戦争によるPTSDではないかというものでした。

日本で出店している修二郎のお店は物珍しさがなくなったため客が減ってしまい、修二郎が社員と協力して試行錯誤していました。ある日てつのおにぎりを久しぶりに食べた修二郎は、お店の商品におにぎりを加えることを思いつき、売上を戻すことに成功します。

旅立つてつとそれを追う修二郎

てつのことを気にしながら、なんとかお店を切り盛りしている日々の中で、アメリカの本社オーナーである真理の父親が修二郎の店舗へ視察に来るという知らせが入ります。それを聞いたてつは自分がいることで息子に迷惑をかけると思い、家を出てしまうのでした。

なんとか修二郎はてつを見つけるものの、その様子を見て、オーナーが来るにもかかわらず一緒にてつの旅についていくことを決めました。そして真理の父親が来日したとき、真理は修二郎とてつの関係は異常だと伝えます。しかし真理の父親は親孝行だと修二郎を高く評価して、アメリカへ戻っていくのです。

修二郎は、てつが徳次郎の顔を思い出せなくなっていることに気付きます。そうした中、ふたりで海に行ったとき、てつのある記憶がよみがえり、修二郎は自分の兄について新たな事実を知るのでした。
実は樺太から北海道に向かう途中、魚雷の攻撃を受けててつと修二郎、そして兄である征太郎が海に落ちていたのです。征太郎はてつと修二郎を助けるために浮き輪へ向かいますが、波に飲まれてしまいました。この記憶を思い出したとき、てつは気を失ってしまい、その後入院してしまいます。

そんな折、修二郎は山岡から父親である徳次郎の話を聞きます。彼いわく、徳次郎と一緒に戦地へ向かったものの、シベリアで抑留されている際に虚偽の密告をして自分だけ助かり、徳次郎含む他の仲間は皆死んでしまったということでした。山岡は虚偽の密告をずっと悔やんでいたのです。

てつが徳次郎の記憶を塞いでしまう中、徳次郎の顔を思い出させるために山岡はてつに徳次郎の写真を見せたところ、てつは病院から抜け出してしまったのです。慌ててみんなで、てつがいると思われる場所を探しました。

てつを探している最中、さまざまな場所で修二郎がいない間のことが判明します。修二郎がてつに送っていたお金は、知人の光江に貸したまま返ってきていないことや、菅原がてつにプロポーズをしたが修二郎を待っていると断ったことなど、修二郎には衝撃的なことばかりでした。多くの事実を知るも、結局てつの居場所は分かりません。

約束どおり家族が桜の木にそろう

てつが姿を消してから数年後、修二郎と真理の間には子どもが生まれ、ミネソタ24も日本で100以上の店舗が建つなど順風満帆でした。アメリカでも修二郎の活躍が認められています。そんなある日、てつと思われる人物が発見されたと連絡が入り、急いで修二郎と真理はその場所に向かいます。

その場所は北見にある桜の木でした。てつは桜守をしており、話しかけた修二郎のことを徳次郎と思い込み、預かっていた江蓮家の表札を修二郎に渡します。てつには兄の征太郎の姿も見えており、徳次郎との約束であった「家族4人でそろってきれいな桜を見る」という約束が叶った状態となりました。

こうして、戦争に振り回れた家族がそろうシーンで物語は終わります。

北の桜守の作品情報

北の桜守のジャケット写真

レンタル開始日
2018/10/03
監督
滝田洋二郎
キャスト
吉永小百合 堺雅人 篠原涼子 岸部一徳 高島礼子 永島敏行 笑福亭鶴瓶 中村雅俊 安田顕 野間口徹 毎熊克哉 土屋慶太 阪本颯希 菅原大吉 螢雪次朗 大出俊 阿部寛 佐藤浩市
上映時間
126分
北の桜守のユーザ評価

評価数:263件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 過去を思い出すのは回想ではなく、 キャストが舞台上で演じるという劇団演出のシーンがありました。 斬新でとてもよかった。 最終章にふさわしい作品となったと思います。 ひきあげ者は飢えに苦しみますが北海道、樺太ですから飢えのほかに寒さも… 辛い記憶を抱える母を支える、堺雅人さん素敵でした。 その罪は罪なのか。 罪なんかじゃないよ母さん… 泣けました… そしてやっぱり思った。 吉永小百合さんは永遠に不滅です
  • ミュージカルの様な描写に最初は少々戸惑いましたが、感動的な作品でした。世の中の不条理や恩義等々についていろいろと感じる場面が多かったです。
  • とても悲しい時代の出来事がすごくリアルに描かれていて、俳優達の演技力にも驚きました。

おすすめの関連作品

今作品の監督は滝田洋二郎で、公開が近い作品としては2017年に公開された、天才料理人が幻のレシピを探すストーリーの「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」があります。この作品の主演は二宮和也です。

他にも、代表的な作品として、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞し、300万人以上の観客動員数を誇る「おくりびと」もあります。「おくりびと」は葬儀の際に遺体を棺に納める「納棺師」という職業を描いた作品です。

てつの次男である修二郎を演じた堺雅人の作品を見たい方は、コミックを映画化した「DESTINY 鎌倉ものがたり」や、犬と保健所の職員を描いた「ひまわりと子犬の7日間」などもおすすめです。

おくりびとの作品情報

おくりびとのジャケット写真

レンタル開始日
2009/03/18
監督
小山薫堂
キャスト
本木雅弘 広末涼子 余貴美子 杉本哲太 峰岸徹 山田辰夫 橘ユキコ 吉行和子 笹野高史 山崎努
上映時間
130分
おくりびとのユーザ評価

評価数:761件
評価 :★★★☆☆(3.9/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 海外にも葬祭の作法はあります ただ、亡き人への深いお見送りは日本ならではですね。 本木さんの演技は奥ゆかしく、地味に丁寧に仕事をこなすプロを見ている様でした。 葬儀での振る舞いや礼儀を知らない日本人も多い昨今、最低限の常識、礼儀は覚えてほしい。
  • テーマは旅のお手伝い。 最初は暗い感じの内容かと思いみていました。 見ているうちにとても奥の深い仕事だと痛感しました。 熱い心を持ち仕事に励んでいる人の様が描かれ、自分と照らし合わせ、仕事や色々な人に対する気持ちを改めるきっかけになりました。 主役の本木雅弘さんが自ら強く望んで作られた作品らしくその熱い気持ちが伝わって来ました。 アカデミー受賞しており沢山の方が感銘を受けたんだと思いました。 悩みが絶えない毎日ですが、また頑張ろうという気持ちになる作品でした。
  • 人の死について今までの映画とは違う職業と言う観点から色々と考えさせられる作品となっています。多くの賞を受賞しただけの事はあります。感動します!!

DESTINY 鎌倉ものがたりの作品情報

DESTINY 鎌倉ものがたりのジャケット写真

レンタル開始日
2018/06/06
監督
山崎貴
キャスト
堺雅人 高畑充希 堤真一 安藤サクラ 田中泯 中村玉緒 市川実日子 ムロツヨシ 要潤 大倉孝二 神戸浩 國村隼 古田新太 鶴田真由 薬師丸ひろ子 吉行和子 橋爪功 三浦友和
上映時間
129分
DESTINY 鎌倉ものがたりのユーザ評価

評価数:3184件
評価 :★★★★☆(4.2/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 奇妙な妖怪と人間の世界が不思議で少し怖かったですが、こういう類いの映画は、こどもも楽しめて良かったです! 巡り会った愛は、前世から続く素晴らしい愛で、ステキな夫婦愛でした!
  • 現実とファンタジーが混ざったような不思議な世界観だった。黄泉の国がとても美しかった!
  • 最初はふざけた作品かと思った。鎌倉は魔物が住んでいるとか、え?って思った。でも映像も綺麗な中で2人の愛がとてもキレイに描かれている。堺雅人の演技はさすが。歳下妻役の高畑さんも幼いながらの可愛いさ、逞しさを演技しきれていた。心が疲れてる時に気持ちよくみれる作品。

ひまわりと子犬の7日間の作品情報

ひまわりと子犬の7のジャケット写真

レンタル開始日
2013/08/07
監督
平松恵美子
キャスト
堺雅人 中谷美紀 でんでん 若林正恭 吉行和子 夏八木勲 草村礼子 左時枝 近藤里沙 藤本哉汰 檀れい 小林稔侍
上映時間
117分
ひまわりと子犬の7のユーザ評価

評価数:3151件
評価 :★★★☆☆(3.7/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 人間の身勝手で捨てられた犬たちが、7日間の期限を過ぎて殺処分されてしまうシーンには胸が傷みました。 ただ可愛いだけじゃなく、最期まで責任を持つつもりで、飼ってもらいたいと、願うばかりです。 献身的に世話をする主人公の必死な姿や家族の絆に、とても心が温まりました。
  • 犬の映画といっても、現実的なテーマで保健所の”殺処分”に関わるお話。単に 動物好きの人がその可愛さを求めて見るタイプの作品じゃない。 山田洋次監督と共に映画を作ってきた平松恵美子のデビュー監督作らしいが、 あまり作風が似ているようには思えなかった。いい話だとは思うが、感動とまではいかなかった。どちらかというと子供の教育として見せたいタイプの作品。ペットを飼うということは、同時に最後まで面倒をみる義務が伴うことを教えるにはいい教材だと思う。
  • これは沢山の人に観て欲しい作品です。こうしている今も沢山の動物達が人間の身勝手で殺処分という窒息死をさせられてます。法律でも動物は”物扱い”私達人間と同じひとつしかない命を持っているのに、どうして”物扱い”なんでしょう。今、動物を家族にしている人もこれから動物を家族に迎える人もこの映画を観て命の重たさを考えて欲しい。願わくば日本から殺処分と生体販売がなくなって保護犬保護猫を迎えるのが当たり前の世の中になって欲しいです。