千と千尋の神隠しのジャケット写真

2001年に日本で公開されて以来、ジブリ作品としてトップクラスの人気を誇り、現在において日本歴代興行収入1位の『千と千尋の神隠し』。

今や「知らない人はいない」と言われる大作映画ですが、制作のきっかけは監督・宮崎駿が「友人の少女に贈りたい」という小さな想いでした。

10歳の少女・千尋が両親の車に乗り、古ぼけたトンネルを潜り抜けるとそこは見たこともない世界。

そんな川端康成の『雪国』を彷彿とさせる異国感を味わうことができる不思議な世界観は、公開後、約20年が経た今でも色あせず魅力的な風景として描かれています。

ここからネタバレ!閲覧にはご注意ください!

スタッフ・キャスト

監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
出演:柊瑠美 入野自由 夏木マリ 菅原文太 内藤剛志 沢口靖子 上條恒彦 小野武彦 我修院達也 神木隆之介 玉井夕海 大泉洋 はやし・こば

トンネルを抜けるとそこは八百万の神の世界

物語の始まりは、両親とともに引越し先の新居へ向かっているところから。千尋はまだ小学4年生で、友達との別れから切り替えられておらず、落ち込んでいました。

父親が運転する車はどんどん山道を進んでいきます。どうやら行き先を間違い、道に迷ってしまったようでした。

3人の乗る車はゆっくりと停車。目の前に古びたトンネルが現れたからでした。

車から降りた千尋の父母は、トンネルに吸い込まれるように入っていき、最初は車から降りることを渋った千尋も後を追うように入っていきます。

トンネルを抜けた先には広大な草原が広がっています。

「やっぱり間違いないな。これはテーマパークの残骸だよ。」
「90年頃にあっちこっちでたくさん計画されてさ。バブルがはじけてみんな潰れちゃったんだ。」

見たこともないトンネルの先に広がる風景に1人納得したかのように呟く父。両親はさらに奥へ進んでいきます。

まさにテーマパークのような建物が立ち並ぶ一角で、両親は急に飲食店に入っていきました。そして、断りもせずカウンターの前に置かれている食べ物を貪り始めるのです。

そんな両親に不気味さを感じた千尋は、両親から離れて立ち並ぶ街並みを眺め歩いていました。


出典:https://www.youtube.com/watch?v=ByXuk9QqQkk

ハクとの出会い 命名は「千」

千尋が歩いていると、急に男の子が現れ、強い口調で叫びます。

「ここへ来てははいけない。すぐ戻れ!」
「じきに夜になる。その前に早く戻れ!」

急に強い口調で怒鳴る男の子に反感を覚えつつ、急ぎ両親のもとに戻ると、2人の姿は豚になっていました。

両親は、八百万の神様のために作られた食べ物を無断で口にしたために、罰として姿を豚に変えられてしまったのです。

両親の姿を見て恐ろしくなった千尋は逃げようとしますが、徐々に姿が透けていき、消えそうになっていきます。

そこに再び現れた先ほどの男の子。千尋をかばい、こう言います。

「怖がるな。私はそなたの味方だ」
「口を開けて、これを早く。この世界のものを食べないとそなたは消えてしまう」

そういって男の子は千尋の口に食べ物を含ませました。そうすると千尋の体は元どおりになりました。

その後、男の子は千尋を温泉宿に連れ帰ります。

温泉宿の名前は「油屋」。湯婆婆という魔女が女将を務める温泉宿で、ここには八百万の神様が湯治を目的として訪れます。

男の子は「仕事を持たない者は姿を豚や石炭に変えられてしまう」と千尋に忠告。そして、知り合いの釜爺の元へ連れていきます。

その釜爺の助言に従い、千尋は仕事をもらうために湯婆婆に会いに行くこととなりました。

湯婆婆は横柄な態度で千尋に接し、名前が贅沢だと言い、千尋のことを「千」と名付けました。

千にとって大変な1日が終わり、太陽が出始めたころ、ハクが会いに来ました。

両親に会わせてあげようというハクに付いて行った千でしたが、目の前にいるのは豚。思わず千は泣いてしまいます。

そんな両親の姿を見て涙を流す千に、ハクは優しく声をかけておにぎりを与えました。

カオナシの登場

千は温泉宿で働き始めます。一生懸命に働く千に対して、無理難題を押し付ける従業員たち。腐れ神の世話を押し付けられ大変な思いで接待をするなど、皆が嫌がる仕事をどんどん振られてしまいます。

そんなある日、千は温泉宿の橋の前に佇む不思議な神様を見つけました。客かと思い室内に案内する千。その正体は「カオナシ」でした。

カオナシは手から黄金を生み出しては温泉宿にばらまき大盤振る舞い。従業員たちはそんなカオナシを上客だとみなし、手厚く接待をします。しかし、この黄金は後に偽物であったことが分かります。

カオナシや黄金に興味を持てない千は1人部屋に戻りますが、そんな時に瀕死の竜を見つけました。

その竜を見た千は思わずこう叫びます。

「ハクー!こっちよー!」

千はその竜をハクだと知らなかったのに、自然と「ハク」と呼んでいたのです。そして、ハクらしき竜は温泉宿に入り込みます。

竜を追うために千は龍が入って行った部屋へ向かいますが、その途中でカオナシと遭遇。千の気を引くために黄金を手一杯生み出しますが、それを無視して千は部屋へ行ってしまいます。

カオナシは千を追うために従業員の静止を振り払って暴走。偽の黄金でおびきよせた従業員たちを丸呑みしながらハクを追いかけていきます。

一方、千はボイラー室まで逃げ込んだハクを見つけることができました。

千は、ハクが銭婆の契約印を盗んだことで、銭婆から呪われてしまったことを知ります。千はハクが銭婆に許してもらえるように契約印を返しに行くことに決めました。

しかし、巨大化したカオナシが千の前に立ちはだかります。千は怯まず、カオナシに苦団子を差し出しこう言いました。

「わたしを食べるなら、その前にこれを食べて。本当はお父さんとお母さんにあげたかったんだけど、あげるね」

苦団子を食べたカオナシは苦しみだし、飲み込んでいった従業員を吐き出していきます。そして元の姿にすっかりと戻ってしまったのです。

そして、銭婆の家に向かう千。カオナシや湯婆婆のペットの鳥たちも同行します。

ついに千は無事に銭婆に会うことができました。契約印を返すと、すっかり元気になったハクが千たちを迎えに来ました。

クライマックス ハクと千が海へ落下

竜の姿となったハクの背中に乗る千たち。そこで千は幼い頃に母から聞いた言葉を思い出し、言いました。

「ハク、聞いて。お母さんから聞いたんで自分では覚えてなかったんだけど、私、小さいとき川に落ちたことがあるの。その川はもうマンションになって、埋められちゃったんだって。でも、今思い出したの。その川の名は、その川はね、琥珀(こはく)川。あなたの本当の名は、琥珀川!」

その言葉を聞いた瞬間、ハクの鱗はポロポロと剥がれ始め、徐々に人間の姿へと戻っていきます。

「千尋、ありがとう。私の本当の名は『ニギハヤミコトコハクヌシ』だ」

人間の姿となって飛べなくなったハクは、千と手をとって大空から海へ落下していきます。

ハクとともに温泉宿に戻った千。湯婆婆が千に向けてこう言います。

「この中からお前のお父さんとお母さんを見つけな。」
「チャンスは1度きり。当てられたらお前たちは自由だよ。」

豚小屋の中のたくさんの豚を見て、千は呟きました。

「この中にお父さんとお母さんはいない。」

そう、湯婆婆は千を手放したくない一心で罠を張っていたのです。しかし、そんな罠に引っかからず、千はお父さんとお母さんがいないということを見事に言い当てることができました。

めでたく湯婆婆のもとから解放された千とハク。見覚えのある草原の前まで歩き、ハクは千に言いました。

「この先には私は行けない。」
「トンネルを出るまでは絶対にこっちを振り向いちゃダメだよ。」

その言葉に従い千尋はトンネルを出るまでまっすぐ前を向いて歩きました。トンネルを出ると、落ち葉が積もり積もった自分たちの車。車の中にはほこりが溜まっており、ずいぶん長い時間をトンネルの先で過ごしたことが分かります。

そして豚になったはずの両親は人間の姿に戻っていました。千尋たちは再び車に乗って、引越し先の新居へ向かいます。

そこでエンドロールが流れ、『千と千尋の神隠し』は終わりを迎えます。

映画『千と千尋の神隠し』の作品情報

千と千尋の神隠しのジャケット写真

レンタル開始日
2002/12/18
ジャンル
定番スタジオ(国内)
出演(声)
柊瑠美 入野自由 夏木マリ 菅原文太 内藤剛志 沢口靖子 上條恒彦 小野武彦 我修院達也 神木隆之介 玉井夕海 大泉洋 はやし・こば
上映時間
125分
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映画『千と千尋の神隠し』のユーザ評価

評価数:11612件
評価 :★★★★☆(4.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    それぞれの登場人物に、宮崎アニメの奥深さを感じました。千尋の両親が飲食店で豚にされるシーンでは、人間が持つ煩悩を描写し、それを操ってお金を儲けようとするゆばーば、目先の欲には目もくれず自分のカラダを最大限に活かして仕事に打ち込むカマジイには、何か清らかさを感じました。とても素晴らしい作品の一つです。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    湯屋の不思議な光景に何度も見てしまいます。高いところが好きな自分は高所的な場面も良いし絵が綺麗ですね!本当好きな作品です。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    世界観が大好きな作品、一人の女の子が強く立っている事は私も見習わないといけない事実ですね。建物がその世界が凄く綺麗で何度観ても初めて観るようにワクワクします。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    何度も何度も見ていますが、この作品の本当の意図はまだ理解できていないような気がして、きっとこれからも何度も見ます。それでも見終わった後は充足感がすごいです。また、ちひろの健気さに毎回涙します。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    何十回観てもまた観たくなる作品観れば観るほど千尋の強さやハクの誠実さに惹かれていきます。

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おすすめの関連作品

スタジオジブリの代表作としては『千と千尋の神隠し』が最も有名ですが、『ハウルの動く白』や『もののけ姫』なども2019年現在において、興行収入が200億弱と非常に人気な作品です。

また日本国外に目を向けると、アメリカでは『借りぐらしのアリエッティ』が最も興行収入の高いスタジオジブリ作品として知られています。

アカデミー賞、カンヌ映画祭、ベルリン国際映画祭等、海外の賞を総嘗めし、かの有名なスティーブンスピルバーグ監督から

「宮崎駿さんの世界が特に素晴らしい。ディズニーのどの作品よりも素晴らしいと思っています」

と言わしめたスタジオジブリ作品はどれもハズレなしと言わざるを得ない出来栄えとなっています。

映画『ハウルの動く城』の作品情報

ハウルの動く城のジャケット写真

レンタル開始日
2005/11/16
監督
宮崎駿
出演(声)
倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏 我修院達也 神木隆之介 伊嵜充則 大泉洋 大塚明夫 原田大二郎 加藤治子
上映時間
119分
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映画『ハウルの動く城』のユーザ評価

評価数:6706件
評価 :★★★★☆(4.2/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    すばらしい作品です。ストーリーもわかりやすくて最初からはらはらドキドキ。画質もきれいで見やすいので一人でも家族でも一緒にみることができる作品です!
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    主人公が映像の殆どでおばあちゃんの姿なのが印象的でした。ハウルは美男なくせに癇癪持ちで人間味あふれる作品です
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    宮崎氏のファンタジーへの造詣の深さを改めて感じました。登場人物の動機がイマイチ描写不足で、何故そんな行動をとる?と思う部分が何ヶ所がありましたがトータルで面白かったです。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    ハウルがイケメンでかっこいい。声はキムタクで、ハウルの雰囲気にあっている。こわいシーンもあるが、ハッピーエンドでよかった
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    ハウルがとてもかっこいいです。ソフィのちょっとした力の事をちゃんと理解してから見るとまた少し理解が深まってより良い作品になると思います。

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映画『もののけ姫』の作品情報

もののけ姫のジャケット写真

レンタル開始日
2003/01/16
ジャンル
定番スタジオ(国内)
出演(声)
松田洋治 石田ゆり子 田中裕子 美輪明宏 小林薫 森繁久彌 森光子 西村まさ彦 上條恒彦 島本須美 渡辺哲 佐藤允 名古屋章
上映時間
133分
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映画『もののけ姫』のユーザ評価

評価数:8969件
評価 :★★★★☆(4.3/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    人間と自然のあり方を問うジブリを代表する作品だ。勧善懲悪などという概念をはるかに超越した、我々人類に強く訴えかける。放映から20年たった今もなお色褪せない普及の名作である。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    なんとなく怖くて避けてましたが…早く観ればよかった。自然崩壊してる世界に、人間は自然ありきで生かされてるんだと言う事を様々な映像を通して訴えてる 素敵な映画だと思います。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    動物からみた人間の愚かさだったり、生きることとは何かということを教えてくれる話だと思います。お子様の教育にも命の大切さ、環境の大切さを伝えるのにもいい作品だと思います。とてもオススメです。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    世界に誇る作品。この作品には絶対的な悪役はいません。しかし物語として完璧になりたっています。ジブリ作品で1番好き。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    大人になってからちゃんと見ていなかったのでレンタル。音楽、ストーリー、映像ともに とても良かったです…。昔は悪役と思っていたエボシ様も、悪人というわけではなく、自然と人間の営みについて考えさせられます。

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映画『借りぐらしのアリエッティ』の作品情報

借りぐらしのアリエッティのジャケット写真

レンタル開始日
2011/06/17
監督
米林宏昌
出演(声)
志田未来 神木隆之介 大竹しのぶ 竹下景子 藤原竜也 三浦友和 樹木希林
上映時間
94分
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映画『借りぐらしのアリエッティ』のユーザ評価

評価数:7193件
評価 :★★★★☆(4.0/5)

ゲオユーザの評価・ネタバレ
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    意外とシリアス。 狭い舞台なのに、心に染みつく印象に残るジブリ作品。 他のどでかい冒険物にない、妙なドキドキ感が残る。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    宮崎駿ではないけれど、安定感のあるジブリアニメでした。ハラハラもするしドキドキもします。そしてとても夢が詰まった内容でした。
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    小人が自分の家に住んでいる!?なんて夢のある話なんだと思いながら観ました。家具、虫、猫全てが小人目線。リュックの後ろに安全ピンがついてたり、両面テープで壁を登ったり。小人たちの工夫一つ一つが目からウロコでウキウキしました!
  • 評価 :★★★★★(5/5)
    音の表現がすごかった!小人から見える世界がすごかった!どんな生き物でも生きている。
  • 評価 :★★★★☆(4/5)
    斬新なストーリーと綺麗な映像で驚かされる。アニメで描かれた懐かしい風景等が日本の田舎を思い起こさせて感激した。

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